第4話 乳搾り

 お勉強とエレクトラは言ったはずなのに彼女はブラウスのボタンを外し始めて、下着を露わにするとその大きなたわわを俺の腰の上に置いていた。


「勉強ってなんだ!」

「それはもちろんリーベンラシア繁栄のためのお勉強にございます」


 な、なにをしてるんですか!?


「なにをしてるっ! 止めろ、この阿婆擦れ!」


 さっきもそうだったが、俺が口に出そうとした言葉と喋った言葉が異なっている!?


 エレクトラに向かってかけた言葉はブラッドがゲーム内で話していたような尊大な口調へと変換されてしまっていた。


 俺の寝間着のズボンを手慣れた手つきでスポンと剥く。さすがと言うべきか、【ショタ食いエレクトラ】の二つ名は伊達ではない。


 キノコを見たエレクトラは生真面目そうな顔つきから頬は赤く染まり、目は垂れ、口角からはよだれが漏れて、完全にメスへと変貌している。


「殿下、これは乳搾りといいますのでちゃんと覚えておきましょうね♡」


 はだけたブラウスからチラリと覗くブラジャーを外したエレクトラ。


 さすが乙女ゲー!


 思わず俺はエレクトラの綺麗な素肌に息を飲んだ。サブキャラクターですら美しい造形美を与えられているのだから……。


 彼女はぷるぷるとふくよかな乳房を揺らしながら、四つん這いで俺に迫ってくる。


「私が殿下にお手本をお見せいたしますのでしっかり覚えておいてください」


 違う! そうじゃない!


 赤いジャケットにグラサン、短髪パーマというボーカルの顔が浮かんだ。


 エレクトラは学識の高い下級貴族の令嬢だ。彼女は両親から厳格に育てられ、同世代の貴族令息と遊ぶことを禁じられ、ひたすら学業に精を出していた。


 恋を知らずに育ったためか、同世代の令息との付き合い方を知らず、本で学んだいけない知識がそのまま性癖となってしまったらしい。


 残念ながら俺とエレクトラとでは身分の差もあり結婚が許可されることはないだろう。しかも『フォーチュン・エンゲージ』の裏設定では彼女はブラッドの性欲処理係ということになっている。


 それでは余りにもエレクトラがかわいそうだ。


 ここはきっぱりと断り、彼女が同世代の令息と幸せな結婚を迎えられるように支援してあげねばならない!


「貴様のやろうとしていることはパイズリだ! 乳搾りではない! ホンモノの乳搾りというものを見せてやるっ!」


 俺は彼女の腕を掴もうとしたときだった。


「そ、そんな強くに揉まれたら……あんっ♡」


 違っ!


 俺は前世では断じて初対面の女性の胸を揉むような痴漢じみた真似はしたことはない。ただエレクトラの手を引き、もふもふが飼育されている家畜小屋へ行こうとしただけなんだ……。


 そう、ただ俺がパイ擦りと乳搾りの違いくらい分かると理解して欲しかった。そう思ったときには時すでに遅し。ブラッドとなった俺はエレクトラに言い放ってしまっていた。


「貴様のような破廉恥な家庭教師には俺の教育が必要なようだ! 分からせてやるから覚悟するがいい!」

「ひっ!? 殿下ぁぁ……そんないけません……な、なんて巧みな手つき♡」


 俺は欲望のままにエレクトラのたわわを吸って、揉んでしまっている……。


 終わった……。


 俺はバカだ! エレクトラの挑発に乗ってしまい、これがホンモノの乳搾りだとばかりに分からせてしまった……。


 エレクトラは事後のように後ろを向きながら、ブラジャーをつけ、ブラウスのボタンを留め、居住まいを正し終えると、こちらに向き直る。


 とても彼女を直視できずに俺は反省とばかりにベッドの上で正座していた。


 エレクトラの機嫌を損ねたことで俺は父である国王の勘気に触れ、この歳で廃嫡、追放されてしまうかもしれない。


 さすがにこの歳では無一文で王宮から放り出されたら、生き抜くのは至難の業だ……。


「殿下、申し訳ございません。このことは……」


 来た来た来たぁぁ……。


 エレクトラは周囲からお堅いと言われてしまう特徴的なモノクルをはめると俺の前に立ち、いつものキリッとした表情へ戻る。エレクトラの目は真剣そのもので、大人でも彼女に見据えられると緊張してしまうに違いない。


 なにかエレクトラから平手打ちでも食らうんじゃないかと俺は防御のため両手をクロスさせ、彼女から視線を逸らす。


「私は殿下を見くびっておりました。とんだご無礼をお許しください……。なすがままにされるのではなく主体性を持って女をよろこばす……そのお歳でもう身につけていらっしゃるとは。もう私が教えられることはただ一つにございます」


「なんだ、それは? 勿体ぶらずに言ってみろ!」


 俺が強い口調で言い放ってしまうとキリリとした表情のエレクトラは豹変した。


「はい……子作りにございます……♡」


 その変化はエロゲーよろしく目をハートマークさせるというもの。


 俺はどうすればエレクトラを俺専属の家庭教師から解任できるか、考えていた。もちろん穏便かつエレクトラが幸せになる方向で……。


―――――――――あとがき――――――――――

本当に申し訳ありません! もっと丁寧に乳搾りシーンを描きたかったんですが、がっつり書くと運営さまからお叱りを受け、方々にご迷惑がかかるのでこれくらいでご容赦ください。甘い! もっと攻めろ! ということでしたらフォロー、ご評価いただけましたら善処いたしますので、よろしくお願いいたします。

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