㉘牙を剥いた狼 ※性描写有り。

「…ふう……髪伸びてきたなぁ…今度美容室行こうかな…廉命さんも連れて」

「てか…私の胸ってこんなに大きかったんやな…確か下着のサイズは……Fやったかな……少なくとも舞姫さんや愛先生よりは小さいけど」

「………如月…さん……ヒック」

「…え、てか酒臭っ!え…嘘やろ…」

今の如月さんは頭の中が真っ白になってしまっている。理由は一つ…如月さんが入浴中であるのに、酔いを言い訳に俺も裸になって浴室に入ってしまったからである。ちなみに腰にはタオルを巻いているのだが、それはもうすぐ意味がなくなってしまう…。やはり体は正直だ。好きな人が裸でいると思うと、反応して妄想してしまう。その妄想の内容も、数時間前のある事で脳内が大変なことになった。

『希望さん……抗がん剤変えても効いてないって院長言ってたよね…』

『はい……でも廉命さん、自分を責めんで…』

『如月さんは……見たの?夢の中でその…夢命って人に会って……』

『あれから中々……夢の中で会わなくて…』

『……なんてことだ……』

…数時間前、俺と如月さんは希望さんの見舞い帰りで、帰る途中でコンビニの駐車場に車を止め、コンビニで買い物を終え店の外に出ようとした時に大雨が降っていたのだ。天気予報では明日から大雨と言われていたが、予想外に雨が降るのが早く、傘を部屋に置いてきてしまっていた。が、コンビニから俺の車までの距離は近いため、俺達は走って車まで移動しようとした時、丁度如月さんの隣に徐行せずに他の車が停車してきたせいで、水溜まりが派手に弾かれ、それが彼女の全身を容赦なく濡らしてきた。俺は丁度持っていたタオルで彼女の体を拭くが……

『如月さん、俺のタオル汗臭かったらごめん…』

『髪びしょびしょやし、化粧落ちちゃった……』

『大丈夫………なんか娘の全身を拭いてるみたいだ』

『まだお父さんやないで?服も絞らんと…』

『かなり水が染み込………』

『廉命さん?』

如月さんのある一点に視線が固まる。彼女の服装は白いブラウス。つまり、雨に濡れたせいで下着が透けてしまって、しかも彼女の体に張り付いているのだ。俗に言う透けブラであるのだが如月さんはそれに一切気付かず、ブラウスの裾を絞っていた。彼女の白いくびれや腹部が露出され、それが雨に濡れることで更に俺は耐えられなくなった。

『(如月さん……こんなに大きかったっけ…)』

『……とりあえずこんな感じで大丈夫かな……れ、廉命さん?顔赤いで?』

『…あ、あぁ…大丈夫。とりあえず風邪引くから早く乗りなさい』

しかも丁寧に乳肉が寄せ集まって出来た谷間や、下着のホックも分かるように見やすくなっていた…。俺は彼女をマンションまで乗せ、二人で部屋に戻った。

『雨嫌……なんで早く降るん?台風のあほっ!』

『まあまあ……とりあえず如月さんシャワー浴びてきなよ…適当に着替え置いとくからさ』

『はぁーい……化粧落ちた…最悪や』

『(まだ気付いてないんだ……よし……)』

部屋に戻っても、如月さんは下着が透けていることに一切気付かずにいた。彼女がシャワーを浴びている間に俺は、ある酒の缶を開け、それを飲んだ。正直酒には異常に弱いためあまり飲まないのだが、今の俺の性欲を考えると飲むしかない…。将来如月さんの夫になる者として、彼女がシャワーから戻るまで飲酒を控え待つべきだが、先程の如月さんは俺以外の男にも見られ、如月さんはそれにも一切気付かずにいた。だから、将来俺の妻になる者として、分からせてあげよう…と思い、一缶開け、少し口に含んだ。すぐに酔いは全身に周り、洗面所で服を脱ぎ、浴室に突入してる今に至る…。

「如月、しゃんは……無防備…だよ…ヒック」

「ちょ…何してんねんっ!廉命さんの変態!」

「変態で結構…如月さんを分からせてあげようと思ってね……ヒック」

「……へぇ…っ…?」

如月は慌てて胸と股を両手で隠していた。が、俺は力ずくで彼女のその両腕を解放した。すると、先程のFと言われるほどに成長した乳房の膨らみと、少し赤く腫れたその先端、可愛らしい下半身が丸見えになってしまった。俺はボディソープを手をつけ、ところどころにキスマークをつけながら彼女の体を洗い始めた。

「廉命さん……何…で……」

「…将来、君は俺の妻になるじゃん…無防備過ぎたから、分からせてあげようと思ってね…」

「やっ…あ…」

「如月さん……ここ、硬くなってるね」

「………っ」

「……声殺してんだ?いつもの可愛い声出しなよ」

「いや……む、胸…あ…」

「如月さんのここ、コリコリ硬いよ?如月さん意外とこういうの好きなんだ?」

ボディソープの滑りを利用し、胸の突起を弄る。それは俺が触れる前から硬くなっていて、突起の周りも膨らんでいた。摘む弄るの刺激により、胸の先端がムクムクと膨らんでは赤く腫れ、硬くなる。ついでに如月さんの乳房も揉んでみた。しかしそれは、去年と比べてだいぶ成長し、体育の授業で俺の気持ちを知らずに如月さんは胸をゆさゆと揺らしていたり、部屋で下着を着けないでいたり………本当に彼女は、何も分かっていない。俺という男と一年間一緒にいたのに、未だに無防備なのは、全然変わっていない。将来、彼女には俺との子を産んでもらいたい。俺が彼女の胸を触る度に乳房が張っているような気もし、しかも将来子に飲ませる乳も俺が育てないといけない。だから、分からせてあげないといけない…。そもそもあの約束は俺からしたはずで、如月さんが二十歳になるまで彼女の中に挿れない約束だったのに…。

「やめ…て………約束破らん…でっ!」

「……ごめん…下は触らないのと、君が二十歳になってからそういうことをする約束だったね…」

「………廉命さんの馬鹿……こんな夫…嫌や」

「ごめん……酒弱いのに飲んぢまって……君を傷付けちまって…」

「………廉命さん、寒い…湯船浸かって二人で暖まろう?」

「あ、あぁ……そういえば湯船浸かるの久しぶりだなぁ…」

「確かに…怪我が治って少し経ちますよね?」

「まあね。院長や福吉さんのお陰もあって予定より早く良くなったよ……医師って凄い」

それから俺達は湯船に浸かった。いつもより近くて暖かくて……。事故で右の前腕と左脚を骨折して以来、湯船に浸かるのは久しぶりだったのだが、俺という大型人間が一緒に湯船に入ったせいで湯が溢れてしまった。

「溢れちゃった……」

「……ごめん。如月さん…寒いよね」

「もう……はよ廉命さんも髪や体洗ってや!」

「いや…その……如月さん、洗ってくれ」

「えぇ……しゃ〜ないなぁ…廉命さん、犬みたいにぶるぶるせんでね?」

が、如月さんは俺の髪や体を洗ってくれた。あえて彼女の産まれたままの姿は見ないようにしているつもりだが、俺が怪我していて、彼女が俺の頭や体を洗ってる時に彼女が一切気付かないまま、如月さんの産まれたままの姿を堪能させてもらった。

「……如月さん…」

「………何や〜?」

「その……胸吸っていい?如月さんのミルク飲みたい」

俺の言葉を聞いた彼女は、俺の頬に平手打ちをした。やはり今夜の俺はおかしい。数時間前の如月さんの透けブラを見たせいで、ムラムラして普段飲まない酒を飲んで、彼女と風呂を済ませて…。

「……廉命さん、お疲れですか?」

「かもな……はぁ…俺の妻が…嫁が天使過ぎる」

「やめ…胸に吸いつくのも二十歳になってから!私の旦那は…こんな絶倫やないよ…」

「天使……いや、女神だ……如月さん、結婚しようね?」

「………幸せにするならね?でもまずは…私が二十歳になってからやっ!ほら胸掴むのやめっ!」

「…ウエディングドレス姿や如月さんが母親になる姿も今から楽しみだ………本当に大好き」

彼女を生身で抱き締め、二人で温まった。如月さんが先にパジャマに着替え、その後に俺も着替えた、のだが……

「あっつい………」

「……二人で風呂に入るのも悪くないね?」

「廉命さんの馬鹿……またブラ買い替えなあかんし…胸キツくなるし…」

「…………へぇ、二人とも仲良くお風呂に入ってたんだ〜?」

「「えっ」」

「夢玖ちゃんにLINEしたんだけどねぇ…既読つかなくて…来ちゃった」

「そうそう。てか夢玖ちゃん首筋に歯型とか赤いのついてるけど…まさか……」

「仁愛ちゃんに…夜海…その……」

なんと俺達の部屋に、夜海と仁愛が来ていたのだ。彼女達は風呂上がりの俺達、如月さんの首筋についた歯型やキスマークを見て察したらしい。あまりにも気まずい…が、夜海は予想外のことを言ってきた。

「……それで廉命君、どこまでやったの?」

「…は?」

「今頃夢玖ちゃんは…お胸が疼いて仕方ないですよね……こんなに大きく育ったんですし。代わりに私が触ります」

「何度も言うけど、如月さんが二十歳になってからだよ…てか二人は何か用事あって来たのか?」

「そうそう。愛先生が、今度の卒業生と語る会で私達に講演して欲しいって電話来て…それで午前中夢玖ちゃんにLINEしたら全然既読つかないし、電話しても出ないから…来ちゃった」

「ほんまか…愛先生が…」

「確か…希望さんや舞姫さんも過去に、それで生徒の前で講演してたな……良かったじゃん、皆」

「生野さん再発したとか…福吉さんから聞いたなぁ」

「私も加堂さんから聞いたよ…大丈夫かな」

如月さんとどこまでそういうことをしたのかはもちろんだが、如月さんに大切な告知をしてきた。なんと彼女達の元担任である愛が、今度行われる卒業生と語る会の講演をして欲しいと夜海や仁愛、如月さんに任せたいとのことだった。

「…あ、如月さん電話鳴ってる」

「あ……もしもし?」

<あら夢玖ちゃん?久しぶりね、夜海ちゃんと仁愛ちゃんからお話し聞いたかは分からないけど、今度の卒業生と語る会で貴方達に講演して欲しいの。いきなりの話でごめんなさい……その…>

「愛先生……分かりました。私達が講演します」

<ありがとう〜!本当なら希望君にお願いしようか悩んでたんだけど、再発しちゃって…お父さんも治療頑張ってるからね……本当にありがとう>

「いえ……」

<詳細は夜海ちゃん達に伝えるように言ってあるわ。ていうか最近廉命君とはどうなのかしら?>

「特に変わりないですよ?」

<愛先生ー、さっき夢玖ちゃんと廉命さんが二人でお風呂入って、洗いっこしたそうで〜す>

「ちょ……仁愛ちゃんっ!」

「しかも夢玖ちゃんの首筋には歯型やキスマークがありま〜す」

<何ですって……保健体育ぐらい学んだはずよ?廉命君には生徒指導が必要ね…でもそういうのはちゃんとゴムつけてからするのよ?>

「……はい…」

今夜は如月さんと色々あったが、まさか夜海と仁愛が俺達の部屋に見に来ていたとは…。だけど、俺自身に如月さんが必要なのが改めて分からされる羽目になったのだ…。先程の俺は、犬というよりは狼だったと思う…。




……To be continued


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夢命嵐の糸 おりーぶ @ygtn_hn126

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