◆第六章 今へと至る結末
抜け道を通り、再度教会の中へと入る。見つからないように
やっとのことで最上階へと
そこに人の姿はなかった。
部屋は古びてはいるが、広々として、大きな窓があった。場所を確認する
古びた壁に鎖が
彼女の手首の
早く彼女に、彼女に会わなければならない。
使命感にも
だけど、彼女はここにはいない。
一体どこにいるのだろう。
人の気配が無いのもおかしい。
―― 新たな星や命を
―― 共に歩むの。それが『星の子』 ――
突然、彼女が寮に来た時の
その予感は記憶の呼び水となり、あの日の
―― だから雲に乗って旅立つの ――
―― ジェットに
―― 言うなれば最新技術の
―― 特別な結晶に変換して ――
何を ―― 変換するっていうんだ。
両親の隣にあった
その時、美しい鐘の音が高らかに鳴り響いた。
その
―― いつかは死んでしまうの ――
―― それは悲しいことではなくて、ただ形が変わるだけ ――
―― 形を捨てて本来の種に戻るの ――
―― 私は吹き抜ける風になりたい ――
―― 雄大に浮かぶ雲になりたい ――
―― 優しく夜を照らす月になりたい ――
―― 恵みを与える太陽もいい ――
―― 生まれ変わったら何になりたい ――
鐘は鳴り続け、もつれるような足取りで僕は箱舟へと急いだ。
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泣き
「……あなたに一体何があったのです」
彼はゆっくりと語り出す。
これまでのことを。
そして、今へと
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回廊を抜け、ホールの階段を
その隣に彼女は
中を
彼女は深い眠りに落ちている。
ここに彼女を置いていてはだめだ。
なぜか強くそう感じた。
彼女を連れ出すべく、
その時、鳴り続けた鐘の音が突然止んだ。
それと同時に短いアラート音が響きわたり、緑色のランプが数回点滅して赤色になる。
彼女は ――
安らかに閉じられた
丸みを
―― 何事も無かったように眠っている。
僕は
再びアラート音が鳴り、ランプが赤から青に変わる。
また放電が起こった。
強い光が
すると
目が
その時 ――、
声が聞こえた
―― 気がした。
振り向いて、突き抜けたそれに手を伸ばす。そして
そして、最後には見えなくなり、僕だけが一人取り残された。結局、行くべき場所に行こうとするそれを、止めることは出来なかった。
「搭乗予定の艦船は
―― まるで遠くの
「よって、
別モニターが開き、自身の現在地と船の位置が示されたルートマップが表示された。
――
「船に
―― うるさい ――
「尚、
―― うるさい、うるさい ――
「至急、退避し ――」
全てを言い終わる前にモニターを切った。
しばらく
突然、強い
―― 会いたい ――
その場に
―― 君の声が聞きたい ――
月の光に映し出された、もの言いたげな彼女の姿が
アモル ――
その
僕は
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