第47話 性女の逆レ○プ2

 俺がフリージアに迫らないことに業を煮やしたのか、彼女はベットの中央に座りエプロンドレスの肩紐を外す。すると肩紐に抑圧されていたのだろうか、肩紐により強調されていたふくよかな乳房が揺れた。


 乙女ゲーの女主人公の胸元は控え目に造形されていることが多い。フリージアもご多分に漏れず、そうだった。だが俺とともに栄養のある食事を取っていたからか、余裕でFカップはありそうだ。


 さらにフリージアは乳房を揺らしながら、ブラウスのボタンを外し始めた。シャツの袖から腕を抜くと純白のブラジャーが豊満な彼女の乳房をかろうじて押さえつけている。


 四つん這いで俺に迫るフリージアだったが……。


「俺は貴様と寝るつもりはない」

「ブラッドさま……」


 今にも泣いてしまうんじゃないかと思うほどに潤んだフリージアの瞳に胸が打たれそうになる。


 それでも俺はベッドから降りて、ドアへ向かった。


 俺の最推し、フリージア。


 いつも切なげな眼差しをしていた薄幸の銀髪美少女がスパダリに愛され、笑顔になってゆく姿が好きだった……。


 それは今も変わっていない。


 だが俺は今、フリージアを不幸にした張本人である。フリージアと結ばれたとしても、彼女を幸せにできるという保証がないのだ、今の俺には……。


 ドアノブを掴むんで引くが……


「なんだと!?」


 まったく動かない。日々のトレーニングと異世界チートにより、前世より遥かに力は強くなっているはずなのにドアすら開けられないとは!?


 なら……。



【ドーピング】



 俺は迷わずスキルを使用する。


 長時間使用すると心臓に負担が掛かり生命に危険を及ぼすようだが、短時間なら問題ない。


 衣服が隆起する筋肉により、ビリッ、ビリッと音を立てる。肩や上腕、太股、胸周りの特に太い筋肉の部分に裂け目ができたかと思うとつい前世の癖でポージングを取ってしまった。



 サイドチェストォォォォォーーー!!!



 上半身はすべて破けて、肌をさらけ出しており、長ズボンのほとんどが弾けて短パンのようになってしまった。俺はスキルによってだが、細マッチョから理想であったゴリマッチョへと変貌していた。



 ドーピングに加え、フルパワーでドアノブを引いた。


 だが結果はさっきと同じ。


 ドアは沈黙したままだった。


「馬鹿な!?」


 しなしなと萎んでゆく俺の筋肉……。


 まるで精力を出し切って賢者タイムに陥ってしまった男の子のようだ……。


 そんな俺の様子をジッと見守っていたフリージア。


 俺はかつてプレイしたとあるゲームのヒロインを思い出していた。


『ドギマギ文学部』


 主人公を大好きになってしまったヒロインが他のヒロインを排除し、本当の意味での主人公を監禁してしまうというものだ。


 フリージアは他のヒロインキャラを排除こそしていないが、聖女化した強力な魔法により俺を監禁してしまっている。


 諦めてベットの縁に座った俺。そこへフリージアがやってきて俺の肩に触れ、身体を密着させる。背中から伝わるフリージアの肌の体温が優しく温かい……。


「ブラッドさまのお力は山をも動かし、その勢いは世界を統べてしまうほどですが、私がブラッドさまを想う気持ちには叶いません。私にとって、ブラッドさまがいない世界など無価値です。お父さまとお継母さまだけでなく、リリーや召使いたちからも蔑まされていた私を優しく迎えてくれました。私がブラッドさまに処女はおろかすべてを捧げるのは当たり前と言えましょう!」


「俺はフリージアになにもしていない。ただ預かっただけだ。それにもう婚約破棄をした。だから俺とおまえは婚約者の間柄でもない。ただの他人同士に過ぎん」

「はい、だからなのです」


「ああん? なにがだからなのだ?」

「ブラッドさまは私とリリーを気遣い、婚約破棄されたのだと……」

「なぜ俺が貴様ら姉妹を気遣わねばならん。俺はいずれ国王となる身!」


「そうでしょうか? ブラッドさまはなにかを恐れ、私たち姉妹を災厄から遠ざけるために婚約破棄なさったとしか考えられません」


 ず、図星……。


 だけどフリージアとリリーを災厄から遠ざけるってのは間違ってる。俺が災厄から遠ざかりたいだけだ。


 テーブルの上に座り、後ろ脚を器用に使って顎を掻くミーシャ。奴が誰も入れないはずのフリージアの監禁部屋にいる。人間ではなく動物だから入れるんだろうか?


 そんなことよりも俺は試されているのだ。


「貴様は面白いことを言う。俺は好きな女を好きなときに抱きたい。貴様は俺の趣味とは違ったということだ。分かったのなら、すぐにこのつまらない部屋から俺を解放しろ」


 フリージアは首を横に振る。


「ブラッドさまが本気を出せば、私など追い出すことも……いいえ、それどころか簡単に手にかけられたはずです。ですがそうされなかった。今もそうです。本当はブラッドさまは誰よりもお優しいお心をお持ちなのですから」


 そうじゃなくて、俺はミーシャの顔色を窺ってるだけなんだが……。


 万が一フリージアを傷つけたりしたら、俺はミーシャから殺されてしまう。それこそリーベンラシアなど覚醒したミーシャにかかれば消し飛ぶのだから。ミーシャが俺を監視してる以上、俺はフリージアには逆らえない。


 フリージアはまだそのことを把握してなさそうではあるが……。


 俺の事情などお構いなしにフリージアは俺を抱き締めていた。


「私のことがお嫌いなら拒まれるはずです……」

「……」


 無言でいるとフリージアは俺を引き倒ししまう。フリージアは俺の上半身をちろちろと舐めてきていた。四つん這いになった彼女の乳房が顔に触れる。


 突き立てのお餅よりも柔らかく、伝わる体温が最高だ。欲望から思わずブラのホックに手が伸びそうになるが手を止めた。


「まあ大事なことを忘れておりました」


 フリージアは俺の欲望を察知したのか、自らの手でブラのホックを外してしまう。


 抑えようと思えば思うほど、フリージアの愛撫に俺の身体は反応してしまう。


「大きくなっていますよ」


 俺のズボンを白く長い指の手で撫でてくる。それだけで馬鹿王子と呼ばれる俺が賢者化しまいそうなくらい撫で心地は気持ちいい……。フリージアは俺のズボンと下着を剥いてしまう。


 フリージアの目の前にぽろんと姿を現したご子息。


「立派なぱおんちゃん! またお会いしましたね」


 ふふっと微笑み愛おしそうに見つめたあと、下半身の間に顔をうずめて舐め始めようとする。俺はびっくりしてしまい、フリージアを制止する。


「止めろ」

「本当に止めてよろしいのですか?」


 だがまっすぐな瞳で上目遣いに俺を見てくる。その健気さと舐めの上手さに勝てなかった俺は……。


「続けろ」

「はい!」


 許してしまった。


 フリージアは微笑み、愛撫を始めようとしている。俺は無意識の内に彼女の髪を撫でていた。


―――――――――自主規制―――――――――


 ああっ、顔にカルピスの飛沫がwww


―――――――――自主規制―――――――――


 フリージアにより生搾りされてしまう。


 まさに彼女は……舐め上手の姫君と言えた。


―――――――――あとがき――――――――――

真の聖女に目覚めたフリージアVS謎の力を秘めた前世の妹、愛(杉)。両者がぶつかればただ事では済まないはず。ヤンデレ対決を制するのはどっちだ!?


(7/17 16時)過剰な表現を下方修正致しました。申し訳ありませんが、作品継続のためご了承ください。

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