第156話 誘拐されたら誘拐仕返す
「女は切れても、男は切れないとはまったく情けない男だ。俺は貴様がもっとまともな男だったなら、フリージアを託そうと思っていたのに、ここまでクズ男だったとは、呆れて顎が閉じなくなりそうになったぞ」
「ブラッドさまっ!」
「……フォーネリア王宮の飯は旨かったようだな」
どうみても赤ちゃんができたようにぽっこりしたお腹にさらにサイズアップしたお胸……。フリージアの容姿はリーベンラシアにいた頃と様変わりしていた。
「決して太ったわけでは……」
フリージアに覆い被さって守ったため、距離が近く彼女はぽっと頬赤らめてしまう。もはやリーベンラシアだけでなく広く隣国にまで行き渡ったフリージアの美貌。彼女の美しさを前にして、アスタルは引き寄せられた。
「おまえさえいなければ、フリージアの心は私の物だったというのに! このっ! このっ! このぉぉぉーーーー!!!」
なかなかフリージアが離してくれないので、俺は彼女を守るため覆い被さったままアスタルに滅多打ちにされている。
もちろん、まったく効いていない。
「ブラッドさま……もう私のあそこは限界を迎えてしまいそう……早くそのご立派なものでいっぱいいっぱい突いてください。囚われている間、ずっとブラッドさまのことを思い、【教誨室】もリフォームできるようになりました。ver.2ではなんと! 愛し合う私たちが教誨室の外からまる見えになっちゃう仕様です。より興奮しちゃうと思いませんか?」
興奮しません!
しばらく見ない間にドスケベ具合がましましになったフリージア。もう見られながらヤるとか変態の域に達してる。
「待て、ここで【教誨室ver.2】を発動させるのは止めろ」
「では【教誨室】はよろしいのですね♡」
「そういうことを言っているのではない。まったく聖女のくせに発情しおって」
「ブラッドさまを見て、発情しない女などこの世におりません。あなたさまを見ると、貴賤を問わず、優劣もなく、みんなただの牝になってしまうのです……」
「そんなわけが……」
そういえば思い当たる節がありありだ。
その理由もなんとなくだけど察しがつく。
ただ今はこの状態でいるのはマズい。久しぶりにフリージアの柔らかな肌と触れ合ってしまい、生理的な反射で股間がオリハルコンを越える硬さとなってしまっているのだから。
「あとで貴様の好きにするがいい。だがいまはここを出る」
「ブラッドさま!?」
俺はフリージアを両手で抱える。だがなにかおかしい。彼女を抱えた感覚が以前とまったく変わらないのだ。
こんなにお腹を大きくしているのに?
頭に疑問が過ったが、振り払う。早く脱出して、もう一人の面倒な子の面倒を見ないといけないのだ。
「俺のフリージアは返してもらう。ではもう貴様と顔を合わせることはないだろう。さらばだ」
俺の、とか余計なことは言わないでように欲しい。ままでさえ誤解を受けやすくなってるんだから。
俺が窓枠に手をやったときだった。
苦虫を噛み潰したような表情でアスタルが恨み節をぶつけてくる。
「待て、ブラッド!!! 私が知らなければ、おまえの子を孕んだフリージアを引き取るはめになっていたんだぞ!」
「俺の話も聞かず、フリージアの了承を得ることもなく、ただなにも事情を知らないこいつの両親に話を通しただけに過ぎない」
「私を罠にはめたのだろう! この代償はきっちり払ってもらう」
「貴様に女運がないのは貴様自身のせいだ。妹を蔑ろにして、他の女としあわせになる? 寝言は寝て言え、このクソ兄貴が」
窓枠に足を掛け、そのまま下へ向かって部屋を飛び出した。
「ブラッドさま、怖いっ」
「……」
俺がフリージアを抱えているのをいいことに彼女はより俺と密着しようと身体をくっつけてきている。
着地するか、しないかのタイミングでアスタルの叫び声が木霊していた。
「ブラッドオォォォォォォォォォーーーー!!!」
ヴァイオレットと合流したらすぐにこの国ともおさらばしよう! と考
「ブラッド! この女がどうなってもいいのか!」
ジークフリートがクリスタの喉元にナイフを突きつけ、無意味に俺を脅していた。
「好きにしろ。だがそいつは貴様の王子妃候補だった女だろ」
「「えっ!?」」
ジークフリートとクリスタは顔を見合わせ、気まずそうな表情をそれぞれ浮かべていた。
―――――――――あとがき――――――――――
気づいたらもういくつ寝るとメガニケ2周年じゃないですか!(10/11現在)
もう公式が野外モニターにガラスの靴を映し出してる時点であの不思議娘が来ることは確定ですね。作者がガチャを引くかですって? もちろん!!!
_人人人人人人人人人人人人人_
>廃課金王、石の貯蔵は充分か?<
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
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