第27話 間男のアナ掘り【ざまぁ】
――――【マクシミリアン目線】
ただの地獄じゃねえか!
オレは国境の防備に無理やり当たらされていた。叔父を名乗るクソ野郎に呪いの首輪をつけられ、逆らうと耐えられねえほどの電撃が走る。
「メーガス領に侵入してくる魔物を一人で討伐しろとか、どんだけブラックなんだ」
シギャァァァァーーーー!!!
木陰から雄叫びをあげて飛び出してくる雑魚モンスターのゴブリン。雑魚らしく棍棒を振り上げて、あろうことかこのオレさまを殴ろうとしてきがる。
「こんな雑魚、オレの敵じゃねえっ!」
颯爽と剣を抜き放ち、ぶった斬って……。
「へ?」
手首に強い衝撃が走る。抜こうとした剣が鞘で引っかかり、抜けていないのだ。
ドカッ!
雑魚の棍棒がオレの脳天に直撃する。
「危なかったぜ! こんなこともあろうかとオレは通り掛かった商人から奪ったヘルムを装備してんだよ! 舐めんな、このクソ雑魚が!」
と、啖呵を切ったものの頭の中が洗濯機に入れられたようにぐるぐる回り出してくる。早くこいつを始末して、どこかで休まねえと……。
ギギギッ!
ギーッ! ギーッ!
ようやく剣を抜き放ったかと思ったら草むらから、数匹のゴブリンが現れ、飛び跳ねながらうるさく騒いでやがった。
こんなときに部下が居れば……。
「くそ! 生き残るためとはいえ、従者を盾に使ってたら簡単に逝ってしまいやがった。マジで使えねえ」
――――三十分後……。
「
「
「
気づくとオレは身ぐるみを剥がされ、下着一枚残して倒れていた。
「ふっ、オレの本気を見て畏れおののき、逃げやがったか」
くそったれ、好き放題殴りやがって!
今度、あの雑魚どもを見かけたら、サイコロステーキにしてやっぞ!
くそー、異世界に転生したらヤリ放題じゃなかったのかよ。詐欺だろ、これは。
ぜんぶ嫌んなって、ずーっと地面に伏せていたくなる。
いつの間にか、またオレは気を失っており、なにかちょんちょんと頭に柔らかい物が当たっていた。
間違いねえ!
これは美女がイケメンのオレを起こしに……。
その美女は貴族の令嬢でオレに一目惚れ。
オレはその美女とヤリまくり、婿養子にって……。
オレさまの異世界ハーレムの幕開けを予感し、目を開いた。
だが、オレの予想は外れていた。
オレの頭に触れていたのは粘液をだらだらと垂れ流す植物系モンスターのマッドプラントがおり、何本もの触手がオレの身体に触れていた。触手は逃げる間もなく、素早くオレの手首足首に巻きつく。
「お、おいっ! や、止めろ! オレにそんな趣味はねえんだ! そこは出すところで挿れるところじゃねえよ」
オレの両腕は十字架にかけられたように伸ばされ、足はM字開脚されてしまっていた。いぼいぼのついた触手がオレの内股を撫でたかと思ったら……。
「ひぐぅぅぅぅーーーーーーーーーーーっ!!!」
緑色でぬるぬるとした粘液を纏ったマジキモな触手がオレの腹ん中に入り込んで来やがったっ!
「ヤリ放題ってのはそう言うことじゃねえよ! これはヤラレ放題っつうんだよ!!!」
――――【ブラッド目線】
ゲーム内時間だと、そろそろマクシミリアンが王都に来る頃か……。
マクシミリアンは、叔父に家督を奪われたことで不遇な目に遭いながらも、実力を蓄え実直な人柄で騎士団長にまで上り詰める……。
ブラッドに婚約破棄され、悲嘆にくれるフリージアが川に飛び込もうとしたとき橋の袂で出会ったのがマクシミリアンだ。
二人は不遇な境遇同士、強く魅かれ合う。
ってのが、マクシミリアンルートの始まりで、フリージアとマクシミリアンが一緒にいると俺の死亡フラグが立ちやすく警戒を要する相手だ。恨まれないよう、いっそのこと王子権限で騎士団長職より上の役職を与えるのもありかな……。
――――数ヶ月後。
おっかしいなぁ……。
予定ではフリージアとの出会いイベントが起こってもおかしくないのに。
―――――――――あとがき――――――――――
うれしくない触手プレイでしたw
マクシミリアンこと秀人は無事王都に帰還し、フリージアと出逢えるのでしょうか? 出会わなくていいよ、と思う読者さまはフォロー、ご評価お願い致します。
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