第49話 二人まとめて恋人に

 気づくと俺はベッドの上にいた。もちろん俺の部屋の、だ。俺の傍らにはフリージアがしあわせそうなアヘ顔で気絶してるっぽい……。


 フリージアみたいな最高にかわいい美少女も気持ち良すぎるとアヘ顔になるんだと思ってしまった。俺もフリージアとのえっちが気持ち良かったのは間違いない。


 昨晩のフリージアの淫らな姿を思い出すだけでまた股間が大きくなってしまう。あれだけ彼女とのえっちを避けてたのに、またシたくなるのはフリージアが魅力的過ぎるからだろう。


 婚約破棄により彼女以上の存在と言える婚約者でもなくなったフリージアとえっちするという背徳感により、燃えたということは否定できないけども……。


 学院寮の窓から昇ってくる朝日を見ながら転生初えっちの感慨に耽っていると、ベッドから声がしてくる。


「う、うん……」


 振り返るとフリージアが目をこすりながら、身体を起こしていた。オフトゥンが掛かっていないところからフリージアの白雪のような肌が露わになっている。


「おはようございます、ブラッドさま」

「ああ。まだ寝ておれば良いものを……」


 監禁部屋ではフリージアと何度身体を重ねたのか、はっきりと覚えていない。だがおそらく一晩中はシていたように思う。


 辛うじてフリージアの肌を隠していたオフトゥンがずり落ち、彼女のおっぱいが露わになってしまう。


「きゃっ……」


 俺の中学生か! と突っ込んでしまいそうな下半身の反応を見たフリージアは乳房をオフトゥンで覆い隠して、恥じらう。


「なにも今更隠すこともないだろうに」

「昨晩は胸が高ぶっておりましたから……」


 フリージアは恥ずかしそうにオフトゥンにくるまり、ぼそぼそ呟いていた。そんなところもかわいいのだけど……どうも気持ちが高ぶるとフリージアは無茶するようだ。


「一度スれば解放されたんですが……ブラッドさまは十回も私の中に子種をくださいました」

「なっ!?」


 それを早く言え! と思わず突っ込みたくなるが、全力で抑え込む。フリージアの抱き心地が最高に気持ち良くて、性欲を抑え切れなかったなんて、口が避けても言えない。


「貴様の身体がエロすぎるからいけないんだ!」


 言っちゃたよ……ブラッドが……。


 そんな言葉にもフリージアは謝意を告げていた。


「ブラッドさまは私を避けていたのでなく、私を想い大切に扱おうとされていたというがはっきりと分かりました、もうそれだけで私の心は満たされております」


「俺はただ貴様で性欲を処理したかっただけだ。勘違いするな」

「私はそうやって悪ぶる振りをして、他人を気遣うブラッドさまのことも大好きなのです」


 ぴたりと肌を重ねてきて、寄り添うフリージア。


 俺はなにも言えなくなってしまう。


 フリージアは潤んだ瞳でキスして欲しそうに見つめてきて、ついに目を閉じた。


 俺はフリージアの顎に人差し指で触れる。フリージアより背の高いブラッドだと顎クイなんて気障な真似が自然とできてしまっていた。


 俺たちの想いを確認しようとしたときだった……。


 早朝だというのにガチャリとドアが開いて、招かれざる客が登場してしまう。


「うわっ! ブラッド殿下にお姉さま……」

「なにが『うわっ!』だ。人の情事を覗くとは最低の人間だぞ」


「私をクソ男ジークフリートみたいに言わないでよ。お姉さまが婚約破棄されたことを恨んでブラッド殿下を殺そうとしてたらいけないと思って訪れたら、なんのことはない裸で抱き合ってたら、みんな驚くに決まってますわ」


「これは仕方なかったのだ」

「ふ~ん、お姉さまと別れたいから恋人のフリをしろ、って言ってたくせに……別れるどころかくっついてるとかどういうことなんですかね?」


「リリー、ブラッドさまは色々とご配慮されてるんです。彼を悪く言うことは私が許しません」


 フリージアは俺をまったく疑うようなことはなかったが、リリーはそんなフリージアの態度に腹を立てている。


「はあ? お姉さまは私に勝ってうれしいだけでしょ! 私を出し抜いてブラッド殿下の妃に収まり、お姉さまを愛さなかったお父さまや、いじめていた私とお母さまを罰しようとされてるんですから」


「貴様はなにを勘違いしている! フリージアは誰よりも貴様のことを想っていることを忘れるな!」

「じゃあ、私たち二人を手込めにするために婚約破棄したんでしょっ! ちょっとでもブラッド殿下のことを好きになった私が馬鹿みたい……」


「勘違いするな! 貴様と寝るとは一言も言っていない!」

「えっ……」


 リリーはこの世の終わりみたいな暗い顔をしていた。部屋を出ようと踵を返す彼女から涙がこぼれていたような……。


教誨室ラブプリズン


 リリーが俺の部屋のドアノブを握った瞬間だった。フリージアはまた唱えてしまっていた……えっちしないと出れないあの監禁部屋の魔法を。


―――――――――あとがき――――――――――

さて、次回にでもタイトル回収をしましょうかw

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