日記 名前・◯□蒼(名字が鉛筆で消されている)

 おじいちゃんとおばあちゃんの家から連れ出されて知らない村で住めと言われました。嬉しかったです。おじいちゃんもおばあちゃんも私があまり好きじゃないみたいなので次の場所ではうまく好かれるようがんばります。


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 三郎という名前の子とお友達になりました。同じ年だったので嬉しかったです。村にはなにもありません。でもなんか楽しいです。村の人も最初は遠目で見てたけだったけど少しずつ仲良くなれてます。私の話をちゃんと聞いてくれます。なんだか生まれて始めて生きてて良かったと思えてます。


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 うぶなさまと沢山話しました。おきれいな人で私に綺麗な洋服をくれました。その後、色々お話したら一緒に泣いてくれました。うれしかったです。うぶなさまもお外からこの村に引っ越してきたらしいので私と同じでした。元の居場所はもうないと言ってました。私も同じようなもんです。うぶなさまはあんたの心はまだ嘘ついとる。でもゆっくりほぐしたらええと言ってくれました。生まれて初めて恥ずかしい気持ちになりました。


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 さっちゃんという呼ぶのが自然になってきました。お母さんに言われて仲良くしなさいと言われたけどさっちゃんとそんな理由なくても仲良く出来ると思います。というよりそんな理由がない方がもっと自然に仲良く慣れたと思います。なんだか後ろめたくて苦しいです。


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 さっちゃんにお母さんの話をしました。俺は馬鹿やけんよう分からんがそれでも仲良くしてくれた事が嬉しかった。もしよければ今からでもちゃんと友だちになろって言ってくれました。うれしかったです、本当に嬉しかったです。生まれて初めてこんな嬉しかったです。


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 うぶなさまとさっちゃんと私で川遊びしました。二人共、凄く足が早くてびっくりしました。魚も沢山釣ってそれをむしゃむしゃ食べてました。私が母から貰った色んな味がついた塩を掛けているのをさっちゃんに見られちゃいました。魚に掛けてあげるとこんなの初めてだと驚いてました。さっちゃんにズルいと文句言われたのでずるくないと言いました。うぶなさまがこれと同じ物を作ってくれました。すぐ仲直りしました。さっちゃんと初めて喧嘩しました。凄く嬉しかったです。


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 さっちゃんのためなら何でもすると決めました、母は死にました


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 さっちゃんのお父さんが変な計画をしてるのを知りました。さっちゃんに言えばきっと自分の手で解決しようとします。私がどうにか手を回してさっちゃんの手を汚させずにすませたいです。うぶなさまへの密告をそれとなくうながしました。うぶなさまはお話を聞いて大層怒ってました。さっちゃんも同じぐらい怒ってました。もう止めれないので覚悟を決めました。本当は苦しいはずなのにようやくこの村の仲間になれた感じがしました。嬉しかったです。


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 村が荒れてます。ですがこれでいいと思います。村離れにいた人達は隠れて土地神を祀ってました。何処かで処分しないといけなかったのでこれで正解です。遊部村の人達も私が話した内容を信じて遊部の神を送ってくれました。ありがたいです。後は疎林、妻夫木、後灘、順々に処理します。

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