四刀目 祭壇の刀
祭壇の中に閉じ込められた緋月は、じっと観察していたそれは何が起きるか分からないという異常事態というこれまで任務で培ってきた己の自己判断にようるものであった。
「どうしたらこの空間から出られるかなぁ」
「.......ぉ...ぃ.......」
何処からか歌に紛れて声が聞こえた気がする。
「この刀に触れろ」
今度はしっかりと聞こえた。
命令口調の低い声で圧を感じ少し気を許せば意識を持ってかれる程の妖力がさっきまで感じなかったのに今になってこの空間を支配した。
緋月はこの空間から逃れることができなくしかもこの圧の正体を見つけださい限りそうすることもできないと悟り恐る恐る刀の柄に触れた。
「...っっっ!!!あああああ!!!!」
身体中に電流が走り出した感覚が襲い掛かり柄から火花が散り始めた
火花が周りの蝋燭に引火し六芒星の魔法陣のように燃え上がった。
身動きが取れずに抵抗するしかない中、無我夢中で刀を岩から抜いたその瞬間周りが無音に包まれた。
つい先程まで身体中に流れていた電流や歌、自然の音などが一切聞こえなくなった。
「......え...どういうこと...」
困惑して戸惑っている最中また何処からかあの声が聞こえてきた。
「ほう...誰も抜けなかったあのクソ餓鬼の刀を抜いたか」
「...っっ!!お前は誰だ!!何処にいる!!」
「そうかっかするな...ここにいるではないか」
そういうと右手が勝手に動いた。
視線をその先に移すとそこには握っている刀だった。
「は?嘘だろ?」
「嘘ではない真実だ」
また困惑し始めたが考える余裕を与えないかのように刀から何かが出てきた。
その姿は、鬼の姿をしており目つきの悪い目でこちらを見つめながら現れた。
「我は この地を収める者なり 汝 何を求める」
「え...何って...何も」
「...?何? では何故ここまできた」
「それは、組織の任務できたから」
「任務?さてはお前、陰陽連の連中か」
「そうだが?」
一連の会話をすると少し考え込んでいるそいつがだ。
一言、言い訳を言った。
「それに、「触れ」と言ったのはお前だろ!!」
「あれは...運試し?的な?」
「はぁぁ〜??」
「静まれ静まれ、まぁ抜けた物は仕方ない」
「これからのことを説明する」
そういうと説明を始めた。
「まず、この場所はあのクソが...安倍晴明が封印させた地だ」
「...はえ?ええ?あば、安倍晴明?!」
「なんで、あの方がこの地を封印して...」
「それはこの地が心臓の位置をしているのだ」
「心臓?どういうことだ?なんの事を言っているんだ」
「この日の本は龍が封印されているのだよ」
「え、あの幻想と言われている」
「そうだ、正確には龍の神が封印されている
名は
陽の龍
陰の龍 禍ト
「待て、陰と陽の龍の神が存在するのか」
「ああ、陰の心の臓は近畿の方にある」
「そして、この地と共鳴しておる、そのうち出現するであろうに」
一気に説明され御伽話とされていた龍の存在や安倍晴明の登場により更に混乱が加速する。
「それと、封印が解かれてから分かったが何やら不穏な因子がちらほらいるな」
「不穏な因子?」
「さよう、毎回何やらふざけた事をやらかす連中がおる、今回もその類だろう」
混乱の最中また新しい情報が入り込んできてどうしていいか分からなくなった。
「さて、次はお主の話だ」
「え、私?」
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