第96話 独占欲つよつよ妹の赤ちゃん部屋1
「誰だっ、貴様は!」
思わず強い語気で俺の腰に跨がろうとしていた不審人物に声を掛けた。俺の意思に反して夜這いという形で逆レ○プしてくるフリージア姉妹が不審人物でないかと言われれば、間違いなく不審人物であるのだが……。
「なに言ってんのー、愛だよ、おにぃ」
不審人物は愛を名乗り、ゆっくりと身体を反転させ顔を見せた。暗がりでまだ判別はつきがたいが愛を名乗る人物はパチンと指を鳴らすと燭台の蝋燭に火が灯る。
あああああーっ!?
俺は心のなかで絶叫する。
跨がろうとしていてのは間違いなく前世の妹、愛だったからだ。しかもベージュのベストにブラウス、プリーツスカートとわざわざ制服に着替えて……。
人間、誰しも自分に都合が悪い物を見た際に見なかったことにしたくなることはままあることだろう。俺にとっていまがまさにそのときだった。
俺の社宅に現れ、制服姿のままソファーに寝転んでスマホをいじっていた姿が蘇ってくる。
『愛、皺になるからせめて着替えてからにしろよ』
『ん~、大丈夫ぅ~。あとでアイロンかける』
『アイロン掛けりゃいいってもんでも……』
『んん? あ、分かった! おにぃは愛にここで着替えて欲しいんだぁ。分かった、分かった!』
愛はスマホをローテーブルへ置くと突然ベストを脱ぎ捨て、ブラウスのボタンへ手をかける。
『いまさらなにを……。俺は愛の裸は見慣れてる。なんせ愛を何度となくお風呂に入れていたのは俺なんだからな』
JKとなった愛もかわいいが、それはかわいいというかそれは美しいに近い。だがロリだった愛は超かわ天使だったことを覚えている。
たまにお風呂で催した愛の姿を目撃してしまうと見てはいけない物を見てしまって、なんとも変な気分に陥ってしまったことがあるが……。
ロリ愛の放尿に想いを馳せていたら……愛が俺の上で四つん這いになり顔を覗き込んでくる。
「あ、おにぃ、いまぁ変なこと考えた?」
「断じて違うっ! しかも何度も言っているだろう。俺は貴様のおにぃではないっ! ブラッド・リーベンだ!!! そもそも貴様はフリージアにぞっこんではなかったのか! こんなことをすればフリージアは心を曇らせてしまう。それを分かっているのか!」
「う~んとね、最初から分かってたんだ」
「なにをだ!?」
「ブラッドがおにぃだってこと」
「なんだと!?」
「だって……」
愛が俺の腰のうえで祈りを捧げると、俺の寝間着のボタンが発光して生地が浮き、ボタンが外れてしまった。
「なっ!?」
襟首を摘まんだ愛はすでに手を打ってあると言わんばかりに
「それにフリージアちゃん、リリーを籠絡……ううん、ちゃんと事情を説明して理解してもらったから」
「いやいま籠絡と言わなかったか?」
「ううん、言ってない言ってない」
元いた世界でも愛はギフテッドどころかチートだろ? って疑いたくなるような不可思議な能力があったが異世界で再会して、さらにパワーアップしているようだ。
あの尊大なクソもふもふのミーニャの愛を見る目が怯えているとしか思えないことからも分かる。
俺が愛の正体について考察を重ねている間にも、愛はゆっくりと俺の上着を脱がしてしまう。
「おにぃと愛は運命の赤い糸で結ばれてるんだもん。おにぃが姿形を変えようが別の世界に旅立ってしまっても愛はちゃんと見つけられるんだよ」
は、ううう……。
胸筋を愛おしそうに撫でてくる愛。その優しくもいやらしい手つきに思わず声が漏れそうになっていた。
「それにブラッドがこんなに逞しくなるわけないもん。あの子はね、怠惰なくせして権力を笠に着て、フリージアちゃんをいじめるの。でもいまはそうじゃないよね? 転生してもおにぃは凄く頑張り屋さんだったから自然に出ちゃうの、転生前の性格が……」
さすが俺の妹……いや俺の妹というのが
だったら……。
「仮の話をしよう。俺が貴様の言うおにぃだったとして、これはどいうことなのかな? 貴様の国では実の兄妹の間でいかがわしいことをしても良いのか?」
「そんなのダメだよ、いくら愛がおにぃのこと好きでも結婚できなかったんだから」
良かったぁぁ~。
愛がちゃんと分別のある子で安心しているときだった。急に愛が口を押さえたのだ。
なにかあったのかと不安で落ち着きをなくしていると愛は吹き出してしまった。
「ふふふふん、愛はおにぃとは囗にしてたけど、愛とおにぃが実の兄妹なんて一言も言ってないんだよ。おにぃって言っても近所のお兄さんってこともありうるからねー。どうして、なんでブラッドきゅんは知ってるのかな? かな?」
しまったーーーーーーっ!!!
素肌になってしまった俺の胸に頬を擦り付けて、問い詰めてくる。
「ううう……ううう……」
「早く答えてくんないとおにぃにいたずらしちゃうよー」
くりくりと俺の胸の敏感なところで指遊びしていて、ひたすら耐久力を試さている。
「ふふ、ブラッドきゅん、ここが弱いんだ。おにぃといっしょだね」
「ち、ちがう……俺はおにぃではない……」
愛が幼かった頃、両親は家業で忙しくなり愛の面倒はほとんど俺が見ていた。俺が歩く度によちよちついてくる愛、それはまるでカルガモの親子みたいだった。
「じゃあ、愛がブラッドきゅんにいっぱい突かれて、愛の赤ちゃん部屋にぴゅっぴゅっしてもらってもいいよね?」
そんな愛が……そんな愛が……こんなおにちゃん大好きなえっちな女の子に成長してしまうなんて!
「はあ、はあ、なにを言っている……俺にも拒否権という物がある。女なら誰でも抱くなどと勘違い……す・る・な……」
「ふ~ん、分かった。それなら愛にも考えがあるよー」
愛が決意した途端空間が歪む。俺はこの感覚を嫌というほど分かっていた。
【
ようやく空間の歪みが収まったときのことだ。
スカートをめくった愛。
「うんとね……愛の赤ちゃん部屋がね、おにぃのミルク……いっぱい欲しいって言ってるの」
愛は本来そこにあるべきものを履いてなかった……。
―――――――――あとがき――――――――――
限界突破したver.は限定近況にでも……。
愛たそはなにを履いてなかったのかなぁ(すっとぼけ)
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