第9話 大手通販サイト 密林

……気がつけばいつものようにベッドで眠っていた。




 体格差の関係で相変わらず、オレが人間を包み込むように抱きしめる形で




 ふと、求めるように甘い声で鳴いてしまったことを思い出し、顔が真っ赤になる。




「……ぅぅ……オレなにやってんだろう……」




 ついつい、両手で顔を覆ってしまう。




 その反動で人間がもぞもぞと動く。




 起こしてしまったようだ。




 手の隙間から人間と目が合う。




『おはよう……』




 まだ眠そうに見える声のトーンだった。




 オレは平然を装うべく、手をそっと戻し、コクリと挨拶をした。




 でも目を合わせることはできなかった。




 人間はオレの胸に数秒間頬を押さえつけた。




 心音でも聞いているのだろうか?




 人間は、そっとオレを片腕で抱きしめてきたので、オレもそれに答えるべく片腕で抱きしめ返した。




 …… 凄くドキドキする。ついでにあっちがウズウズする。




 オレは人間の背中を見る。けして肉付きが良い訳ではない、やや貧相な身体




 それでも人間は強く生きようとしていて、その姿に好意を抱いてしまった。




 人間はふさっとしてない代わりに少し柔らかく、そして、じんわり体温を感じることができる。




 人間は犬より何倍も賢いからか、小さいころ飼ったペットよりも何倍も早く愛着がわき、




 たった1日ちょっとしかまだ時間を共にしていないのにほんの少しだけ信頼を感じる。




 少なくともオレが守らないとこいつはこの世界では生きていけない。




 




……




 暫くすると人間の腹の虫が鳴った。




 時間が気になり部屋の掛時計を見ると7時30分を指そうとしていた。




 昨日が土曜日で、今日が日曜日、そして、明日からまた5連勤務。 こいつはちゃんとお留守番できるかな?




「ふわぁ……飯作るかぁー」




『……んっ……』




 人間は少し眠そうな吐息を漏らした。




 オレは起き上がってから、人間の背中を2回撫で、台所へ向かった。




 数秒経たないうちに人間は起きた。




 オレの近くに立ちペコリと挨拶するとお風呂場へと行った。




 朝飯は何がいいだろうか?




 今からご飯炊いても時間がかかる、昨晩多めに炊いとけばよかった。




 戸棚を開けるとインスタント味噌汁があり、その隣にレトルトのご飯があったのでそれを食べることにしよう。




 冷蔵庫から生卵を3つ取り出し、ベーコンとレタスをとり、




 生卵は、おわんに入れて砂糖を少量いれてかき混ぜる。




 やかんでお湯を沸かしつつ、レタスを洗い……。




 そうこうしていると、人間はお風呂場から出てきた。手には自分のタオルを持っていて、どうやら顔を洗っていたようだ。




 調理しているオレを見て人間はお辞儀をした。




 そして、食器の準備を手際よくしてくれた。




 誰かと暮らすというのはやっぱり楽しいものだ。 連携が出来るってだけで自炊が少し楽に感じる。




 そんなこんなで玉子焼き(卵1,5個分)とベーコンと洗ってちぎったレタスと味噌汁が今日の朝食だ。




 向かい合うようにミニちゃぶ台に座り、人間が座ったのを確認してから手を合わせる。




「いただきます」




『いただきます』




 人間はマナーがなっていた。あれこれ教えなくて良い分、気が楽だ。






 そういえば、人間が来てからテレビを一切見てなかった。




 ニュースを仕入れとかないと職場で話題に困る。




 オレは立ち上がり、テレビの電源を押してから、テレビの近くにあったリモコンをとり、再び自分の食べている場所へ戻った。




 5局程あるチャンネルを適当に回していると、朝適当に見ているテレビ番組が映るが、半裸の人間が出てきたのでオレは慌




ててチャンネルを変えた。




 教育ちゃんねるなら、家畜身分の人間が出ることはないだろう。




 人間はテレビに釘付けだった。




 世界を知ることは恐怖を少しでも拭い去ることになるかもしれない。




 ただ、情報によっては恐怖を与えることにもなるだろう。




 あ……あれ買っとこうかな、人間が人間のために書いた本。この世界の心構えや決まりが書いてある本。




 一部獣人向けに解説はしてあるが、半分以上の内容の信ぴょう性は薄い。




 しかし、著者(人間)と共同著者(飼い主)は、深い信頼関係があるとか




 人間は正直いってランク付けされているといっても過言ではない。




 それは、品質とかではなく、家畜や人材として、ペットとして、そしてパートナーとしてだ。




 例えば、家畜として飼っている人間に傷害を与えた場合、それなりの罰金であるが




 ペットやパートナーとしての人間に傷害を与えた場合は、その数倍の罰金になる。




 逆に人間が獣人を傷つけることがあればそれも人間の所有者に対する罰金になる。




 度合いによっては罰金や殺処分もありえるのだ。




 人間は他の動物とは違う、オレらと同じ理性を持っているからだ、だからこそ、獣人に危害を加える人間も少なくない。




 せっかくペットやパートナーとして飼われていたのに危害を加えたばかりに殺処分や家畜行きになった人間も多いのだ。




 そんな人間の処遇、昔は当たり前だと思っていたが、今は心苦しく感じる。




 実は人間の肉は、嫌いではない、でもこいつを飼ってる限り食べることはないだろう。






 それから、ご飯を食べ終わり、行動は急げということで、Webで人間向けの本を探す。




 パートナー向けの人間に読ませるべき本 ベスト3




 ペット向けの人間に読ませるべき本 ベスト3


 


 なんてのがあり、違いはどうなんだろう?と思うが




 ペット向けの方は、人間から見たら少し厳しいことが描かれているらしく、パートナー向けの方は、もう少しやんわりした




内容らしい。




 ペット向けの本には、パートナー向けの本には表面上しか描かれていない、獣人に危害を加えたらが詳しく乗っているらしい。




 つまり………どういうことだ?




 なんとなく分かっているようで分かってない気がする、ただ買うべき本はパートナー向けの本だというのはなんとなく分かる。




 するとある一文が目に止まった。




『結局どう違うの? って思う方にわかりやすく。




 パートナー向け  問題となる行動に対する注意 脅し要素殆どなし




 ペット向け  問題となる行動に対する注意、容赦なく脅しあり(脅し要素が薄い本もある)』




 なるほど……。




 じゃぁ、この2位のパートナー用の人間向け本 『優しく教わるこの世界の決まりと歩き方』




 が良さそうだ。




 早速、インターネット通販サイト密林で注文しよう。




 コピペしていた本のタイトル『優しく教わるこの世界の決まりと歩き方』を密林のサイトの検索バーに入れる。




 無事先ほどのサイトで見た本と一致するサムネイルが検索結果に表示された。




---------------※




※PC画面描写へ 或いはPC画面描写終了の文字列




【人間向け本】 優しく教わるこの世界の決まりと歩き方 (著)國原 悠二




単行本 (ソフトカバー)


¥1,980円 ✓ムライプ




¥1,230円より35中古品の出品




※ ✓ムライプは、少し早い配達が可能な商品 (要有料会員)




商品説明:パートナーとして飼った人間に優しく自分の立場を教える本、人間は、前世で私達と同じように暮らしていました。


急な生活の変化に戸惑うことでしょう、本書は、あのベスト愛玩人間家が著者です。




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 専門書だから少し高いようだ。 


中古品の相場も少し高い、中古品の場合、300円の送料が加算される。


実際の価格は、1,230円+300円の1,530円というところだろうか


また自分が読むのではなく人間に読ませるのだからずっと本棚に置いておかないといけない本であろう。




 この商品を実際に使った感想はどうなんだろう?




 密林の嬉しい機能、それがレビューというモノだ。




 商品ごとにレビュー欄があり星1~5で評価し、その理由を明記するところがある。




 このレビューを見て買うか買わざるべきか判断材料にできるのだ。






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 多分一番おすすめできる本!         ★★★★★  黒くない狼




 人間飼育歴3年です。 最近噂になっている人間のための教育本


 パートナーとして人間を飼ってる方は是非買うべきでしょう。


 これを読ませることにより少しお利口になったと思います。


 なんというか、飼い主に対して見違えるほど感謝するようになったと思います。


 それと同時に、甘え上手にもなってきて、所詮人間、浮気にならない浮気対象という気持ちで


 都合のいい恋人として飼ってましたが、なんか本当そういう扱いしている自分が嫌になるぐらい良い子になり


 恋人はいませんがリア充してまーす。オレこのまま結婚しないかも!






 なんて書いてあるんだろう……?       ★★★★☆  哲っちん




 凄くいい本ではあるみたいです、本当自分の子もいい子になりました。


 飼い主向けに書かれた、前説で本書の簡単な内容は書いてありますが


 結構なページ数、写真もそこそこあるけど、写真が少ない章もあってそこはなんて書いてあるのか凄く気になります!


 その点があり★-1ですが、本当、お手伝いを率先してくれたり、気遣いが出来る子になりました。


 




 10人中10人に効果があるわけではない   ★★★☆☆  赤狗




 お金がなかったのもあり、少しランクの低い人間を飼ってます。


 (容姿B 性格C 体質B)


 結構わがままでひねくれていますが、最低限愛想はくれるような子でした。


 ただ、この本を読ませてから、少しだけ良い子になりました。


 でも、脅しが足りないのかな? ペット向けで脅し要素(中)の本買おうかなと思います。






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 なるほど! 結構凄い本のようだ、うちの子これ以上おりこうになったらどうなるんだろう?




 そんな気持ちにニヤニヤしつつ、パソコンの画面に視線を戻し、画面を下にスクロールする。






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 この商品を買った人は、この商品も買っています。






【人間のための本】ペット向け人間に読ませる本ハード




【人間用】媚薬、錠剤&ローション(人間との初夜向けセット)(使いすぎ注意!!)




観察輪、おしゃれにカスタマイズセット




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(……初夜かぁ……)




そうかかれると少し想像してしまう。




 文字通り人間と初めて行為をする夜のことだが、想像するとちょっとドキドキする、でもやっぱりまだそれは早いだろう。




 普通の恋人みたいに、媚薬を使わず性行為をする事例も少なくはないらしい。




 とりあえず……っと






 オレは、一番上にスクロールして、右側にある1クリックで今すぐ買うを押す。




「あっ……」




 中古が良かっただろうか?でもまだなれないプレゼントだからきれいな方がきっと喜ぶだろう。




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 ご注文有り難うございます、 以下の住所に 数日以内にお届けいたします。




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 そして、その文字列の下には、




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 この商品を買った人は、この商品も買っています。






【人間用】媚薬、錠剤&ローション(人間との初夜向けセット)(使いすぎ注意!!)








【人間のための本】ペット向け人間に読ませる本ハード






 人間の気持ちが10倍分かる本






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 再び表示されるオススメ商品、最後の本に目を惹かれた。




「おっ……なんか良さそうじゃん」




(そうだよな、人間も勉強するならオレも勉強しないと……)




 そんな独り言を漏らすと、後ろに気配を感じた。




「んっ? どうした?」




 振り向くと、人間は、見慣れないノートを持っていて、そこには、落書きだがしっかりと分かる。




 お風呂に浸かっている絵が描いてあった。




「ん? おぉー、すごい…… いいよいいよ、入っておいで」




 オレは返事しつつ、タオルとバスタオルを渡すと、人間はにっこりと笑っていた。




 人間は持っていたノートとシャーペンをミニちゃぶ台に置き、ノートを閉じ嬉しそうにお風呂へいった。




 人間の落書きは結構上手だった。 それからパソコンに目を戻すと、誤クリックしたのか






【人間のための本】ペット向け人間に読ませる本ハードのページが開いていた。




……ングッ……。




 そこには触れてはいけない世界があるような気がした。




 引き返せと同時に、恐らくさっきのレビュワーの赤狗さんのレビューがあるんじゃないかと思った。




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【人間のための本】ペット向け人間に読ませる本ハード 榊原 正広(著)




単行本 (ソフトカバー)


¥1,280円 ✓ムライプ




¥780円より18中古品の出品








商品説明 本書は躾に困った人間にはこの本一冊で解決します!


(スパルタ)より優しい内容ですが、人間に恐怖心と忠誠心を植え付けること間違いなし!!




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…… 




 オレ読んじゃうの?読んじゃっていいの? でもどんな本だか、どんな結果だか知りたいし




 所詮、数行の説明なのだから、それを読む読まないで俺の人生が変わるわけがない。




……ングッ……。




 オレは二度目の生唾を飲み、恐る恐るレビューを見た。




-------------




 十数ページ読んだら突然泣きだした。   ★★★★☆   茶狐






えー……前説には、やや厳しく忠誠心と恐怖心を植え付けると書いてあり少しは覚悟したのですが……




想像以上でした。




人間のスペックの方は、けして悪いランクではなく性格も良さげな子だったのですがだからこそなのか、泣きはじめ、心配した私が歩み寄ると、今まで以上に甘えてきて、愛くるしいと同時に少しやり過ぎたかなと思ってしまいました。


それから数日その本を読もうとしなかったので、私がその本を差し出すと、人間は、覚悟を決めたように本を受け取り、


家事をしようかなとその場を離れようとしたのですが、人間に手を引かれ、結局隣に付き添ってあげました。


やや怯えながらも懸命に理解しようとしている姿は健気で、頭を撫でるとやっぱり泣きだし、すがるような目つきで私を見たので、つい吸い込まれるように口づけをする私がいて……(この後は皆様のご想像にお任せします)




とまぁそんな感じなのですが、私にとってペットだった人間は、少しだけパートナーとしても受け入れていいかなみたいに思




い、懸命に色々やってくれようとするようになった人間を私は少し好きになりました。


ハードと書いてあったけども私の覚悟不足でしたが、あの子の最初の涙を思い出すとちょっと悪い事したかなと思い


★-1です。 少しの恐怖心と忠誠心を植え付けることは成功し、以前よりもあの子を愛してます。




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……




 なんという内容だ。 やはり酷なことが書いてあるのだろうか?




 少しうちの子に置き換えて想像する……。




 ドキッとするものがあるが……。




「駄目駄目ダメダメダメダメ……駄目、あいつを苦しめるのはダメだ!」




 誰に言うでもなく、何度も首を左右にフリ、オレは雑念を払った。




(もう1件だけレビュー見ようかな?)




 可愛そうだけど良い展開になっている茶狐さんのレビュー




 他にはどんなパターンがあるのだろうと少し好奇心がくすぶった。










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買ってよかった           ★★★★★  赤狗






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……




……




(読む前から)ちょっと嫌な予感がする。


とは言え、赤狗さんが飼った性格が生意気な人間がどうなったか というのは少し気になる。








……ングッ……。




 オレは3度めの生唾を飲み、恐る恐るレビュー本文に目を通した。








---------------




買ってよかった           ★★★★★  赤狗






この本を買う前に、★3でレビューした『パートナー人間向け本 優しく教わるこの世界の決まりと歩き方』


それでちょっとはいい子になったんだけど、もともと性格が生意気で まだお灸を据えたほうがいいかなと思い


この本も読ませた。 


十数ページ読んでから、落ち着きがなくなり、オレの足元にすがってきた。


見ていて滑稽こっけいで「んっ、んっ」と顎で指すと、服従する犬のポーズをした。


その状態の人間の腹にオレは、足を軽く乗せると、とうとう泣きだした。


……


勿論すぐすぐ効果があったわけではないが、オレが素っ気ない行動をする度にじわりじわり、いい子になっていった感じかな?


人間サイコー!! ペットとしては最高に可愛がってやってます!




因みに、このページです。




添付写真 (人間の言葉で書かれていてオレには読めない、とあるページの右側1ページ丸々撮られていた)






『前置きが長くなったが、要するに今の貴方は主人に少し疎まれているかもしれない。


 受け入れたくない現実かもしれないが、家畜となる人間の末路は恐ろしいものだ。


 全部が全部ではないが前世界(地球)で言う養鶏所の鶏の様な地獄に君は入りたいのか?


 鶏には理性や抗う力は殆ど無い、その代わり苦痛も恐らく少ないだろう、だがそうなったらどうだ?


 まず第一に今の貴方が不幸中の幸いだということに気づいて欲しい。


 愛玩動物身分として生きる価値はあるのだ、飼い主様は、お金を出して君を飼った。


 君は、犬なんだ、ただ、理性がある分多少の住み心地を貴方は要求したいだろう。


 要求に答えてもらうにはまず、貴方が忠誠心というものを差し出さなければならない。


 著者である私は、今は幸せだ。こうして獣世界に訪れた私を全面的に信頼してくれる飼い主様に会えている。


 大事なのは諦めだ。 人間が数十人来ようが誰も助けてくれない。


 そもそも、前の世界(地球)とこの世界は残念ながら 地球→この世界 と一方通行で


 地球←この世界 ということにはなっていない。


 もう一度言おう、貴方が今こうして本を読めてるのは不幸中の幸いなのだ。


 少し酷だが後戻りできないのでそれなりの生活をしたければ忠誠を誓うのだ。


 飼い主様が何を思っているのか、何を要求しているのか、考えれば理解することは……     』








---------------






……お気の毒だなぁ……。


そんな風に思ってしまう、ただ、それは人間を飼い始めたオレであって飼い始める前のオレだったらこの文字列にこれといって何も感じなかっただろう。




人間は、他の動物と違い理性を持っているわけで、飼い主がいかにしっかりしないかが重大かもしれない。






オレに務まるかが分からないが、飼い始めてもう後戻りできないわけで、オレが頑張らなくては……。






それから、オレは、人間の気持ちや行動が分かる本を数冊購入し、パソコンを閉じ、ベッドでスマホをいじりながら人間が風呂を上がるのを待ち、上がってからオレも風呂に入った。

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