第117話 姫騎士の金色聖水

「早く脱いで、俺に肌を見せろ!」

「子どものくせになんて、破廉恥なの!?」


 俺は女の子に筋肉を見せろ、などデリカシーの欠片もないことを言いたくなかったのだが、姫騎士からは別の方向に取られてしまったらしい。


「つべこべ言わずに見せないと俺から剥ぎ取ってやる」

「くっ、わ、私はリーベンラシアの男に、ましてや子どもになど屈しないっ! 脱げばいいんでしょ!」


 どうもブラッドを抑えようにも良い子を演じていた反動もあり、無理なようだ。あくまで脱ぐのに手間取っていた彼女の手伝いを申し出ようと思っていたのに仕切りに脱がしたがっているようなことしか言えない。


「ぬ、脱げない……」


 あれだけ俺に屈しないと啖呵切った姫騎士が漏らした言葉に思わずまえのめりに倒れそうになる。かなりのポンコツ姫らしい……。


「貸せ!」

「ひ、一人で脱げるからっ!!!」


 手を突き出して、俺が手を貸すことを拒否する姫騎士だったが、徐々に勝ち気な彼女の顔が青くなってゆく。


「どうした? 一言、ごめんなさいと謝れば許してやっても構わんぞ?」

「誰がリーベンラシアのおとっこに、ひっ!?」


 姫騎士は急に股間へと手をやり、もじもじし出した。どこか痛みを感じているのか苦痛に耐える姿は同情を買うというより、色っぽさを感じてしまう。


「くうっ……」

「どうした? 体調が悪いのなら人を呼んでやる」

「やめてっ!!! 絶対に人は……うっ!」


 これはなにか本格的に体調が悪いのだと思った俺は腹立たしさよりも彼女のことが心配になってしまう。


 だが俺が姫騎士に触れたときにはもう手遅れだった。彼女の甲冑の股間部分から液体、しかもただの液体ではなく黄金色の滴が垂れてきていたのだ。


「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーっ」


 それと同時に姫騎士は絶頂を迎えたかのような声を上げていた。そして青ざめていた顔は滴が止んだときには天使のように穏やかな表情へと変わる。


 まさかおしっこを我慢していたのか!?


 すべてヤリ終えたような恍惚とした表情の姫騎士と目線が合った。


「ち、違うのっ! これはなにかの間違いよ!」

「漏らしたのか?」


 姫騎士は自分のやらかしたことに気づいて、慌ててその場を取り繕うような言い訳を始める。


「ふふん。これのどこをどう見れば、おしっこに見えるのかしら? 流石はお子さまね、大人の女はおしっこ以外のスープを身体から漏らすのよ」


 おしっこを漏らした癖に俺を上から目線で見下してきていた。


 スープってなんだよ……。


 いやそうことじゃない。むしろ、なにもないのにイッてしまってラブリーなジュースをお漏らししてしまう方が異常だ。エロゲならありうるが、『フォーチュン・エンゲージ』は全年齢対象の乙女ゲー。


 叡智なお汁をだばだば流すようなキャラがいてたまるか!


「身体を見せてみろ」

「なぜ、あなたに……」


 俺は姫騎士のことが本当に心配になり声をかけるが、姫騎士は拒絶しようとするが先ほどの俺への仕打ちを思い出して、口ごもる。


「そういうことだ。素直に俺に従うんだな」

「く、屈辱だわ……」


 漏らして吹っ切れたのか、姫騎士は甲冑を脱ぐ手伝いを受け入れていた。


「ごてごてになった鉄甲ガントレットをしていれば脱ぐものも脱げないだろう……」

「うぐっ……」


 この娘はやっぱりポンコツ姫だ……。


 俺は鉄甲が脱げないように留めていたベルトを緩め、外してゆく。鉄甲を外した彼女の手を見ると驚いた。


 手の甲は白く美しいのだが手のひらを見るとマメができており、手の皮も厚くなっていた。


 ポンコツではあるが努力家なんだな。


 俺は特に剣技などの戦闘技術にさほど興味はない。あくまで筋トレのついでに……というスタンスなんだが、姫騎士が頑張っていることくらいは分かる。ただ彼女は筋力がなさすぎて、甲冑を着ている状態でのバランスを欠いていた。


 あとは……。


 胴周りの甲冑を脱がせ、脛当て、鉄靴を残すだけとなる。甲冑の下に着ていた上着を脱いだ姫騎士はタンクトップのような下着を着ており、かなり汗を掻いていたようでむわっと蒸れていることが一目見ただけで判別できてしまう。


「はっ!? み、見ないで……」


 タンクトップの膨らみを見るとノーブラだったのか乳首のようなぼっちが浮かび上がっており、俺の視線に気づいた姫騎士はすぐさま腕で覆い隠してしまった。


「俺は女の乳房など見飽きている。いまさら貴様の乳房を見ても興奮などするか」

「なっ!?」


 勝ち気な姫騎士の恥じらいから赤らめた顔がかわいく、思わずごめんと謝ろうとしたんだが、デリカシーの欠片もない言葉を浴びせてしまう。


 むくれた姫騎士をよそに俺は脚部の甲冑を脱がしていった。


 片足を上げて脱がすとさすが王女だけあり、肉感にあふれた太股が露わになる。鍛え具合の確認のために太股に手をやると……。


「太股に……ふ、触れられたぐらいで籠絡されると思ったら……大間違いよっ……は、はあ、はあ……」


 いや息が荒くなってるんですけどっ!?


―――――――――あとがき――――――――――

運良く新シリーズの30MFリーベルナイトが入手できたので組んでみました! いやこれ普通にすごいですね。まず見た目が格好良い! それにおっきいの♡(1/144のガンダムよりは大きいかも)

そして可動範囲が抜群。宣材画像のように普通に胡座がかけちゃいます。最後にお値段が考えられないくらい安い! ひとつ難点を挙げれば今現在、入手しづらいところかと。

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