第5話 ファイヤードラゴン
(1月4日)
くっそ〜コペの所へ行きたいがひとまずは身の安全のために戦うしかないな。
「磁界!」
俺はまず磁界を作って考える時間を稼ぐことにした。
「ぎょえぇぇ、、ゴゴゴゴゴ」
ドラゴンは雄叫びを上げたあと火を吹いた。
さすがファイヤードラゴンめちゃくちゃ熱い火を放ってくる。
俺の磁界は瞬く間に溶かされほぼ機能しなくなってしまった。
「くそ〜ならば近接勝負だ!磁力とブレッドファイヤー(ホットアイアン)!!」
俺はあのくそドラゴンの翼を溶かした鉄で固めた。
ドラゴンはすごい速さで落ちてきた。
着地失敗したドラゴンに向かって俺はメタルソードを振るう。
「くらえ、おりゃあ〜」
スンっ
しかし当たらなかった。
大事なとこで外すか普通、、、、あ、、、俺器用さゴミだったわ
コントのようなことをしているうちにドラゴンは体制を整えた。
ぺしっっ
俺はドラゴンにしっぽで殴られて飛ばされた。
「こうなったら、、、磁力!」
俺は磁力を使ってバカクソでかい鉄のバットを作った。
おっさんが金属バットを渡そうとした理由がわかった。
金属バットを鉄でバカクソでかくするためだ!
これなら俺でもドラゴンに一撃は与えられる!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉりゃぁあ」
俺は飛ばされた勢いとバカクソでかいバットを使って叩き潰した。
「グワァァァァァァァァ」
ドラゴンの断末魔が空へ轟く中、砂煙が待っていて当たりが全く見えない。
次第に晴れてきた。
俺はどうやらドラゴンを一撃で倒したみたいだ。
これは伝説に残せるだろう。
きらーん
冒険者カードが光って名前の横に文字が現れた。
『称号』【一撃しか当たってない】
何だこの皮肉のこもった称号は、、ふざけてるのか?
ところで、、、コペどこに行ったんだ?
俺は辺りを探すことにした。
しかし全くと言っていい程見当たらない。
一旦街に戻って情報を集めたが街には戻ってきていないようだった。
グズグズしているうちにもう外は真っ暗である。
光に弱いアンデットが土から湧き出てしまう時間帯になろうとしていた。
アンデットは全物理ダメージ無効かつ再生スキルも持っている。
コペのように光属性魔法をガンガン使わないと夜を明かす前に俺がアンデットとして誕生してしまうことになることは明白だった。
俺は一旦ギルドに戻り、夜の間は光属性魔法を使える人を探すことにした。
1月5日
一晩が経ってしまい、もう夜は明けてアンデットはそれぞれ土に潜っていく。
くそ、、光属性魔法を使える人がほとんど居ない。
そもそも獣人族の街と言っても過言ではないので大抵が剣士もしくは武道家である。
夜の旅はどうしているのかと聞くと、アンデットの魔力が尽きるまで戦い続けて再生できなくするそうだ。
正直俺としての感想は脳筋だなこいつら!!
である。
ひとまず夜は開けたので平原一帯を再び探そうと思う。
ちなみに街には目撃情報は全くない。
昨日は西側半分を見たので今日は東側を見ようと思う。
そう考えつつ走り回っているとどこからか謎の気配を感じた。
「後ろか!?」
「なんじゃ?なにか捜し物か?」
あ!ハゲ散らかした低身長のじじぃ!なんでいるんだよ。
「コペがどこかへ行ってしまったんです」
こいつならなにか知ってるかもしれないなら聞いてみた。
なんか偏見だけど変な情報なら持ってそうだよな、こいつ
「お前せっかく磁力使えるのにもったいないの〜磁力でコンパスが作れるってのに、、」
ほらなこいつなんか知らんけど絶妙にいい情報を知ってやがる!
「想像力=創造力だ!お前ならできる」
じじぃの名言が俺の心に響いた。
でも2時間後には忘れているだろう
だって俺、あいつ嫌いだし、なんか絶妙にダサいし、
「じゃあわしは結界魔法の瞬間移動で転移してコペちゃんと遊びながら待ってるぞ」
じじぃが瞬間移動してコペの方へ行った。
「瞬間移動できるなら早く言えよ!あと連れてけよ!くそじじぃ、」
「あーいいなぁー俺も瞬間移動してぇ〜」
その時、俺の心に響いたあの言葉がもう一度脳内再生された。
想像力=創造力、、、
......そうだ!
コペの杖付近に磁石を置いて飛んでいけばいい!
NとSの関係を無理やり俺の磁石と、コペ付近に設置する磁石のみに与えればいい!
めっちゃ魔力使いそうだけど恵まれた数値でカバーしよう!
「俺にできないことは無い!」
俺はコペの杖を想像してその横に磁石があると想像した。そして磁力を作って飛んでみた。
「ビュン」
ほんとに飛んだぞ!
謎の建物の屋上に着いた。
俺が周りを見てみると確かにコペの杖があった。
しかしコペはいなかった。
「嘘だろいないのか?」
俺はコペの杖を持って下の階に進んでみた。
「ん?じじぃ!」
じじぃが3階にいた。
まるで王の玉座のようなもの席に座って外を眺める。
さっきまで心まで晴れやかになりそうなくらい快晴だったのにも関わらず、雲が大量に流れ込んで来ている。
帰りの傘ないぞやばいな、、、
あ、コペの結界に入れてもらおう。
階段を降りて入口の方へいくと、神社の狛犬のような銅像が2つ置いてあり、それぞれの口には剣を咥えている。その間にを進むととても広い部屋となっており、観客席のようなものもあり。松明が置かれていた。
まるで闘技場のような部屋である。
「勇者よお前は遅すぎた。」
じじぃが振り返らずに言ってきた。
「コペはどこに行った?」
聞いてもかえってこない。
「ひょ、ひょ、ひょ、小僧よ、大人の世界ではな自分の意見だけを聞いて貰える訳では無いのじゃよ、立場を考えてみなさい。まぁそんなことはどうでもいい。わしは魔王20幹部のNo.20
ハゲーターだ!」
「コペに会いたいならわたしに勝つんだな」
くしゃっとしたじじぃの顔からいままで感じたことの無いような殺意を感じた。
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