第3話 この世界への経緯とこれからの不安と恐怖 ※性描写注意

女の子がこの世界にくる経緯をR指定にならないようぼかして書いています。


若干酷な内容ですが楽しんでいただけたら幸いです。




……温かいぬくもりを感じて、私は安心して身体をぬくもりに預けた。




……




心地よい睡眠の中、セピア色のついさっきの記憶が蘇る。




「……すれば……助けてくれるの……?」




「そうだね、しないよりかは、助かるかもね」




「……わかった……」




 それから私は、変態男の指示に従った。




 レイプされているというのはこういうことなんだろうか?




 行為後も口には気持ちの悪い感覚が残り、その後、井戸のようなものがある小さい小屋に連行された。




 逝かされてから、少し疲れて抵抗する気力もなくなっていた。




「……ココは?」




 まさか突き落とされるの?それとも井戸だから水でも飲ませてくれるのかな?




「ココが君が現世で最後にいた場所になると思う」




「待っ……」




……




「ねぇ、ツクヨミたん、美味しい?2回目のボクちんの」




「……おいひいでふ……」




「そーかぁ、それは良かった良かった」




 本当に悔しくて泣いた。でも言うとおりにすれば助かるんじゃないかと希望を持った。






……




「やだっ、死にたくない……」




「言ったじゃない、多分死なないと思うよ、井戸の中はブラックホールみたいなものだと思うし」 




「お願い、何度だってさっきのことしていいから、ヤメテ、ヤメテってばぁ……」




「はぁ……ねぇ君さっき言ったよね?『何でもするから助けて』って」




「……言いました」




「じゃぁ、言うこと聞いてよ、別に助からないと決まったわけじゃないじゃん」




「うっ、うわあああああああああぁぁっ!!  ふざっけんなっ!!……」




 私は、最後の力を振り絞り男を殴ろうとした。




 しかし、その途中頭がクラッとして、そのまま地面に倒れ、視界が霞んでいくのが見えた。




「おやすみ、ボクはこの穴の先を知らないけど、幸せにね」






……






------------




chips その5




先月に引き続き、今月も行方不明者が数十名いることが判明しました。




政府は、如何に対策を進めるか懸念しております。


引き続き、専用ページでは、行方不明者の顔写真と服装と特徴を公開中です。


情報をお持ちの方が居ましたらもよりの警察、または、専用ダイヤルにご連絡下さい。








----------








目が覚めるとそこは、この獣人が生きる世界で、飼い主に会ってから気づいたがどうも人間の身分は下のようだった。




初めて獣人を見た時は凄く驚いた。




……




手首にモゾモゾと何かが這うのを感じ目が覚めた。




そこには、小さいムカデの様な虫が這っていた。




「いやあああああああああああああっっ!!……」




 私は、制服の袖でその虫を払った。




「はぁ……はぁ……」




 無事虫を振り払うことができた。赤く腫れていたりはしないので、噛まれてはいないようだ。




「……ここはどこ?……」




 辺りは、見覚えのない森だった。




「うっ……痛っ……」




 少し頭痛がしてから、気を失う前の記憶がフラッシュバックする。




『ねぇ、もっと命乞いしてよ、ツクヨミたん』




『……お願い、助けて、誰にも言わない、何でもするから……』




『へっへっ、そうこなくっちゃ、じゃぁ早速……』




『えっ……』




……




 どうしてこんなことになっちゃったんだろう。




 日頃の行いで悪いことはしていない、人に迷惑をかけたり恨みを買うようなことをしてないのに……。




 それから、数分森を歩いていると、のちに売人と分かる獣人に出会った。




 私が恐怖で逃げようとすると、特に威圧することなくなだめようと私に近づいてきた。




 逃げている最中、不幸にも転んでしまい、優しく保護された。




……かに見えたのだが……。




「ありがとうございます」




『いやぁ、一級品の女の子今日はついてるなぁ~』




 獣人が何を言っているのか私には分からなかった。




 その後、ほのかに甘じょっぱい、GREEN・DA・KA・RA?の様な味で白く濁った水を差し出された。




 飲むと気持ち的にリフレッシュできた、でもそれと同時に、理性が飛んで行くような感覚もした。




『おいで、売る前に、検品しないといけないからね』




「……はい……」




 手招きをされた。




 そして、服を脱がされ、初めて知らない人に直で胸の膨らみを触られた。




「んぅ……」




『大丈夫だよ、君は、観賞用か従僕用になると思うから、でも悪いことしたら家畜用になるよ?分かる?』




 何を言っているのか分からない、ただ、虚ろな意識の中、頷いたり、小さく返事をしたりした。




 ディープな口づけをされた、不思議だった、数時間前なら経験すらなかったのに、今の私はあんまり、それをどうと思うこともなかった。




 そして、もしかして、またエッチなことをするんじゃないかと思うと。




「ぁぅ……んぅぅ……」




 体が疼くとはこういう感覚なのだろうか?、局部の頬でじわりと溢れ出す感覚を感じた、気がする。




 それから私は、3度めの……行為をした。




 私の方に特に何かをしてくれるわけでもなかったが、暴力を振るわれることもないし、常に頭を優しく撫でてくれていたから




 さっきの変態男より嫌じゃなかったし、何より気持ちがぽーっとほわほわしていた。




……




『ありがとう、良い飼い主見つかる協力するからね』




「……はい……」




 何やら笑顔だ、どうやら役立ったみたいだ。良かった良かった。




 それから、粗末だけどここちの良いベッドで少し休ませてもらってから、出荷用の車に見える軽トラの後ろに積まれ、




 戸を閉められた。




『いい子だからじっとしててね』




 私はそれに対し、コクリと頷いた。




 まだ意識がほわほわしている、正常な判断が出来ていないんじゃないんだろうか、正直抗ったりするのが面倒くさい。




 それに……色々疲れたし……。




 車の倉庫の中には、ソファーの様なものが固定されてあった。




 シートベルトみたいなものもあったので、とりあえずそれをしてから横になった。




 枕がなかったのでスポーツバックを枕代わりにして、足の下に鞄を置いた。




「おやすみなさい……」




 誰に言うでもなく、眠りを始めようとした頃、ようやく車が動いた。






……






……






……






 それからどれぐらい寝ただろうか?急ブレーキの反動で私は目が覚めた。




 寝る前の記憶が思い出される中、した行為に対して気持ち悪くなった。




 よくよく考えると奴隷みたいな扱いをされている気がする。




 私は怖くなり逃げることにした、懸命の力で3度ほど体当たりをすると、運良く留め具が外れドアが空いた。




 そして、カーブの徐行の際、私は、飛び降りた。




 着地の際、足を捻り、痛かったが、それでも走った。10秒経たないうちに、後方から声が聞こえた。




 私は振り向かず逃げた。




 そして……飼い主に会うことになった。




 お金で取引されるのを見て、この獣人が飼い主なんだなと思ったけど、




 売人みたいな嫌な感じはしなかった。




 それから、足を治療してくれた。




 優しくて、暖かくて、自分の両親よりも愛してくれているような気がした。




 それと同時に、両親が脳裏に浮かび、最後に別れを言った友達も脳裏によぎった。




 気がつけば泣いていた。飼い主さんは、ただ優しく抱きしめてくれた。




 そんな飼い主さんが今は、家のどこにも居なかった。




 家の中は、真っ暗闇で、窓から見える月明かりでぼんやりと全体を見渡せるが、なんともない部屋が異様に広く、怖く感じた。




「どこ……?」




 思い出せる一番新しい記憶は、ホットミルクを飲もうとした際、熱くておちゃめな一面を見せてくれて




 それを見て笑っていたらまた泣いたら、気がつけば眠っていた。




 テーブルの上には手付かずのホットミルクが置いてあった。




 既に温くなったそれを飲みながら私は声を殺して泣いた。




 でも、なく理由は、どうしてこうなっちゃったんだろう、という気持ちよりも




 どこに居るの? 会いたいよ。という気持ちでいっぱいだった。




 それでも、部屋の中で叫ぶには余りにも勇気が必要で、ただ布団に丸まり、すすり泣くことしか出来なかった。








------




chips その6




獣人の世界で人間は、家畜、鑑賞用、召使い、愛玩動物……様々な用途で利用されている。




------

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る