EPISODEⅩⅣ δ星Wasat.
6人のデュナミスとなった彼らは現世に還る。
無差別に無慈悲に人間を喰らい続けるアイツを倒すために。
『Θέλω περισσότερο αίμα.』
奇妙な言語で呻く奴を見て、
【δ星 Wasat】
人間の脳を好んで喰らうテラス。
ディオスクロイが差し向けたジェミニのひとつ。
脳を喰らった人間の見た目に擬態できる。
「
「それ以外に生き残る術がないんだ。」
「そ、そんな…俺心の準備も何も…!!」
「いや、私は戦う…!これ以上、殺させないんだから…!!」
戸惑う
「…δ星、ワサト!オレと戦え!!」
大きく叫んだ声に反応して、ワサトは振り向く。
そして少しの沈黙の後、大きな呻き声をあげて身体を縮小させた。
『…やめて、殺さない…で…?』
ワサトは小さな少年の姿に変わり、命乞いを始めた。
「…擬態か、小癪な真似をするんだな。」
「…っ!!」
少年の口についた血の跡、身体にこびり付いた肉片が先程の怪物と同じだと物語る。
それでも人間の容をしたものを殺す事に体が勝手に拒否反応を示す。
「…こ、こんな…の…!!」
「…やるしかねぇよ、
「
「こんなの…、ずるい…っ。」
「なにしてんだ!
「
「は、
困惑する人間たち、
「や、やめて…っ!」
桜の花弁が
『あはっ、おねぇちゃんのばぁか。』
ずぷんっ
聞いたことのない嫌な音。
ワサトの腕が、
「きゃぁぁあ!?
「…はぁ、
割れた右手の先、露わになったのは綺麗な青色をした石の断面。
その鋭い右手で、ワサトの腕を切り落とした。
解放された
「
「う、うん、ありがと。
ぽわっと、優しい光が
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