俺たちの憧れたSFが、ここにあった

素晴らしい作品です。あなたは天才だ。
アンドロイド、電脳化、装甲列車、地区ごとの個性豊かな街並み、ちょっと退廃的でアングラな雰囲気。
ギッシリ詰まったSF世界を勿体無いくらいに拡大して、その断片を描く。
通勤・同僚・仕事・車窓・美味しいご飯・メールのやり取り・ちょっとずつ変わっていく日常。全てが沁み渡る。
没入感は加速して、白玉飯店の定食を美味しく頂くミナヅキの背を、歩きながら横目で見ている感覚に陥る。
モナカとケンピ、愉快でかわいい2人とのメールの文面を見ると微笑ましくなる。ミナヅキの語り口も軽快で引き込まれる。
なぜ早くこの作品に、作者に辿り着かなかったのだろう。

……長文すみません。まだまだ魅力を語りたいのですが、自分語りを入れます。許してください。

私は元々読書が苦手でした。小難しい活字が並んでいる文章に苦手意識があって、いざ読むとなるとすぐに頭が疲れてしまいます。しかしその反面、創作活動自体は好きでした。
……だから自分でも読めるような文章を描いて、カクヨムにひっそり投稿し、読み返しては頷く日々でした。
たまに他の方の作品も読みますが、なかなか合う文体で、キャラ設定で、ストーリーで、という作品は見つからず、読書習慣は身につかないまま。

しかしそんな時(2日前)、この作品と出会いました。一目で自分の好きな文章だと気付き、それぞれのキャラクターの魅力、舞台設定、台詞回し、飾らない空気感、どれもがまさしく自分の求めていたものだと感じました。
読書が苦手なのではなく、自分に合った物語を見つけ切れていなかっただけだと痛感し、そこからはもう光の速さで追い付いてしまいました。

長くなりましたが、何が言いたいのかというと……。
この作品のおかげで、自分がちょっと変わりました。ありがとうございます!という話です!