第99話 妹と子作りえっち

 愛にまさぐられて、ご子息が反応してしまいそうになる。


「くっ、や、止めろ……勝手に触れるな! どうしてフリージアにしてもリリーにしても俺の周りには俺の意思を無視して、精力を搾り取ろうとしてくる痴女ばかり集まるんだっ」


「おにぃ……なに言ってんの。カッコ良くて、逞しくて、強い。しかも悪振ってるようで優しい男の子に惚れない女の子がいると思う?」


 俺にたわわを押し付けるようにもたれ懸かり、耳元でふーっと吐息を吹きかけるように愛は囁いてくる。


「おにぃ、震えてる? かわいいね、おにぃ」

「この俺が貴様のような小娘程度に怖れる? 馬鹿な!」


 もちろん怖いから震えてるのではない。恋愛感情抜きで愛情を持って接していた愛から求められる気持ちの高ぶりに震えているのだから。


「おにぃはいつも愛のまえでは勇敢だったもんね。本当はご近所の吠える犬が苦手なのに愛を守ろうとして盾になってくれたり、愛が盗撮されそうになっているとおにぃがポージングして盗撮魔をトラウマにさせたり……」


 このままでは愛に対して本当に欲情してしまうと思い、ハグを解いて彼女に面と向かい言い放つ。


「そんなこともあっ、いやいやないない。俺と貴様にそんな思い出はないのだ。俺は貴様のおにぃではないと何度言ったら……さっさとこの部屋から俺を解放しろ……」



 ザーーーーーッ!



 水漏れ!? なんで急に?


 いきなり【教誨室】の天井から水が落ちてきた。しかもスプリンクラーのように一ヶ所からじゃなく、まるでゲリラ豪雨に遭遇してしまったかのような激しい雨量だ。


 愛は俯き、泣いているようだった。


「せっかくおにぃと再会できたのに……ずっと子どもの頃からおにぃのこと好きだったのに……おにぃから拒否られるとか……もう生きてる意味ない……このまま凍えて死んでしまった方がいいのかも……」


 なんだこの雨……凍てつくように冷たい。


 俺は外皮のおかげで寒さ暑さに耐久力を持つが半裸の愛にとっては相当な寒さだろう。



【ドーピング】

【超高速スクワット】



 愛に悟られないよう筋トレ熱を発生させたのち、彼女に声をかける。


「待て……早まるな。貴様に死なれては寝覚めが悪い。こっちに来て俺を温めろ。不本意極まりないが俺も貴様を温めてやる」

「ホント? そっちに行っていい?」

「温める以外禁止だ」


 愛は濡れたブラウスとスカートを乱雑に脱ぎ捨てるとブラジャーのみつけている。下は幼い子どものようにすっぽんぽん……。おまけにブラまで外して生まれたままの姿で俺に抱きついてしまう。


 いや……二つだけなぜか外したり脱いだりしない物があったけど。


 とにかく、ほぼ生まれたままの姿で俺に抱きついてきた愛。


「禁止だと言っておるのに、んぷっ!」


 んんんーっ!


「おにぃがブラッドになってから初めて唇を奪っちゃった♡」

「な、なにを……」


 ブラッドになってから初めてということは……。


「愛はいつもおにぃが元カノとデートする度に上書きしてたんだよ~。おにぃのかわいい寝顔にちゅっちゅって、ふふ♡」


 なっ!?


 俺の唇が俺の預かり知らぬ間に愛に奪われていただと!?


「あー違う違う、いまのはキスじゃないよ。凍え死なないための運動だから。ほら、ちゃんと唇も温めないとね」


 とか言いながら、愛は舌で俺の口を犯してくる。


 そのまま俺の手を引きベッドへ座り込むと誘ってきてしまう。おかしなことにあれだけ部屋が水浸しになっていたのにいまはすっかり止み、濡れていた寝具も乾いている。


 だが別のところが濡れていた……。


「お、おにぃ……愛のここもおにぃの熱い心で温めてほしいの……」


 すでにホットリミットを迎えているであろう愛の秘宝館を俺にだけ貸し切り開館し、見せつけてくる。開館だけに快感を得ようとしているのか!?


 更に不可思議なことは起こる。調度品がカタカタと音を立てたかと思うと俺の足取りは覚束なくなった。


「じ、地震かっ!?」


 えっ!?


 振動で俺と愛の身体はズレてゆき……。


 いやいやおいおい!


「お、おにぃがぁぁぁーーーーーーーーっ!!!」


 凹凸型の連結器が繋がってしまっていた。


―――――――――自主規制―――――――――


某国営放送で電マを魔改造してレースするって番組案内見て、ふぁ!? ってなったよ。


―――――――――自主規制―――――――――


 せめて外に……と思ったのに愛の大しゅきホールドを受け、俺はあろうことか前世の妹のなかに……。


「おにぃ! 昔みたいに一緒にお風呂にはいろ!」


 フリージアの【教誨室】にはなかったドアがあり、愛はそこへ俺を誘う。


 俺の見立てでは固有領域は妄想を具現化する力なんだろう。その妄想が俺の目の前に広がっている。ナーロッパ風の石やタイルを敷き詰めた風呂ではなく、二人分くらい収容できるユニットバスが……。


「愛よ……ひとつ聞きたい。風呂があるなら先に風呂に入れば済んだ話では?」

「う~んとおにぃはお風呂でえっちするのが好きなんだね! じゃあ、お風呂えっちしよっ!」

「ちがっ、俺はそういうことを言って、~~っ!」


「おにぃの赤ちゃん汁は愛の赤ちゃん部屋に注ぎ込んでほしいの……」

「なにが俺からすべての精液を搾り取るだ! すぐに分からせられてしまう雑魚まんのくせにっ」

「おにぃは愛の雑魚まん……きらい?」


「……」



 このあと愛からいっぱい愛された……。



 初めての愛はそれなりに疲れたんだろう。休憩していたのだが、愛は俺のことが恋しくなったみたいで身体を寄せて甘えてくる。


 俺に甘えていた愛だったが、ふと気になることを口していた。


「おにぃに元カノの殺害容疑が掛かって飛び込み自殺って、テレビやネットに出てても愛はおにぃのこと信じてた」


 えっ!? 俺が和葉を殺した?


「俺が元カノを殺すだと!?」

「それはおかしいって、おにぃの会社の三迫っちが調べて警察に訴えたの。愛もおかしいと思ったから。調べたらおにぃの上司が怪しくって問い詰めようとしてたら、事故死しちゃった」


 は?


 一之瀬が和葉を殺したってことなのか!?


「それにおにぃが電車に跳ねられた日なんだけど駅の防犯カメラにおにぃの上司の姿が映っていたって。もしかしたら元カノと上司は繋がってたのかも」


 俺は愛が話してくれたことに混乱していた。



――――現実世界【三迫美紗子目線】


 ジャーーーッ♪


 シャワーが流れてゆく。


 私の血液で赤く染まった水が排水溝に……。


 岡田くんに痴情のもつれから来る和葉殺害の嫌疑が掛かったけど、岡田くんの妹ちゃんの協力で彼の嫌疑は晴らせた。


 私は最初から秀人を疑ってたから。


 あいつが熱い熱いって焼け死ぬ姿は最高だった。私の大事な智を奪ったんだから。和葉と別れて、ようやく智が振り向いてくれると思ったのに……。


 智のいない、こんな世界なんてもう生きてる意味はないの……。


 ジャーーーッ…………。


 ああ、意識がまるで別の世界に繋がっていくように途・切・れ・て・ゆ・く……。


―――――――――あとがき――――――――――

※一之瀬秀人 → マクシミリアン

※井澤和葉 → クリスタ


えーっと運営さまからお叱りを受けないように頑張ってみたんですけど、無理でしたw

規制なしver.については限定近況をご参照ください。

https://kakuyomu.jp/users/touikai/news/16818093082949246971

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