第11話 試験に向けて
俺は窓から差し込む光で目が覚めた。
「...夢じゃ....無かった....」
少しだけ、昨日の事が夢では無いかと思っていた
俺は、安堵感に包まれながら立ち上がった。
昨日は、部屋に入ってそのままベットに
倒れ込む様に寝てしまっていたな。
時計を見ると、針は8:50を示していた。
「やべっ!」
俺は急いで食堂に駆け込む。
「まだ食べれるか?」
極力落ち着いた声でおばさんに聞くと
「えぇ、まだ平気よ。好きな席に座って」
おばさんは笑いながらそう返してくれた。
俺は昨日と同じ席に座り、飯を待つ。
今日のメニューはオムライスだった。
こちらも日本で食べた物よりも美味しかった。
取り敢えずギルドへ向かう事に決めた俺は、
昨日通った道を思い出しながらギルドへ向かう。
道中、滅茶苦茶気になる物が幾つもあったが、
今寄り道したら迷子になる気がして、鋼の心で
直進した。
俺はギルドに入り、サリナさんに話しかける。
「すまない、昨日来た者だが、特待試験は
受けられるだろうか?」
「碧さんですね!...すみません、今日は受けられません」
「そうか....」
「ですが、明日受けれる事になりました!」
「っ!本当か?」
「はい!明日の14時位にまたギルドへ来て下さい」
「あぁ、了解した」
俺は軽く頭を下げてギルドを後にした。
そういえば、特待試験って何をするんだろうか?
準備に時間が掛かるのもの....分からんな
まぁ、何はともかく難しいらしいから特訓するに
越したことはないだろう。
俺は昼食を買い、森で少し修行する事にした。
「あっ、待て」
俺が門を出ようとすると、昨日の門番に
呼び止められる。
「何だ?」
「冒険者にはなれたか?」
「いや、明日登録する」
「仮身分証は持ってるか?」
俺は頭にハテナを浮かべた。
「仮身分証?」
「何だ、旅人なのに知らないのか?」
「あまり街に入った事が無いんだ」
「あぁ、そうなのか。仮身分証っつーのはな、
街に入れた奴の身分を、少しの間だけその街
限定で保証してくれる物だ」
「そんな物があるのか」
「あぁ、3日で銀貨1枚だ。あぁ、金は仮身分証を
返却した時に帰ってくる」
「ここで借りれるか?」
「あぁ、少し待ってな」
門番は前とは違う扉の中に入っていった。
俺は銀貨1枚を用意して待つ事にした。
門番は20秒程で戻ってきた。
「ほらよ」
仮身分証は硬さも大きさも、交通系ICカードと
同じ位だった。
俺はそれを皮袋に入れて森の方へと走っていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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