第2話 消えゆく

 ケンジの旅は、記憶を失った人々が集まるという「忘却の街」へと続いた。そこでは、人々が自らの過去を消し去り、新たな人生を歩み始めていた。ケンジは街の人々と交流し、消しゴムがもたらす「忘却」の意味を学び始める。


 街の中心に立つ大きな噴水のそばで、ケンジは一人の女性と出会った。


 「私たちは皆、過去から逃れてここに来たの」


 と彼女は語り始めた。彼女の目は悲しみを帯びていたが、同時に新しい始まりへの希望も見え隠れしていた。


 しかし、街には消しゴムの力を悪用しようとする者たちもいた。彼らは記憶を消すことで、罪から逃れようとしていた。その情報を掴んだケンジは街の中心で声高に訴えた


「記憶を消すことは、罪を消すことにはならない!」


 と。


 彼の言葉に、消しゴムの力を悪用しようと集まった人々は沈黙し、自分たちの行いを省み始めた。

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