第75話 BL専用公衆トイレ【ざまぁ】

――――【井川目線】(リーベンラシア侵攻時)


 あんだけきめぇくらいに根本根本っつてたアレスだが、いきなり横田に鞍替えしやがった。


 女なら誰でもいいヤリチンだったか。


 前は城にいるメイドやら、城の外にいる女やらを無理やり犯すと「そんなことは止めてくれ。これは私からのお願いだ」なんて説教垂れてきやがったくせに。


 今は「好きにするがいい。だがもっといいところがある。近々紹介しよう」だって。分けかわんねえよ。


 まあ鞍替えしやがった途端、物分かりが急に良くなりやがったから、構わねえんだが……。


 いや物分かりが良くなったというより、あれじゃ横田の操り人形だな。堤の奴も横田の言いなり……。


 何が起こったのか興味なんかねえがとにかく横田にあんま近づかねえ方がいいことは間違いねえわ。



 そっからアレスの親父である国王をぶっ殺したあと、国王に成り代わったアレスと行動を共にしてた。


 根本の奴が乙女ゲーがどうとか言ってやがったが、茶会やら舞踏会やらも詰まらねえから高橋たちと連み、会に乱入して恋人の目の前でお高く止まってた貴族の女を犯してやったわ。


 高橋に野郎を押さえつけさせて、女が墜ちてゆく姿を見せつけやると頭がおかしくなって、そのままバルコニーから飛び降りたりするから笑けてきて仕方なかったな。


 メンタルくそ雑魚すぎだろ。


 フィールドやらダンジョンに行っても雑魚ばっかでマジ退屈で異世界に来ても詰まらねえことだらけで飽き飽きしてたら、かなりでっけえ隣国と戦争やるって言い出したときには流石にわくわくしたね。


 やりたい放題してもなんも文句言われねえんだ。


 俺のとって異世界は最高にいい場所だ!



――――リーベンラシア国境。


「はははっ! 戦争だってんなら、好きにいたぶっていいんだよなぁ!」


 神さまみてえな奴からチートの力をもらうシーンなんてなかったが、どうやら異世界人たちとおれの間では話になんねえくらい実力に差があるみてえだ。


 超リアルなNPCどもが地平線を埋め尽くすようにしておれに襲いかかってくる。



【ブレイドストーム】



 そこに抜剣と同時に横に薙ぐと竜巻が起こって面白いように、その中に吸い込まれていきやがる。竜巻が起こってる間、なんの妨害も受けずに敵陣の中を堂々と歩けるとか、最高だろ。



――――【ブラッド目線】


「俺の下僕どもをかわいがってくれたみたいじゃないか、そのお礼はたっぷりさせてもらう。まずはコビウルの分だ」


 普通に殴るともの凄く吹っ飛んでいくので、俺はハルキの髪を掴みながら腹パンをお返しした。


 ブチブチブチッと音がしたかと思うとハルキは遥か向こうへ飛んでいった。俺の左手にはヅラみたいに抜け落ちたハルキの髪の毛だけが残ってる。


「貴様の番だ。って気絶してるのか……ではパスしたと見做して、ずっと俺のターンにさせてもらう」


 コビウルの痣や瘤がかわいく思えるほど、国民と臣下たちの恨みを俺が彼らに成り代わりにぶつけておいた。


 あまりに打ち続けたためにどんどん地中に身体が埋まってゆき、井川の脇からどろどろした鼻をつく臭いの黒い水が湧き出てきていた。



――――疎開キャンプ。


「あーあ……」


 愛がハルキをまるで汚物でも見るかのような蔑んだ目で見ていた。


 衛生兵が数日掛かりでハルキを治していたのだが、それには理由がある。


「俺の国では女犯の罪は尻穴を提供する法律がある。それに従ってもらおうか」

「んな法律、ウソに決まってんだろうがっ!」

「黙れ! この国では俺が法律だ!」


 あらかじめ魔封枷が両手、両足につけられ、ハルキはもう魔法を使うことができない。ハルキは木箱の上に手を拘束され、姿勢は膝を伸ばした状態での四つん這いになっていた。


 それはちょうど立ちバックするには好都合なポジション……。


「コビウル、好きな宣伝文句を書いてやれ」

「ボフゥ、ありがたきしあわせ!」


 コビウルは鼻歌混じりでフリップになにやら文字を書き込んでいた。


―――――――――――――――――――――――


 ボクのかわいいおしりをいっぱい犯して!


 もちろんタダだから♡


―――――――――――――――――――――――


 流石俺の忠臣、俺の仲間、そして俺の友!


 ちゃんと俺の意図したことが言わなくても伝わっているじゃないか!


 そのフリップを井川に見せる。


「てめえ、なに書きやがった!?」

「教えてやるボフゥ」


 転移者は『フォーチュン・エンゲージ』の世界の人間と会話で意思疎通はできるらしい。だが文字はちゃんと学習しないと読めないようだ。


 あれ?


 けど愛は普通に温泉街で看板を読んでいたような……。


 いやいやそれよりもハルキだ。


 コビウルはハルキに無償の男娼になったと伝える。さらにコビウルはフリップをハルキの首に掛けるだけでなく、後ろ側にも設置するという丁寧なお仕事を見せていた。


 丁寧な仕事、とても大事。


 すると奴は……。


「てめえ! なに書いてやがる! すぐに出せ! 出しやが……っっっっ!?!? んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!!」


 ハルキはコビウルに噛みついていたが途中でキモい叫び声をあげていた。


 俺たちからは木が死角になり、なにをされているのか判別がつかなかったがおそらくお客第一号にたっぷりかわいがられているのかもしれない。


「待て、おほぉ! おれをおほぉ! こんな、おほおほほほほほ……目に遭わせ、ンホォォォ!!!」


 類人猿のようにオホ声をあげて、ずいぶんと気持ち良さそう。俺たちはお客さまの邪魔をすると悪いと思い、その場を離れた。



 数日が過ぎた頃、職務に復帰したオモネールとコビウルから報告を受けた。


「ブラッドさまの設けた公衆トイレ政策が実施される以前は疎開キャンプ内で性的暴行事件が多く起こっておりましたが、今はまったくなくなったそうです」

「そうか」


 俺はキャンプの中心によく育った杉を見て頷いていた。良かったと思う一方、俺はフリージアたちから逆レ○プされ続けてるんだが、そっちもなんとかしないとな……。


―――――――――あとがき――――――――――

デュエルブリッツとルナマリア、発売日から1日経過した日曜でしたが、ないだろうと思いつつも一応、量販店回ってみようと行ったら普通に箱積みされてて草。

「兄貴! 戦いは数だよ」を実践するような転売ヤーを物量で圧し潰してゆく素晴らしいお仕事でした、バンダイさま!

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