第19話 浅草
翌朝、山脇倉庫に行ってきたと言う刑事は
「山脇倉庫は山脇勝郎という奈犬振村に普段住んでいるひとが社長で、倉庫にいた従業員に聞いたらバッグは知らないと言うんで、一応見せて貰ったんですが有りませんでした」
「その社長はんに訊きやしたか?」清水が言う。
「はい、電話で訊いたんですが、知らないと言ってました」
清水と交代して由利を調べた刑事からは
「由利大樹は市内円山に住んでいて親は子供の頃に離婚、母方の苗字を名乗ってました。父親は山脇勝郎という、先程の報告の人物でした。
「ほう、山脇はんと由利はんは親子かいな……ふーむ、山脇におうてくるかいな」
「はい、自分が運転していきます」大門山刑事が手を上げた。
「ほかに報告はおますか?」
ひとり手を上げる刑事がいた。
「なんや?」
「はい、昨日起きた創成川のアンダーパス分離帯での事故なんですが、今日、事故車の前を走っていたタクシーの運転手から通報がありまして、自分の客を追っていたと言うんです。乗ってたのは花華屋の興備ご夫妻と娘さんでした。本人がまだ入院中なのでちょっと事情を聞いてきたいのですが?」
「何か、事件性でもあるっちゅうんか?」
「えぇ、まだ自分の感でしかないのですが、気になるのでハッキリさせたくて……」
「ほうか、えぇやろ。誰かついてってや。タクシー会社と興備宅へも行くっちゅうこっちゃな」
「えぇそうです」
「ほな、解散」
翌朝、朝の挨拶もそこそこに、病院へ行ってきたと言う刑事が、
「事故を起こしたのは一松正文(いちまつ・まさふみ)という山脇倉庫の従業員でした。興備家族を追った理由は言いませんでした。何か裏がありそうです。それと同乗者は田丸裕江(たまる・ひろえ)と言う飲食店勤務の女で、自分はついて行っただけで事情は聞いてないと言ってます。任意で引っ張って署で話を訊きたいと思うんですが?」
「えぇやないか、何かでそうやな」
続いて清水の代わりに奈犬振村へ行ってきた刑事が手を上げた。
「山脇の自宅と言うか住んでたのは誘拐事件の被害者道源廣輔の家で半同居してました。それで綾乃を襲った経緯についてはまったく聞いてないと言ってます。道源にも訊きましたが同じでした」
「半同居ってなんや?」
「あぁ札幌の山脇倉庫の二階に部屋があって住民登録はそこなんですが、月の大半は道源邸で道源の手伝いをするために泊ってるらしいのでそう言いました」
「襲った経緯については、そう答えるしかないやろな。グルなら余計言うはず無いよってな。で?」
「はっ? で、と言いますと?」
「あら? 被害者宅へ行ったんやろ。捜査状況はどないなってんのや! とか、金奪われてるのになんで娘は帰らないんだ! とか、言わんかったんかいな?」
「あぁ、いえ、何も……」
「はぁ? 親が娘(こ)ぉの心配してないっちゅうことかいな? ましてやで、そのさらわれた娘ぉを殺そうとする奴がいるって聞いたら、尋常な気持じゃ居られんとちゃうか? そこんとこどない見てきたんや?」
清水がきつく言うとその刑事はたじたじとして「済みません。注視していませんでした。でも、子供が誘拐された親と言う感じはまったくありませんでした」
「そりゃぁあんさん、怪しぃんやおまへんか? どや、みんな、そない思わらへんか?」
「はい、まったく可笑しいと思います。詳しく調べる必要あると思います」大門山刑事だ。
清水はしばし話しに出てきた人間関係を考えて
「誘拐されはった娘ぉの写真をなタクシードライバーはんに見せてきてくれよし」と命じ「それから……」と続ける。
「それからな、一松はんを呼ぶときに彼女も一緒にな、あてが話訊くよってな」
昼過ぎに「一緒にタクシーに乗ってたのは道源綾乃でした。運転手は写真を見て間違いないと言ってます」
と報告がきた。
清水は、やはりな、と思った。
「どうします? 興備を誘拐犯として逮捕しますか?」その刑事が言って数人の刑事が清水の周りに集まって来た。
「可笑しぃんやおまへんか? えぇか、綾乃は誘拐され犯人は興備でっしゃろ。誰が殺そ思うんや? 誘拐犯が金を奪ったし顔を見られたから殺す言うんだったら分かりますがな。しかし、一緒にタクシーに乗ってるんやろ、ってことは綾乃の命を狙ってるのは他におるっちゅうこっちゃ、興備宅に張り込め、護衛も兼てな」
午後になって一松と田丸が出頭してきた。
清水は取調室で田丸裕江と対峙した。
「申し訳おへんなこないなとこしか無くって」清水はそう切り出した。
「分こうてる範囲でかまへんさかい、一松はんが興備はんをどないな訳で追ったんでっしゃろ、話して貰えへんかな?」
「刑事にも言ったけど、私は何も知らない、聞いてない」田丸は棘のある言い方をする。
「ほないに怒らへんでもえぇやないかと思いますけど、車の中で一松はんが言ってた言葉覚えてはりまっか?」
「いやー、とっ捕まえてやるとかぶっ殺してやるとか……あっそれは何回も逃げられてるからね。あと金を貰わんととかかな?」
「何回もって?」清水が問う。
「だから、山ん中で小屋でとか沢でとか」田丸は既に警察は知ってると思っているようだ。
「そこに興備夫妻と道源綾乃はんがおったんやな?」
「だから、そう言ってる」田丸は口を尖らせて言った。
「そこで、その三人を殺そうとナイフを出したんやな?」
「だから、さっきからそうだって言ってるしょ」
「へー、そないな物騒なことをでっか、で、金って何でっしゃろ?」
「身代金のことじゃないの?」
「なるほど、でも、お金はどこにあるか知らへんのやろ?」
「いや、何か山脇倉庫の事務の女からバッグあるけどどうしましょう? って電話があったらしいからそこにあったんじゃないかな?」
「ほーでっか、知ってたんかいな」
清水は後ろに立ってる刑事に「このことあっちへ伝えてきてくれへんか」
「ねぇ刑事さん」清水が田丸に呼びかけられた。
「なんでおます?」清水が振向く。
「もう、面倒だから言っちゃうけど、小屋で正文ったらナイフ出して金寄越せって綾乃とかいう女と誘拐犯のふたりに怒鳴っちゃって、こっちまで怖くなったわよ。それで、犬飛び込んできたりして結局逃げられ、しばらく探し回って見つけてまた襲って、洞窟では生き埋めにでもなったと思ったら札幌の創成川通りで見かけちゃってまた追っかけたんよ。正文は『見つけた』って誰かに電話してるから、スピード出てるのに危ないから止めなって言ったのに、言う事聞かないからガシャーンって事故った」田丸にどういう気持の変化があったのか分からないがぺらぺらと喋った。
「一松はんは随分しつっこく追ったんでんなぁ」
「誰かに、綾乃ってやつ殺せって言われてたみたい。お金はその報酬ということらしいわよ。ついでに誘拐犯のふたりも殺せって言われてたみたい。私の知ってるのはそれだけ」田丸が言った。
「そうどすかぁ、ほんにそれで全部やな?」
「もう、帰って良い? 用事あんのよ」田丸はそう言って時間を気にしてる。
「ごめんなさい。そうは行かへんのよ。今日はこの後、その山の小屋へ案内して欲しいんよ。そこには争った証拠とかまだ残ってる思うんやわ。ひょっとしてあんさんも綾乃はんらに何かしはったのかもしらへんしな」清水は顔を顰め眉根を寄せて眉間に皺を生じさせる。そうやって厳しい表情を作って田丸に見せる。
「私、逮捕とかされるの?」田丸が清水の話を聞いて、表情を見て急に不安になったのだろうびくびくしながら言った。
「せやなぁ、あてらに協力する内容によりまんな……」清水はその田丸の様子を見てわざと言った。
「そ、じゃ、案内する」田丸は素直に言った。
清水はこの程度の脅しで言う事聞くなんてまぁ可愛いんじゃないと思い、田丸に見られないように後ろを向いてにたりとした。
「じゃ、支度できるまで、ここでちょっと待っとってくれよし」
清水は別室で行われている一松の取調べの様子をマジックミラー越しに覗く。
「なかなか喋らんな」心配して見ていた課長が言う。
「あっちは、小屋の中で一松がナイフ出したと証言しはりましたで。創成川通りで追ったのも同じ理由や言うてます。これから、現場へ走って証拠掴んできますよって」
「そうか、頼むな」
清水は捜査課に戻り山の小屋へ行く目的を話して数名の刑事と鑑識を連れ出発した。
翌日、「警部、一松が逃げました」大門山刑事がそう言って捜査課に駆け込んできた。
「誰か張ってたんとちゃうのか?」清水が糺す。
「任意だったので玄関の見える位置で張り込んでたんですが、窓から飛び降りて逃げたようです」大門山刑事が頭を下げる。
「田丸はんは?」清水が訊く。
「いえ、ひとりで逃げたようです」
「一本松はんは金をどうしたと言ってたんかいな?」
「いえ、彼は知らないと」
「田丸はんは事務所からどないしまひょと電話きたと言うとりましたがな。知らんはずない、ってことは金持って逃げたっちゅーこっちゃ。何処へやろ……」清水は考えて、先ずは立ち回りそうな先へ確認させようと思った。
「道源の家の張込してる奴に電話して訊きに行ってもらっとくれやす」
「由利んとこに誰か行ってたか?」
「はい、中橋が張ってます」
「そーかぁ、何か連絡なかったか訊きに行っとくれやす」
「あとは、田丸はんや、彼女にも訊いてな」
「あっ、泉はんの逮捕、一松はんは知ってたやろか?」 「いえ、知らないと思います」
「なら、浅草へ行くかもしれへんな」清水は言うより早く丘頭警部に電話を入れて事情を話し、張ってもらう事にした。
「空港、レンタカー、JR、Nシステムとかコンビニの監視カメラの映像に一松写って無いか各署に写真送って調べてもろうてな。……あっあと浅草署にも写真な」
……
大捜査網で捜索したが発見できない。
……
真夜中になって丘頭警部から電話が入った。
「こないに遅くに、どないしはった?」
「一松正文の足取り伝えます。もう昨日になるけど朝の五時道央道の北インターのカメラ、七時千歳空港入口、十一時半羽田空港、その後、品川駅、銀座、向島の飲食店街入口の各監視カメラに写真の人物が写ってたわ。間違いなく警部の言う泉を頼って浅草に来るわね。もうすでに手配してるから、寝てて良いわよ」
「えーーーっ! どないしてこないに早く突き止められたんや?」
「ふふふ、こっちに、岡引って超優秀な探偵がいて、あぁ京都弁の静さんのとこ、そこでこういうのを得意にしてるの、内緒だけどハッキング使ってね。だから口外秘でお願いしますよ」
「えらいこっちゃなぁ、おぉきにぃ。今度そっちへ行ったらお土産持ってくさかい、あつうお礼言うてもらえませんでっしゃろか」
「分かりました。じゃ、確保したら連絡します」
「おぉきに、ありがとさんです」
清水は丘頭警部が羨ましかった。堂々とハッキングしてるなんてそう簡単に言えるもんじゃない、ひとつ間違ったら探偵は逮捕されるだろうし、警部も首になり兼ねない。それなのに言えるということは恐らく本庁が認めてるんだろうと想像した。そこまで警察に信頼されている探偵に会ってみたいとも思った。
「みんな、一松はんは浅草や、今丘頭警部はんから連絡入った」
課内がどよめく、「みんな引き上げさせて、あんたらも少し休みぃ」
「大門山、朝になったらすぐにな一松はんを窃盗容疑で令状取ってくれよし、出たらな東京へ飛んで、連れ帰ってな。あっ、丘頭警部と岡引はんと言う探偵の分のお土産買うてってな」
「誰です岡引って?」
「いやぁ、一松はんの所在を掴むの手づどおてくれはった探偵はんなんや、頼むで」
……
朝四時、清水のスマホが震えた。
「丘頭です。一松が泉のアパートに来たところを確保しました。こっちへ来ますか?」
「分かりました。ありがとさんどした。今日引き取りに行かせますよって、それまでお願いします」
「良いわよ。あっ例の探偵に協力してもらってるの、お土産でも持って行ってくれたら喜ぶわ。彼ら食べ物に弱いから」丘頭警部が言った。
「えぇ、あては行かれへんけど、大門山ちゅう刑事にお土産持たせて行かせます。ほんまおぉきにはばかりさんどしたなぁ」
清水は電話を切ってから大門山刑事を呼ぶ。
「今、浅草署が一松はん確保したよって、大門山頼むで。誰か連れてってな」
大きなあくびをしている大門山刑事に清水は気合を入れて言った。
……
一松も由利の指示で動いていたのだった。一松を取調べしている刑事にそう話した。
聴取を部下に任せ、清水は自席で頭の中を整理しようとコーヒーを啜りながら天井を見上げて考えていた。
何故興備夫妻が道源綾乃を誘拐したのか?
どうして綾乃は一緒にタクシーに乗ったのか?
運転手に助けを求めなかったのか?
京弥は前の席に乗り、後部座席は嵩子と綾乃だから何かできそうだが、運転手の話しだと急ハンドルを切った時には綾乃は嵩子にしがみついていたと言う。考えて行くと、綾乃は興備を怖がってはいないようだと言う考えに落ち着く。
それなら綾乃が興備を怖がらない理由があるはずだ。何だ?
誘拐する前に何かあったのか?
取り敢えずパソコンを開いて過去の事件や事故を興備の名前で検索した。
しばらく考えていたパソコンが一件ヒットしたと教えてくれた。
十六年も前の話のようだった。
それによれば……
十六年前の三月二十六日興備紗世(きょうび・さよ)四歳が誘拐されたとある。身代金も五千万円奪われていた。
道源綾乃が誘拐されたのも三月二十六日だ。
身代金も同じ五千万円だ。
清水ははっと気付いた。
「興備はんはなんで身代金を持ってなかったんやろ? 二人組に奪われたんやろか? いや、泉はんは自分が道源はんに脅迫電話を入れたとゆうとりました。そうやわ、綾乃はんのスマホをつこうてと言っとりましたわ。
ほなら、興備はんはなんで綾乃はんを誘拐しよったん? ……」清水はパソコンに向かって話しかけていた。
そこへ若い刑事らがわいわい大勢で喋りながら捜査課に入ってきた。
「……だから匂いだって、それを覚えてるんだよ。テレビでやってたから間違いないって」
「へぇーそうかぁ、だって何百キロも回遊するんだぜ、それに海は広いからその匂いがどこへ行ったらするのか分からんかったら行けんべや」
清水はなんや事件の話しじゃのうて、鮭かいな、とぼやっと聞いていた。
突然、頭に閃くものがあった。
「おーっ! そや! あんたらえぇ事言ってくれやした。そうや、そうや、間違いないそやから……うんうんそうやったんか」清水は大きな声でひとり言を言った。
周りに刑事が集まって来た。
みんな清水の顔を覗き込んでる。
「なんや、あてがおかしゅうなってしもうたとでも思うたか?」
全員が一斉に頷く。
「あほやないか、分かったんや、興備はんが道源綾乃を誘拐した理由」
「よっしゃ、由利に事情を訊かなあかんな、呼んでくれよし」清水には由利に吐かせる自信があった。
取調室で対峙した清水は由利をひと目見て、堅気なの? と思った。
「道源綾乃はんの誘拐事件についてなんやけど知ってること話してくれへんかな?」そう清水は一つ目の質問をした。
由利は刺々しい眼差しを清水に向けて「なんも知らん」
身体を背もたれに預け、手はズボンのポケット……今までこんな態度の素人を見たことはないと清水は思った。
「泉耕介はんと一松正文はんがあんさんに言われて襲った言うとりますのんや」
無言の由利に清水は「彼らのスマホになあんさんの通話記録が残ってるんやけど可笑しな話どすなぁ。ちょっとスマホ見せてんか?」
由利は、清水を睨みつけたまま手をズボンのポケットから出してスマホをテーブルに置いた。
「通話記録出して」
由利がめんどくさそうに言われた物を表示し清水に向かって突き出す。
「おぉきにぃ」
清水が見ると記録はあるようだ。
「ほら、ここ見てみ」
履歴の発信者名に泉とある。
「あんさんが知らんゆうとる泉って名前が書かれてるのは、あんさんが泉の番号を事前に登録したからちゃうのか?」
「誰が泉を知らないと言った? 俺は誘拐の電話は知らないと言っただけだ」
由利は口を尖らせて言った。
清水は、まるでおこちゃまやないかと思い「ふふふ」と笑ってしまった。
「何が可笑しいんだ? お前、俺をバカにしてんのか?」泉は鼻息を荒くして言った。
「あらあら、荒い言葉。この会話録音してるさかい、興備の真世さんに聞かせなあかんなぁ」
清水はそう言ってにたりと作り笑いをする。
「ほてから、花華屋の乗っ取り計画なんやけど……」
それだけしか言ってないのに由利の顔付きが変わった。
「それあんさんの立てた計画やてみんなが言っとるで……認めるか?」
「どんな計画だ? 俺はまったく知らん」
「いちいち、面倒なおこちゃまやなぁ……あんさんの親の山脇勝郎ほか、道源廣輔、泉耕介、一松正文は尋問されて供述しよったし、殺された長沼青二郎はご丁寧にパソコンにな文章で書いとるんやわ」
清水が机に一枚のペーパーを置いた。
由利が目を通し「ちぇっ」舌打ちをした。
「 あんさんがなんぼ否定してもな、考えて見なはれ、あんさんを除いた四人はどうあがいても乗っ取りなんかできしまへんのや。泉と一松は逆立ちしても山脇と道源を動かせんやろ? 顔も知らんのにやで。山脇は一松には命じることはできるかも知らへんが、泉には無理やろ、赤の他人やし関係がないんやから。
今時の若いもんならネットで採用とかも考えられるが、彼らはそんなこと出来しまへんのや。まだあるで、もぅっと聞きたいかぁ? 」
「俺は冗談の積りで言ったんだが、奴らが本気になっちゃって……」由利が言った。
「ほな、言ったことは認めるんやな?」清水は念を押した。
「あぁ」
「ほんなら、綾乃はんを殺そ思うたんわ何時から、ほんで何故?」
「俺の情報源は真世に決まってるべや。何も知らずに嬉しそうに妹が帰ってくるかもとかって言ってよ、ふふふ、バカな女」由利は腹立たしいほどの薄笑いを浮かべて言った。
「何時?」
「綾乃が誘拐された前の日だったから焦ったよ。家に帰られたんじゃ計画がポシャっちゃうだろうが」
「あら、あんさんさっきは冗談でと言っとんたやないか? ふふふ、やはり本気だったゆう事でんな」
清水が言うと由利はそっぽを向いて口を閉じた。
「ほーかぁ、じゃ家ん中調べさせてもらうで、確りとした証拠掴まんとな、法廷で、脅されて言わされた、何ちゅうこともあり得るさかいな」
清水が家ん中調べると言った途端に由利は動揺を見せた。
「家に何かあるんやろな? ……」清水は心の中で呟いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます