第5話 オ、オーナーだと...

「う〜かれん今何時?」


「今は朝の10時です。思ったより早い起床ですね。

まだ寝ぼけているなら軽い運動を推奨します。」


「あれ、起きてからの運動ってあんま体に良く無いんじゃないの?」


なんかどっかでそんな記事見たことあるようなないような

高齢の人に限ってだったっけな?


「世間一般では良くないと言われていますが、

あなたの体ならなんら支障はありません。

そもそも怪我や事故で亡くなる以外あなたの寿命は150年ほど生きれます」


なん...だと

150年、新人類だろそんなの

まあ病気にかからない頑丈な体だもんな実際

妥当なのか?


「じゃあ下で軽くランニングしてこようかな。

女性が働いてるからこの昼時はそんなに人いないだろ。

今日の昼はめんどくさいからホットサンドでいいだろ」


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「こんにちわ〜」


俺以外誰もいないな、それに受付の人もいない

いいのかな勝手に使って、昼間使う人いないから昨日みたいにインストラクター?

の人は立ってないのかな?

まあとりあえず、10キロくらい走ってご飯にするかな


「あれ?最上階の男の子?」


「え?ああそうです。月白ですよろしくお願いします」


「ああごめんなさいね。

私はこのマンションのオーナーの白金 霧虎(しろがね きりこ)です。

今日は仕事が休みだったから私も運動しようと思ってね。」


「そうなんですか。

僕は1日中ダラダラしているので気分転換に昨日からここを使っているんです。

ここすごいですよね。清潔に保たれてて、プールまであるなんて」


「ありがとうね。ここをデザインした甲斐があったわ」


「デザインしたって?ここのオーナーがやるんですか?」


「そうよ。私は芸能事務所エトワールの社長をしているんだけど。

うちの子たちが安全に過ごせるようにと思ってここをデザインしたの。

所属している子みんなが住んでいるわけではないのだけど、

何人かここに住んでいるのよ。

それに男子でも安全快適に過ごせるようにってコンセプトもあるから、

あなたが快適に過ごせてそうで嬉しいわ」


な、何〜!!

ここのオーナーだと!見た目的に20歳中頃に見えるのに

べらぼうに美人だぜ。

ここは胡麻を擂っておくべきなのか....


「そうだったんですね。いつもお世話になっています。

ここの施設も部屋もすごく快適でなんだか家から出たくなくなりそうですよ。

コンシェルジュまでいて至れり尽くせりです」


ここは胡麻を擂るのだ!何、情けない?

だまれぇ!調べたらここの家賃払ってないんだぞ俺!

男性は払わなくていいって書いてあったんだよ。

それに!男は美人に弱いものだ!

しかも俺は年上好きだぁああああ!!!


「嬉しいわ!それにしてもいい体しているわね。

健康的ですごくいいわね!それにしても怖がらないのね?

私のところにいる男性はこんなにきちんと会話できないのだけど」


「え〜それってどうやってコミュニケーション取るんですか?

それに白金さんから悪意?みたいなのを感じませんから、

怖がるも何もないですよ。」


「男性とは、常にメールでやり取りするわよ。

気軽に話しかけても、怖がらせてしまうだけだからね。

それはそうとこのあとお昼ご飯でも食べない?」


なんだと....

こ、これは乗るしかない!!

カレン予定変更でクロックムッシュとなんか付け合わせのスープで!

ふっふっふ、ここで光る!俺の手料理が!


「いいですね。じゃあシャワー浴びたら僕の部屋に来てください!

腕によりをかけて作りますね!」


「っえ!男の子の手料理!それに部屋に招待だなんて...

(落ち着くのよ霧虎!相手の好意なのだからつけあがっちゃダメよ!)

わかったはじゃあ12時に部屋に行くわね」


最初から部屋に誘うのはやばかったかな。

逆に考えると、初対面の女子が部屋に男子を呼んで手料理を振る舞う....

やばいや〜ん、ビッチや〜ん

てかその男子はどんな徳積めばそうなるんだろ。

まあ、言ってしまったものはしょうがない。

外に出ないせいでいまいちこちらの世界を理解していないから

この機会にいろいろ教えてもらおう。


「じゃあ12時ですね!また!」


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「カレン!勢いでやっちまったぜ!

まじでどうしよう。

今日の料理動画とかここのキッチン使おうと思ってたのに、

絶対場所バレるよね?うわ〜考えなしにも程がある〜」


「いっその事打ち明けるべきだと。

こちらで白金 霧虎について調べましたが、打ち明けても良いと考えます。

事務所に誘われる可能性はありますが、

無理やり入れさせられることはないと思いますよ。

それに、マスターの気分を害するのであれば私が直々に抹殺しましょう。」


こ、怖い!カレンが怖いよ!

まあでも言っちゃう方が楽か〜

いろいろ相談もできるし芸能人の男性がどんな感じに仕事してるとか

聞きたいし、芸能事務所の社長なら今後のメリットの方が多そうだ

いざという時のカレンがいるし、どうにかなるだろ。


「じゃあそうするかな。そうだ!

誰かと話している時とかに、カレンに聞きたい時とかってどうすればいいの?

さっきも昼の変更とか伝わっていた感じだったけど

こっちからなんか聞く時とかどうすればいいかな?」


『こうすれば良いのです。

話すと強く念じながら喋らずに私に話しかけてください。』


の、脳内に直接!こ、こいつできる!


『ふざけていると時間が来てしまいますよ』


『俺はいつでも大マジだ!』


できたな、こんな感じか。

まさしく念話だな。カレン以外にできなさそうだけど

最近になって気づいたんだけど、なんで特典に鑑定を入れなかったんだ俺

あれこそどんな世界でも重宝するのにと最近後悔したんだとさ。


「シャワーを浴びて、昼ごはんも完成!

クロックムッシュと、ジャガイモの冷製スープと

オレンジをカットしたものだ。クロックムッシュっていうのは

簡単に言えばしょっぱいフレンチトーストだな。」


これがうまくて簡単なんだよ。卵液にサンドイッチを浸して焼くだけだからね。

冷製スープも玉ねぎとじゃがいもをバターで炒めて

牛乳で煮込んで粗熱をとるだけ。出す前まで冷蔵庫にど〜ん!


一様掃除をしといた方がいいかな?


「やめた方がいいですよ。

そもそもそこまで汚れていませんし、埃などが舞う可能性がありますから。

大人しくテーブルでも拭いて待っていてください。

あと、夜何を作るかの呟きをさっさと済ますのが良いと思いますよ」


そうだ!いろいろあって忘れてた!

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