EPISODEⅥ デュナミスの創始
夜が明け、朝になる。
時刻は人間界で午前5時。
「みー、また夜になったら来るねー!」
「さて、どうやって人間と会おうか。」
「また会う約束でもしとけばよかったね。」
少しの間、熟考する。
途方に暮れるという方が合っているかもしれない。
そんな最中、
「あ。そういえばさ、クェイサーってボクにも分けられないの?」
「………確かに、いけるかもな。」
でもデュナミスがいないと、この世界は前に進めないから。
天狼星の管理者である2人は決断した。
「デュナミスを…、
「
輪廻を唱えると、
「…これ、何ができるようになったんだろう?」
「言うと思った。」
人間界で使用されているスマートフォン端末を模したものに、
端末を起動すると『
「それ、開いてみ?」
赤い銀河が自転するロード画面。
生体認証システムが起動して瞳の虹彩の読み取りを開始する。
【Καλωσήρθατε στον-η-ο Αρουνα.】
§傷病転移〖ビオス・ユンクティオ〗
傷や病を癒して、それを他人に移すことができる
§幻覚灯影〖プセヴデスシシス〗
幻を見せて、敵を翻弄させる
§瞬間移動〖パラノイア・モンド〗
別世界に他人引きずり込む事ができる。
§・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これが、使えるってこと?」
「そういうこと。パラノイア・モンドで
まだ制御できるかも分からない、この異能力を試してみたいとの提案で、
1人ずつ喚ぶことにした。
「パラノイア・モンド!」
詠唱に依って
そして、2人の意識は別世界アストラルに引き摺り込まれていった。
=アストラル=
ここは
「暗いね…、少し月明りを。」
そう呟くだけで、アストラルは主に順応して変容する。
月明りがアストラルを照らし、無色の床に反射した。
「綺麗な世界だな…。」
「ふふ、そうでしょ!」
早速、
「は…?え、ここどこだよ…?!」
「
一言、話しかけると同時にデュナミスの儀を始める。
「デュナミスを…、
「
輪廻を唱えると、
桜が、風が、吹き荒れる。
「…なんだこれっ?!俺の身体から桜が舞ってる?!」
暴走した【死垂れ桜】がアストラルに荒々しく舞い散った。
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