六刀目 帰還

「お前の名前は、「桜火おうか」だ」

「ほほう、良い名をつけるではないか」

「名前を付けたんだしこの場所から出たいんだが」


帰りたいゲージMAXになっている咲は桜火を睨め付けながら催促した


「それはそうだな、この場所にも飽きたわい」

「どうやって帰ればいいのよ」

「まぁ、待て元の位置に返してやる」


桜火が印を結んだ瞬間、目の前が光に包まれた

目を開けるとそこは、白い空間が覆っていた

どこまでも続く白い空間に咲はあっけに囚われていた時


「あの子の元まで来てくれてありがとう」


どこからか聞こえてくる優しい声


「え、だれ?なに?」

「あの子はずっとあそこで封印されていてね退屈だったと思うから仲良くしてやってね」

「ねぇ!!誰なの?」

「もう時間がないから今度ね、またね」

「うっっ」


するとまた目の前が光に包まれた

次は、元いた学校の準備室に立っていた

すると


「おい、お主大丈夫か?」


桜火が脳内に語り出してきた


「うわ!びっくりした!急に話しかけないでよ気持ち悪い」

「何を言うか!お主の心配をしてやったと言うのに!」

「え?」

「お主はこの場所に帰ってくるなりしばらく呆けていたのだ」

「そうなの?」

「うぬ」

「全然記憶ない、なんか白い空間にいたような…しかも誰かに話かけられた気が」

「それはお主…もしかして…」


桜火が言いかけた時、準備室のドアが倒れ大勢の陰陽局の役員が押し寄せ慌てて会長は声を荒げながら詰めかけてきた


「緋月!!大丈夫か!!怪我とかはないか!?」

「は、はい...大丈夫です...会長はどうしてここに?」


若干引きりながら質問をした


「あぁ、式神を使って遠くから監視していたんだよ何かあるかも知れないと思ってね」

「なるほど」

「式神から報告を受けて気配が消えたと言われてね駆けつけたんだよ」

「なるほど」

「ん?調査する前にはその刀持ってなかったよね」

「このことで、説明したいことが」

「わかった、この後会長室にいてくれ」


・・・・・・・・・


会長室に着きあの場所でのことの発端を説明をした


「あの場所で消え、その刀の洞窟に遭遇したと」

「はい、あの事件もこの刀の影響でした」

「なるほどな、無事帰ってきてくれて嬉しいよ」

「正直、どうなるかと思いましたね」


少し会長と談笑していると桜火が勝手に出てきた


「この中は本当に窮屈で堪らんわ!」

「おい!急に出てくるな!」


会長は少し驚いきその瞬間に2体の式神が出現し臨戦体制で睨んでくる

桜火は張り合っていた時、ひと拍手をすると2体の式神は薄くなり霧となって消えた


「すまないね、うちのやつが」

「いえ、こちらこそすみません」

「おい!桜火も謝れ!」

「何もしていないではないか」

「もういい、一回戻れ」


桜火は不貞腐れながら刀に戻った


「さっきのが、例の刀の本体かい?」

「はい、言うことをあまり聞いてくれないですが...」


一息ついた会長は、この件は大きすぎるので本部での判断を仰がないといけないと言われ東京にある日本陰陽連盟局に行く羽目になった


「本当に日本陰陽連盟局あそこに行かないと行けないんですか?」

「私の判断の域を超えているのでね、お願いするよ」

「…めんど」

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