変化

 真由は、和也の普段とは違う様子にすぐに気づいた。彼の目の奥に宿る悲しみ、普段の彼にはない静けさ。彼女は彼に近づき、声をかける。和也が里美とのことを打ち明けると、真由はただ静かに聞いていた。彼がどれほど里美を想っていたか、その情熱が彼をどれほど苦しめているかが、和也の言葉から伝わってきた。

 真由の心は、和也の一生懸命さに深く打たれた。彼女自身も以前、似たような思いをしたことがあるからこそ、和也の感情が痛いほど理解できた。彼の純粋で、時に狂おしいほどの愛情に、真由は新たな感情を感じ始める。彼が自分の感情をここまで素直に表現できること、それに対する彼の真摯な態度に、彼女は惹かれていった。

 和也のありのままの感情を受け止める中で、真由は彼に対して新たな愛情を感じ始める。和也のように強く、しかし繊細で、誰かを思いやることができる人に、彼女は心から魅力を感じた。彼女は彼が抱える痛みを和らげたいと強く願い、彼の悲しみを少しでも軽くするために、自然と彼に寄り添うようになった。それは、彼女自身が感じる深い共感と、彼に対する新たな愛情の表れだった。

 真由は和也に近づきたいという気持ちが日々強くなっていた。和也が最近沈んでいるのを見て、彼が何かを必要としているのは明らかだった。彼女は、和也がライブや絶叫マシーンが好きだという話を新入生歓迎パーティで聞いていたのを思い出し、それが接点になるかもしれないと考えた。もし彼がまたライブに行く計画をしているなら、それに便乗して自然に彼との時間を持つことができる。同期たちと一緒にいれば、和也も警戒せず、自分に心を開いてくれるかもしれないと期待していた。

 彼女は和也の沈んだ様子に心を痛めつつも、彼ともっと時間を共有するチャンスをうかがっていた。彼が元気を取り戻す手助けができればと思い、次に彼がライブに行く時には誘ってほしいと切り出した。真由にとって、和也との時間はただの友達としての交流以上の意味を持ち始めていた。彼女は和也の近くにいることで、彼の悲しみを和らげ、同時に自分の感情に正直になる機会を見つけようとしていた。

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