第14話 スパダリの嫉妬【ざまぁ】
日を経るごとにフリージアは美しくなってゆく。
『フォーチュン・エンゲージ』の中で彼女はブラッドからパワハラ、モラハラを受け、辛い日々を送っていて、薄幸の少女といった感じで髪はぼさぼさ、血色も良くなかった。
曇りがちな憂いを帯びた表情だけならまだしも、「私なんか……」とネガティブ発言を連発しまくって、俺だけじゃなく数多のプレーヤーをイライラさせている。
それが一転して、今は喜々とした表情だ。
俺というかブラッドをざまぁする算段が立ち、策にはめようとしているのか? とにかく、いくらかわいい婚約者だからといって警戒心を説くわけにはいかない。
「ブラッドさまのぱおんちゃん、こんにちは!」
「はい、こんにちは! とでも言うと思ったか! この変態令嬢め」
まあフリージアは俺を罠にはめるというか、俺の寝間着のズボンを脱がして、彼女の大事なところにはめる予行演習をしているのだが……。
なるほど亀をはめるのか。
そんな馬鹿な発想しか思い浮かんでこない。
「馬鹿者っ! 貴様のしようとしていることは子作りの前の準備だ! 俺に孕ませられたいのかっ!」
フリージアはその白く美しい頬を俺のぱおんちゃんに刷り寄せ、巨大化のバフをかけようとしてきており、彼女の破廉恥な行為に俺は一喝する。
ませているとか言うレベルを逸脱していたフリージアに俺は言い放ってしまう。もうちょっと優しく諭して上げられればいいのだけど、ブラッドの身体だとこれが精いっぱいらしい……。
「私がブラッドさまに孕ませられる?」
「そうだ!」
「それは早いか、遅いか……時間の問題では?」
そ、その通りではある。
ただ、フリージアと俺の感覚とでは違う。
俺はフリージアに婚約破棄を宣言してしまって、結婚しない前提で話している。だがフリージアはどうだ? 俺から婚約破棄されるなんてまったく思っていなさそうだ。
ま、負けないもん!
フリージアの責めに俺はおっきしないよように全集中の呼吸で耐えていると……。
「なんで……なんで……。ブラッドさまのぱおんちゃんが元気にならないのは私に魅力がないからなんです……」
ぽたっ、ぽたっ、と宝石のような瞳からこぼれ落ちる滴。俺の肌に触れると滴はまだ熱を帯びていた。
「ふん、泣いたからといって、この俺が貴様を愛でるとでも思ったか! 痴れ者が!」
言葉とは裏腹に俺はベッドテーブルに備えてあったハンカチでフリージアの涙を拭く。
「やはりブラッドさまはお優しいです」
「違うわ! 俺の下半身を貴様の涙が濡らされては堪らんからな。ただそれだけだ」
「分かりました。脱げばいいんですね!」
なにがどう分かったんだろう?
フリージアは真にかわいい者だけが着ることを許される水色のゴシックロリータ風衣装を脱ぎ始める。彼女はブラウスのリボンを伏し目がちで外した。そんな姿を見れば、男の子なら、思わず息を飲んでしまうだろう。
俺もその一人だ。
フリージアは襟首から肩を抜くと白い透き通るような肌が俺の目の前で露わになる。そのまま両肩を抜いた彼女の足下にシュルシュルと布の擦れる音を立て、ゴスロリ風ワンピースが落ちた。
それだけならいい。
あろうことか彼女は純白のブラとおパンツを目の前に晒していた。ゲーム内のブラッドなら、フリージアに首輪をつけて城内はおろか、民草の住む市街へ出て晒し者にすることだろう。
「ブラッドさまに嘘偽りのない私の生まれたままの姿をお見せいたします」
「待て! フリージアっ!」
いやいや、所望してないからっ!
俺の制止も聞かず、フリージアは顔を赤らめながらもブラのホックを外してしまう。決してたわわではないがあまりの美しさに俺は額に手をやる。
「これでもブラッドさまのお心を掴むことができないなんて……」
違うから! もう鷲掴みにされてるから!
また瞳が潤んできて泣きながら、フリージアはおパンツに手をかけると、するする膝下まで下ろしていた。足を上げ、おパンツを脱いで全裸になってしまう。
マーヴェラス……。
フリージアは絵画のヴィーナスの誕生のように胸元と下半身を隠していた。
ちらりと見えたフリージアの全裸。
どこがとは言わないが、フリージアはトゥルトゥルしてる……。三十路でローティーンの下半身をガン見しただけでもう逮捕案件だろう。
ピリィィィィーーーーーーッ!
俺に鋭い視線が突き刺さった。エレクトラともミーニャとも異なる鋭いものだ。
ちらとドアの隙間から覗く蒼く澄んだ瞳はブラッドの弟で第二王子のジークフリート……。
「うっ! フッ、フリージアァァァーーッ!!!」
ばんっ!
突然フリージアはガウンを纏い、俺の部屋のドアを勢いよく開いた。開けたドアの前にはジークフリートが転んでいる。
こちらの世界での弟の顔面にはイケメンに似つかわしくない縦の痣がくっきりついていた。さっきフリージアが開けたドアにぶち当たったからだろう。
それだけじゃなく……。
あろうことか、ジークフリートはぱおんちゃんを右手で握ったままM字開脚していた。
「きっも……」
後に聖女と呼ばれるフリージアはジークフリートにまるで汚物でも見るかのような目で蔑みつつ、言い放っていた。
まさか俺にフリージアをBSSされたとかこじらせて、抜いていたのか?
―――――――――あとがき――――――――――
ガンプラのネット通販がヤバいですよ。再販通知が着ても、酷いときには1分どころか30秒も持たないんですから……。メーカーも相当努力してくれてるのは分かるのですが、再販は数が少なくて需要に間に合ってないようです。
作者は読者さまの需要に間に合うように頑張ってゆきたいと思いますので、作者頑張ってると思われた読者さまはフォロー、ご評価お願いいたします。
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