第13話 死亡率・・・初のパターンだな
「これは絶対に二人だけの秘密な?」
「うん」
俺と運河は二人だけの秘密を作った。
為念、その内容を確認しておく。
「秘密にする内容だけど、一つ目はブルースライムまたはスライムに対して石鹸水や石灰水などのアルカリ性水溶液が特効な事ね」
他のスライムも同じなのかは検証が必要だけどな。
「うん」
「二つ目はフロアボスを倒したら宝箱が出た事」
出た事も、何のポーションなのかも、宝箱が消えた理由の何もかもが不明だ。
それら全部ひっくるめて秘密にしておきたい。
「うん」
「三つ目はブルーミディアムスライムにブルースライムの魔石を与えると、経験値が増加する事」
これは特に秘匿したい、お宝情報だ。
「うん」
「ちなみにだけど、運河さんが得た経験値は三十であってる?」
「うん」
「もしかして、レベル五になった?」
「うん」
「ステータス、見して貰っても?」
「うん」
氏 名:
種 族:人族
レベル:5
職 業:ノービス1
体 力: 75/ 75
魔 力: 75/ 75
強靭性: 15
耐久性: 15
敏捷性: 15
巧緻性: 15
知 性: 15
精神性: 20
経験値: 40
討伐数: 11
称 号: -
DDR: F
スキル:幸運
スキル<幸運>か。
全キャラの中で一番運が良い設定上、取って付けたようなスキルだな。
まぁ、その幸運力で無双する物語もあるし、これはこれで良いんじゃないでしょうか。
しかし、分かってはいたけど俺の同レベル時よりステータス値が良い。
羨ましい限りです、ハイ。
「ありがとう。ここまでステータスが上がったなら、今日は十分かな?」
「うん」
さっきから「うん」しか返事してない。
ちょっと最後がアレ過ぎた所為かな。
少しでも早くダンジョンを出て心を落ち着かせた方がよさそうだ。
「じゃ、今日はあがろっか?」
「うん」
俺達はそれぞれアプリの脱出ボタンを押して、ダンジョンを脱出。
地上に出た後分かれ、俺は真っ直ぐ寮に帰った。
あ、魔石の換金忘れた。
これから換金しても大した手間じゃないが、出来れば運河が見ている方が好ましい。
誤魔化していると思われたくないし。
明日、運河の調子が良さげなら一緒に換金行くか聞いてみるか。
寮に戻ると、生徒は誰も居なかった。
まだ放課後の自主練に勤しんでいるのだろう。
俺は折角だからと誰一人生徒の居ない食堂へ行き、早めの夕食を摂ることにした。
「お、今日はトンカツか。やったね!」
昔から何故か夕食がトンカツだと得した気分になるんだよなぁ。
玉ねぎの味噌汁を一口、その後トンカツを左端から頂く。
サクッとした歯ごたえと共に、肉と脂、そしてとんかつソースの旨味が溢れんばかりに口中に広がった。
「うまっ」
余りの美味しさに俺は十分と掛からず平らげてしまった。
その後はくちくなった腹を抱えて自室に移動。
机の椅子に腰かけスキル<攻略データベース>を起動した。
状況が変わった事によって得られる新たな攻略情報を欲して。
まずは・・・
「レベル六に上がった今、生存の可能性はどれだけ上がったのかな?」
--------------------
現在の一番一が新入生合同合宿で生き残る可能性
五パーセント
--------------------
低っ!
まだまだ低い。
ただ、レベル五で一パーセントだったのが六で五パーセントにまで上がった。
八ぐらいにまで上げられたら、もしかしたらもしかするかもだな。
単純な比例式で考えてみる。
Y = 4X-19
なら成り立つな。
Yが可能性でXがレベルだ。
この式だとレベル七で九パーセント、レベル八で十三パーセントかぁ。
思った程可能性は上がらなかった。
まぁ、分かってる範囲で強引に求めた式だし。
夜活の後にでも装備やジョブチェンジ後のジョブやジョブスキルを加味した条件でデータベースに対して検索してみるか。
「次、ブルーミディアムスライムから三十もの経験値を得られた原因は何だ?」
--------------------
ブルースライムの魔石を複数個与えられたブルーミディアムスライムを倒したら経験値が三十入ったのは何で?
同種スライムの魔石を与えらえたスライムはレベルアップする為。
経験値が三十入ったと言う事はブルーミディアムスライムのレベルは十となる。
なお、ブルーミディアムスライムの上限レベルは十。
--------------------
何だよそれ。
そんな裏技あったなら、先に教えろよ。
--------------------
どうして教えなかった?
レベル五の一番一がレベル八以上のブルーミディアムスライムを倒せる可能性が無かった為。
--------------------
そう言われたら仕方がない。
でもな、これだけは聞いておくぞ。
--------------------
他にも同種の魔石を与えたらレベルアップする魔物はいるのか?
存在する。
--------------------
居るなら教えて。
--------------------
他にも同種の魔石を与えたらレベルアップする魔物を教えて。
・・・・・・レベルが足りてません。
--------------------
急に回答遅っ!
あと、結局ゼロ回答とか酷っ!
しかも、レベルが足りてないって何のレベルだよ!
前から思ってたけど肝心な時に何て使えない攻略データベースだこと!
・・・もういいや、次で最後の質問にするか。
--------------------
スライムのレベルアップ法および毎朝のアイテム回収などなどを前提として、一番一が新入生合同合宿を生き残れる可能性が最も高くなる攻略ルートを教えて。
・・・・・・条件が複雑な為、答えられません。
--------------------
今度は条件が複雑で駄目なのかよ。
どうも消化不良だな。
やっぱりもう幾つか検索しておこう。
次はコレだ。
--------------------
新入生合同合宿までにステータス値を恒常的に上げられる、またはスキルを得られるアイテムが存在し、現在の俺のレベルでも得られる物があるなら教えて。
・・・・・・幾つかが条件に合致しました。
以下に危険度が低い順で列挙致します。
・スピードアップドーピング(+1):危険度小(死亡率〇パーセント)
・デックスアップドーピング(+2):危険度中(死亡率五パーセント)
・スキルオーブ<ハイヒール>:危険度大(死亡率五十パーセント)
--------------------
なんだ有るのかよ! 有るなら先に言ってよ! と言いたいところだが気になる表示がある。
「死亡率・・・初のパターンだな」
特に死亡率五〇パーセントが怖すぎる。
<ハイヒール>、良くある物語の設定では欠損すら治す回復魔法だ。
欲しい、超欲しい。
が死にたくはない。
今回は見送りかな。
ステータスアップ系に関しては危険度小のスピードアップドーピングを先ずは取ってからだ。
ただ、僅かとは言え死ぬ確立が有る以上、見送った方が無難だと思う。
で、スピードアップドーピング(+1)はどうやったら得られるの?
--------------------
スピードアップドーピング(+1)を得る方法を教えて。
明日の朝四時半にダンジョン学園の正門を潜り道沿いを直進。
最初の信号機のある交差点から次の信号機のある交差点まで走り込みを行うと得られる。
--------------------
あれ? 意外と簡単。
転生後初めて学園外に出る点が気掛かりと言えば気掛かりだが・・・
朝四時半に御貴族様が出歩いてるとも思えないしな。
よし、行ってみよう。
そうと決まれば、そろそろ夜活に行くとしますか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます