第110話 足長ショタくん
俺はリリーと落ち合う宿の隣で宿泊していた。一度はエーデルワイスを伴い、リリーの泊まる部屋へ行ったのだが……。
『はあん……ブラッド殿下ぁぁ……。だ、だめれすぅぅ……。そ、そんなとこ舐めちゃぁぁ……。性欲モンスターの殿下にぃぃぃ……なんて……屈したくないのぃぃ……どんどん変にされて……殿下のことしか考えられなくなっちゃうのぉぉ……』
と、どうやら絶賛自家発の真っ最中だったらしく、隣に泊まろうものなら逆夜這いを受ける危険を感じたので受付にメモを託して、リリーの泊まる宿から撤退した。
――――ブラッドの泊まる部屋。
コンコンとドアがノックされたので、誰か訊ねるとエーデルワイスのようで……。
「入れ」
「失礼いたします」
入室を促すとおずおずと入ってくる。その姿は性女となってしまう以前のフリージアを想起させてしまっていた。
「お話したくて参りました。構わないでしょうか?」
「ああ、勝手にしろ」
俺が話すことを許可すると、緊張した面持ちだったエーデルワイスははにかんでいる。エーデルワイスはベッドの縁に座っていた俺の隣へと腰掛けるとちらちらと俺の様子を横目で見ている。
アスタルのまえでも頬を赤らめ、こちらの様子を恥ずかしそうに窺う姿を見せられれば、奴のハートをも簡単に射止めれるような気がした。
「なぜグラッドさまは私みたいな冴えない娘を
「そうだな、まず貴様は娼館が買い求めるほど見目がいい。それにカルラのように同性から好かれている。加えて出自だ。貴族である親の借金のカタに売られたというのは同情の目を引く。大概の男ならばかわいくてかわいそうな目に遭っている娘を助けたくなるのが人情というものだ」
ふとももった。否、ふと思った。
思わず、エーデルワイスが手を置いている彼女の生足太股に目が行ってしまったが、他人がこの状況を見ればどう思うのだろうか?
小学生ぐらいのガキが高校生くらいの女の子に人生を語っているのだから……。
ただエーデルワイスの様子を見る限り、彼女は前世の記憶のほとんどを忘却しているのではないかと予想される。三迫は俺より若いが大人の女性だったし、友だちみたいな距離感で接していた。
「事情はカルラといるときに話した通りだが、貴様には俺は攫われた知り合いの意思を確認するための時間を作ってもらいたい」
「その方はグラッドさまの想い人なんですか?」
どちらかと言うと重い人だな……。
なんてことが言えるわけもなく、適当に茶を濁す。
「俺の姉みたいな
「グラッドさまはその方のことが好き……なんですね」
「痴れ者がっ! 俺はフリージアのことなど……」
「ふふっ、フリージアさんって、言うんですね」
「うっ」
敵もさる者、記憶に欠損はあっても深層の部分に男を手玉に取る大人びたところを見せた。
「ふん! 名はいずれ貴様に話そうと思っていたところだ。名無しではあいつも浮かばれまい。もう満足したか? 今日はもう遅い、夜更かしは肌の大敵だから、分かったらさっさと部屋に戻って寝ろ」
「はい、お時間取っていただいて、ありがとうございました」
「構わん。なにかあれば壁を叩け。すぐ行ってやる」
「ありがとうございます、グラッドさま……」
エーデルワイスは立ち上がると見事なまでの美しいカテーシーを見せ、俺の部屋を去っていった。
――――【エーデルワイス目線】
部屋に戻ると急に胸が締めつけられる思いがした。
「グラッドさまのあの仕草……」
たまたまグラッドさまに彼の知人が好きかどうか訊ねると彼は明らかに動揺していた。
動揺すると自分の手首を掴んでお腹に押しやる……。
私の大事な人も同じ仕草をしていた。
親? 先生? それとも他の大人? 誰なのか思い出せないけど、大事な人も理不尽に叱られているときや、彼の……妹? と話してたときに見られた。
なんで私に行ったこともない、見たこともない人や物や場所の記憶があるの?
それにグラッドさまと話しているととてもしあわせな気分になってしまう。グラッドさまは私よりずっと年下の男の子なのに……。
私……変……なのかなぁ……。
―――――――――あとがき――――――――――
しくしく……店舗にゆき、メイドボディ……げふんげふん、ZⅡを入手しようと行ったのですが、そこには境界戦○の山しかなかったのです……。
た○ごっちで大儲けされたバンダイさんのことでしょう、市場のリサーチは入念にされているはず。もっと売れる商品にリソースを割いていただけませんか? 【作者、心の叫び】
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