第3話下校
まさか大場くんと下校するとは思わなかった。
今こうして誰かと帰ってるのが不思議だ。
何を話せば良いのか。僕はただ黙ったままだ。
僕は勇気を出して聞いた。
「どうして僕を誘ったの?」
すると大場くんは、「谷口くんに興味が出てきて。」
その後に大場くんはこう話した。
「谷口くんはいつも1人でいるじゃん。実は前から興味があって。友達がいなくても寂しいと思わないって聞いたら、僕と全く真逆の人なんだなって。僕は常に誰かといないとダメな人間で。常に嫌われないように周りの視線を気にして生きてきたから、だから谷口くんみたいな人が羨ましいなって」
初めてだった。人に褒められるのは。褒められてるのかどうか分からないけど。クラスの人気者の大場くんにもこんな一面があるんだなって知れたのもなんか嬉しかった。
その後に僕は続いた。
「僕は単純に人に興味がないだけ。人はすぐ裏切るし、自分の都合が悪くなったら逃げる。それなら最初から関わらなきゃいい。だからずっと1人なんだ。変わらなきゃいけないのは分かってるけど、昔のトラウマがあって中々一歩が踏み出せないんだ。」
初めて自分の心の内を話した。
大場くんが話した。
「そのままでいいんだよ。谷口くんは。変わる必要はないと思う。僕はそのままの谷口くんに興味があるから。だから無理矢理クラスの人と話そうとか関わろうとかしなくていいと思うよ。」
なんだか心が楽になった。
最後に大場くんが「もし僕と関わるのが嫌になったら、無理に話さなくてもいいよ。谷口くんが話したくなったら話そうよ!じゃあ、また学校で!」
と言って大場くんとはバイバイした。
初めてここまで人と話した。
久しぶりに疲れた。とりあえずゆっくり休もう。でもなんだか気分は良かった。その日僕は気持ちよく眠れた。
一匹狼の谷口くん @naoto08
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。一匹狼の谷口くんの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます