第6話 打ち明ける

ピンポーン

「お!来たね。じゃあヤバそうだったらカレン頼むわ。

カレンのこと言わない方がいいかな?」


「いえ全てを言う必要はありません。

高性能のAIを作って編集をさせていると言えば良いのです。

私がいればその程度造作もありませんから、

それより私に自我があるのさえ知られなければいいです」


なるほど、別にAIにやらせているなんて普通か。(⚠︎普通ではありません)

まあそれだったら、カレンを紹介しなくていいかな。

全部AIにやらせていますって言うだけで。


「どうも、白金さんさっきぶりですね。」


「ええ、上がらせてもらうわ。それにしてもいいの?

今日知り合った女性を家にあげるなんて、あなたのことが心配なのだけど...

私以外にもここに通っている女性はいるの?」


「いやいないですよ。ここの家初のゲストさんですよ。

それに自分の手料理を振る舞うのも初めてですよ。

口に合うといいんですけど」


「いえ私が口を合わせるわ!それにいい匂いだもの。

私も男性の部屋に入るなんて初めてだわ。」


「そうなんですか?芸能事務所の社長でもそう言う縁はないんですか?

白金さん美人ですし経験豊富なんだと思いましたよ。」


「美、美人!そ、そんな大袈裟な。

こんな美少年に言われるなんて悪い気はしないけど...

普通男性の家に入れるのは、本当に仲がいい夫婦か、護衛くらいなものよ。

それに護衛だって要人以外につくこともないしね。」


やっぱ護衛みたいなのいるのか。俺は不要だけど、その感じ普通はつけないのかな


『その通りですよ。

先ほど白金氏が言っていたように要人しか付けていませんよ。

男性の優遇はあれどそこまで危機的人数でもありませんから、

それでも心配な家族は、気のおける自分の娘や友達に陰ながら

護衛させて決して一人にはしないようにしていますね。

それもあり、男性は窮屈に感じたり逆に怖がったりなどしてしまいますから

いろいろと面倒なのですよ。

まだ外に出ていないから知りませんでしたが、

外に出ればあまり会わないだけで大通りなどには男性がちらほらいますよ』


長い説明をありがとうカレン。ふっふっふ頭の回転が速いとすぐ理解できるぜ!


「あ、あの月白君?」


「ああ、ごめんなさい、いろいろ考え事してて。

今ご飯出しますね。あ!アレルギーとかないですか?」


「ええ、特にこれといったアレルギーはないわよ」


よかった〜聞くの忘れてたよ。

まあカレンが調理前に止めないってことは、特に気にする必要はないけど。


「どうぞ、クロックムッシュとジャガイモの冷製スープです。

あと切ったオレンジです。飲み物って紅茶かコーヒーどっちがいいですか?」


「紅茶でお願いしようかしら。それにしてもほんと美味しそう!」


「あ〜信じていませんでいたね〜

これでも3食自分で作っているんですよ。

今日は起きるの遅くてこれが一食ですけど」


よかったカレンにいつも何を飲んでいるか聞いといて。

ねえ知ってる〜紅茶とコーヒを美味しく淹れるのは温度が重要なんだよ〜

最初から答えを知っていたんだ最高に美味しい紅茶を淹れてやるぜ!


「そ、それは...男性が料理するなんて私が知っている中にいなかったんだもの。

男性の手料理なんて創作の世界だけよ。

一時期、男性が作りました!みたいな謳い文句の料理店が繁盛していたけど

それが、ほとんどを女性が作っていて大炎上してしまい、

店を畳んで村八分状態になったってニュースがあったくらいだからね」


まじか、そんなのがあったんだ。

やっぱ自分が楽しむくらいでいいな料理は。

能力のおかげでプロ顔負けの料理が作れるから気をつけないと

ん?信じてないな〜

見たものすぐできる能力と鋭敏な感覚器官で最高の出来になるんだよ


「お、美味しい!高級レストランで食べる食事よりも全然美味しい!

今多幸感がすごいわ、今日は招待してくれてありがとうね」


「隠し味に愛情がたっぷり入っていますからね。

また呼びますよ、ずっと一人だと流石に気が滅入っちゃいますから」


「/////愛情//////、ま、また呼んでくれると嬉しいわ。

私も話していてとても楽しいから」


て、照れている!美人が照れている!

こ、これが数多の童貞を手玉に取る小悪魔系女子がやっていたことか.....

ちょっと楽しい!


--------------------------------------

「ご馳走様でした。本当に美味しかったわ。

また、お邪魔したいわ」


「お粗末さまでした。紅茶のおかわり入れますね。

それで、ちょっと相談したいことがあるんですけど」


「何かしら、私ができることならなんでもするわよ」


なん...でも......

っく!とまれ僕の中の煩悩!


「えっと、配信者のツクヨミって知っていますか?」


「ええ、つい最近出てきた男性の配信者よね。

すごいわよね、週に6日も活動しているなんて。

それも男性でよ、本音を言っちゃうと私のところの子も

そのくらい熱意を出してもらえるとこちらとしてはやりがいがあるのだけど

ん?月白君の声ツクヨミに似ている....」


やっぱ、週6はやりすぎたか?

まあカレンがいるからそこまで負担はないんだけど。

あ〜声でばれる可能性があるのか。

もっと変声使って地声がどれかわからないくらいにしないといけないな。


「それ僕なんですけど。これからいろいろ相談したくてですね...」


「ええ!本当に?本当に本当に?」


「ええ、本当です。」


あ、固まっちゃった。そりゃそうか。

男性配信者俺しかいないし、今登録者450万人になったし。

は、はえ〜そんなに速いと思わなかったな〜

正直舐めてたよね、まだ2回しか配信してないのに....

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る