第11話 最強魔法使いの料理と地理

テントを張り終え、ハムと共に休憩していた私は料理をしていた。


岸本さんからもらった家畜魔の肉は私が冷凍魔法をかけておいたので新鮮そのまんまである。


私は火を起こした焚火に網をセットし、料理を始めた。


ここで私はこの世界の地理について振り返っておこうと思う。


これからキャンプをしていくうえでそれは重要なカギになるからである。


ってわけでまず、魔王領と人間領についてだ。


わかりやすく言うと魔王は西、人間は東に住んでいて、


若干人間領の方が大きいがそこまで気にならないレベルの差である。


そして私がいるのは人間領と魔王領のちょうど境目で若干魔王領よりの北西にいた。


帝国は人間領の真ん中に位置しており、そこから飛んできたので...まぁ約4000kmぐらいかな?


東京と大阪ってところの直線距離の10倍くらいみたいだ。


・・・行ったことはないけど。


クロムガルトの地理を振り返りつつ私は料理をしていく。


火加減を調節しつつ焼き上げていき、味付けをしたら...


「完成!」


「キュキュウ!(美味しそう!)」


ハムも満足なくらいのいい焼き色である牛肉みたいなやつはデスクホーンの肉である。


味とかはまんま牛肉らしいので名前は気にしないでいい。


とにかくいただこう。


味付けは塩コショウだけの素材の味を活かすシンプルイズベストな調理法だ。


決してそれ以外できないわけじゃない。···本当だぞ!


でも一つ疑問が浮かぶ。一応日本のハムスターも食えるには食えるみたいだが…ここは異世界である。


「ハムって…牛肉食べてもいいの?ぽっくり逝かない?」


私はかなり心配するがハムは自信満々に答えた。


「キュキュキュウ!(僕はハムスターじゃないから死なないよ!)」


そんな見た目でハムスターじゃないなんて信じられないけど事実何だよなぁ…


まだ少し心配だがここはハムを信じようか。


そんなコントみたいなことを終え、


私とハムは肉にかじりつく。


噛んだ瞬間肉汁がこれでもかと言うほど流れてくる。


デスクホーンかと思ったけどこれは上位種のドカタホーンの肉ではないか。


ドカタホーンって普通の人10人の魔法を食らっても無傷な硬い皮膚で結構強かったはず…


魔王領にいたり、ドカタホーンの肉をくれたり岸本さんの謎はまだまだ深まっていくばかりである。


悩んでばかりだと肉が不味くなると思い、


今はこの肉を堪能するしよう…


そして私とハムは焼いた肉をこれでもかというほど堪能した。


私達が食べ終わって寝る準備を整えていると、


急に横から速度に特化した炎が私めがけて飛んでくる。


瞬時に絶対防御ノンブレイクバリアを張り炎を止めた。


「へぇ...やるじゃない。伊達に王女に好かれてるだけじゃないのね。」


「まったくだな...でもそれほどの強敵ではないだろ。」


そういって舐め腐った態度で茂みから出てきたのは


前襲ってきた来た騎士共よりも強い魔力を纏っている


魔法使いと剣士。


そして二人の胸元には”帝国王女近衛団”のシンボルがつけられていた...

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