第12話 魔弾

「まさか数十分走るだけで、スキル【疾走】が

手に入るとはな」


俺は初っ端からかなり有用なスキルを手に入れ

られてホクホク顔だ。


使った後、魔力を消費し続けるが物凄い速度で

移動出来る。


「一先ず隠れながら魔眼で魔物を探すか」


俺はなるべく音を立てない様にしながら、

魔眼で感知した魔物の所へ向かった。


《スキル 隠密を獲得しました 》


(隠密...中々良いスキルだが、もう手遅れだな)


俺は後ろから付けてくる気配を探りながら、

20m程先に居る敵の元へ進んでいく。


「っ!」


後ろの気配が強くなり、一気に近づいてきた。


俺は咄嗟に後ろに剣を振る。

まさか反撃されるとは思わなかったのだろう。

後ろから来る襲撃者は防御も回避も叶わず、小さな

悲鳴を上げる。


《スキル 気配察知を獲得しました》


「これは...コボルトか?」


俺は既に事切れた襲撃者を見ながら呟く。


身長は1m程、二足歩行で兎のような耳と

犬のような尻尾があり、全身が黒っぽい

体毛で覆われていた。


『鑑定』


◇◇◇◇◇◇

コボルト F


状態 死体


戦闘能力はゴブリン(Gランク)と殆ど

変わらないが、ゴブリンと違い、知能がある為

1つ上のランクとなっている。

◇◇◇◇◇◇


「おっと....」


どうやら、先程の戦闘で近くの魔物に

バレてしまったらしい。


「ゴブリンが6体か」


茂みの向こうにいるゴブリンの数を把握する。


俺は右手に魔力を込めて、掌を前に突き出す。


ラッカスから聞いたが、この世界の魔法は体の中に

ある魔力を集めて放つらしい。


俺が使ってきた強化魔法や付与魔法は魔力を

纏わせているだけだそうだ。


魔力は使う人や魔法によって集め方や放ち方

が違うらしい。


俺が1番上手くいったのは...


(魔眼で魔力が見え、緻密な操作が

出来るからこそのやり方)


「回して練り上げ、」


体の中で、細い何十、何百本もの魔力の線が

回転し、

1つの小さな弾が練り上がって行く。


俺の右手を中心に、青い閃光がほとばしる。


「撃つッ!!!」


掌の先が青く輝く。


茂みから飛び出して来たゴブリンの頭が弾け飛ぶ。


その後ろにいたゴブリンも2体、腹と頭の右上が

弾け飛ぶ。


「...っまじか...」


俺はあまりの威力に言葉を失う。


それはゴブリンたちも同じだったようで、

変わり果てた仲間の姿を見て固まっている。


ゴブリン達の思考が俺に向くより先に、

掌を向ける


今度は3つ、先程よりも弱い光が弾ける。


瞬間、ゴブリン達の頭が潰れる。


「マジで使えるな、この魔法」


ただ、ラッカスから教えて貰った魔法...

】とは特徴がかなり違うな。


《スキル 狙撃を獲得しました》


「【狙撃】....【投擲】の補正は入らないのか」


俺は【狙撃】というスキル名と、地球で好きだった

ゲームの魔法名を借りる事にした。









「【】....それがこの魔法の名前だ!」











◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

数ある作品の中から、この小説を読んで頂き、ありがとうございます!

もし、面白いと感じて頂けたら、

ブックマークや、星、感想等して

頂けると、凄く励みになります!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る