第55話 スライムの陵辱2【ざまぁ】
――――【横田目線】
逃れようとしても身体がびくともしない。ポコッと泡が出るのが見えた。スライムの中に取り込まれ、体液みたいなので制服の生地がゆっくりと溶かされてる。服は溶かされてるけど、痛くはない。
もうブラウスの袖はなくなってしまってた……。
「うわっ!? 樹李亜ちゃんって結構剛毛なんだ、ははっ、恥ずかしい~。でも意外だなぁ、そういうところきっちりしてると思ったんだけどなぁ。ちょっとほくのキミへの評価が下がったよ。ちゃんと毛の処理しないと。ぼくが剃ってあげようか?」
「う、うるせえ! み、見るんじゃねえ! ちょっと忙しくて剃り忘れただけだ、この変態野郎が! こんなとこ見て、おっ立てるとかどんな妄想してんだよ、キモ過ぎるだろうがっ」
たまたま忙しくて、お手入れできなかった脇を見て大木が歓喜してる。絶対、こいつ脇扱きとか頼んできそう。マジキモい!!!
――――なんだなんだ?
――――横田が脱いでるってよ!
――――異世界で早々ストリップショーか!
クラスメートの野郎どもが騒ぎを聞きつけてやってくる。
「見るんじゃねえよ!!! クソ野郎どもが! あたしの裸見た奴は目潰してやっからな!」
「お~い、みんな。樹李亜ちゃんを解放したら、目を潰されちゃうらしいよ。困ったね、どうする?」
――――やっぱ分からせじゃね?
――――異世界って力こそパワーだよな?
――――バカ、力こそ正義だろ!
あたしは大事なことを忘れていた……。男子どもは性欲に飢えた狼だ。そんな奴らがまともな法律があると思えない異世界に放たれる。
今のあたしの能力だと大木みたいにこてんぱんにされてしまうかもしれない。
そうなったら、あたしの身体は間違いなく、こいつらのおもちゃだ。大木と連んでる男子どもは童貞臭い連中ばかり……女が犯されると気持ちいいとか勘違いしてるに違いねえ!
無理やり犯されるシーンを思い浮かべたら、全身に悪寒が走り吐き気が出てくる。
異世界じゃ、自分を守れるのは自分だけだ!
「い、いまのは冗談だから……あたしがそんな危ないことするわけねえじゃん。大木、さっきの話……聞いてやってもいいからな」
「聞いてやってもいい? 樹李亜ちゃん、立場分かってる? キミはぼくの手の内にあること忘れてない? 今は服だけを溶かしてるけど、やろうと思えば樹李亜ちゃんごと溶かすこともできるんだからね」
正直、大木の喚び出したスライムがあたしをそのまま溶かしてしまえるかどうかは分かんない。だけどあたしをスライムに拘束させ、男子どもに輪姦させるなんてこと簡単にできちまうことは確かだ。
大木がよろこぶようなことを言って、煽てて、奴が油断した隙にあたしのワイヤーで奴を切り刻んで人間だったことすら分からねえようにしてやる。
「あんたの力は分かったよ……今までのことも謝るから、許してくれないか。頼むって」
「どうしようかなぁ~。あれだけキモデブ、キモデブって連呼されたらぼく傷ついちゃたなぁ~。樹李亜ちゃんはぼくをどう癒やしてくれるつもり?」
「こっから出してくれんならなんでもするから! な、な、な、大木。いや大木くん、大木さま! お願いするからぁぁ……許して」
「ははははっ! 樹李亜ちゃん、キャラ違うよね。精いっぱい猫かぶりの演技……ホント涙ぐましいねぇ。分かった、いいよ」
「ホントに!? 許してくれんの?」
「違うよ。みんなで樹李亜ちゃんを分からせようって言ってんの。とりあえずぼくの童貞卒業の人間オナホになってもらおうかなっ」
「てめえ、なに言ってんだ! 殺すぞ、このキモデブがーーーーっ!!!」
「ほらす~ぐ本性表しちゃうんだから! スラりん、とりあえず樹李亜ちゃんの制服、ぜんぶ溶かしちゃお!」
ふと下に目をやるとあたしの制服はなくなり、ブラとショーツだけになってしまってる。
「ひゃっはーっ! 樹李亜ちゃん、派手だと思ってたけど、まさかの紐パンキタァァァァーーーッ!」
「見るんじゃねえよ! このクソキモデブ!」
――――真っ裸!
――――真っ裸!
――――真っ裸!
あたしが大木にムカついて、言い放つとあたしを取り囲んでいた男子どもが拳を突き上げて、コールをし始めやがった。
「キミたちの熱い想い……この大木忠臣、よーく分かった! あの樹李亜ちゃんのヌードが拝める僥倖に立ち会えたことに感謝するがいいっ! やれ、スラりん!!!」
「ひっ!? や、止めろぉぉぉーーーっ!!!」
―――――――――あとがき――――――――――
書いてる時点(7/2)で某レーベルさまからご連絡を頂きました。どうもレーベルによりエッな描写の基準が違うようで、とても勉強になりました。それだけ分かっただけでも十分成果はあったと思います。
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