第13話 最強魔法使いと王女との再会

 まぁそんな感じの出会いをしてその後もなんやかんやで会ってないんだよな。


 ちなみに私が帝国の歴史を塗り替えた魔力片はこのヴァイパーの魔力片である。


 あいつ確か昔軍事力が結構あった国を一夜で壊滅させたぐらいの怪物だったような...


 そんなこと今はいいか。私は目の前の奴らに再度視線を移す。


「王女の護衛ここになんのようですか?」


 私はいきなり本題を繰り出す


 こいつらもあのときの騎士共と同様私を処刑するから来たとかなんだろう。


 そんな私の予想は大きく外れることになる、


 なぜならそいつらは襲ってこなかったから。


 私は少し混乱するが依然警戒の姿勢は崩さず、相手の動きを見る...


 質問しても返答しない護衛たちは凍てつくような視線で私を警戒している、


 両者硬直状態に陥り動かない。


 そんな氷のように固まっていた状態を動かしたのは真っ赤なドレスを来た少女だった。


「何をしてますの!あなた達!」


 その少女は帝国の王女”マリア・シュナイゼル”本人だったのである。


 私はひどく驚いた。


 まさか王女その人がここの魔王領まで来るとは思わない。


 王女の言葉に二人の護衛は引き下がる、


 衝撃を覚えつつ再度私は王女に目的を聞く。


 王女が答えたのは無茶以外の何物でもなかったのだ。


「私。カルナ様についていきたいのですわ!」


 王女の要求はほんとにむちゃくちゃでとてもあの王様バカが許可するとは思えない。


 私は護衛の反応を横目で見るが顔を青ざめてひたすら黙っていた、


 多分勝手に来たな...


 王女は自由奔放な方で私が助けたときも抜け出していたらしいのだ。


 その自由奔放さ加減には1マイクログラムくらいは王様バカに同乗する。


 王女はさっきからずっと目を輝かせて私の返事を待っていた。


 護衛は何もする気はなさそうなのですべては私次第というわけである。


 ここの選択はすごく重要な気がする...深く考えるために私は王女に待ったをかけた。


 めんどくさがりの私はどうするのが一番めんどくさくないか思考する。


 その結果...


「よ〜し!王女を連れて行こ〜う!」


 考えすぎで一周回ってアホになった私は


 一番めんどくさいことになるであろう答えを選択した。


 私の答えを聞いた王女は飛び跳ねて嬉々としていたが、


 護衛の方は青ざめていた顔がもはや白くなっている。


 ・・・護衛は大変だろうな。


 可愛そうだとも思ったが私には関係ないので頑張ってもらうしかない。


 でも”お願い”はしておこうか。


「護衛の人たちすこしお願いがあります。このことは内密にしといてください」


 私はにっこりと笑ってお願いする、


 護衛たちはその笑顔に何かを感じたのかうんうんと首を縦に振った。


 そうしてキャンプの荷物を片付けた私は王女マリアと共に次の山へと移動しようとした時


 護衛の魔法使いに呼び止められる。


 その魔法使いが私にしたのは”警告”だった。


「あなたの力は強大だから自分を見失った時あなたは怪物に成り下がってしまう。気をつけてください。」


 その言葉の意味は私にはわからない。


 不気味だなと思いつつも私は気持ちを改めて移動し始めたのだった...

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