第9話 最強魔法使いとなんか和んだ魔神

私は麓の村で炎の魔神と相対していた。


魔力も私と同等の化け物であるため油断はできないがこっちにはハムもいる。


でも私はあんまり力は使いたくはないのだ。


このあとのキャンプ道具生成用魔力は残しておきたい。


…この非常時にそんなことを考えるなんて


ずいぶんと岸本さんのキャンプ好きが移ったようだ。


わんちゃん話し合いでどうにかならないかな?


そう思った私は魔神に話しかけてみる。


「すいません。ここはどうにか戦いをやめて話し合いを…」


「おれもそう思ったんだがな…魔力開放されたら戦うしかないだろ。」


あっやべ…そういえば強敵ぽかったから魔力開放してたんだったよ。


それに気づいた私は魔力を抑える。


ハムも私に合わせて魔力を開放していたみたいで


私と同様に魔力を抑えた。


…ハムってこんな魔力多かったっけ?


まぁとりあえずあの魔神との対話を試みてみよう。


「魔力は抑えたんで、ここはどうにか穏便に…」


「今更だな。覚悟しろよ…」


本当に時すでに遅しだった。


私はやるしかないか…と渋々、絶対防御ノンブレイクバリアを展開しようと構えた…その時、


「バファ〜何やってるの〜」


そうやって緊張した現場に現れたのは…


なんと少女でした。


バファと呼ばれた魔神は少女に向かって警告を促す。


「ここから離れておけ。ここはもうじき焼け野原になる。」


…こいつ、ここら一帯焼き払う気かよ!


だけど少女は足に抱きつき離れようとしない。


バファはすごく困惑してるようだ。


その状況はもう戦う雰囲気ではなかった。


「やめよう。お前に家族がいるなら殺したくはない。」


私はどこかさみしげにバファに宣告する。


バファは一瞬困惑したが最終的に私の案に賛同した


「わかった。正直お前に勝てる気はしなかったからな、助かる。」


緊迫した雰囲気から一変なんか和んでしまった。


そうして私はバファに本来の目的である現在地の確認を行う。


大体察しはつくがな…


「ここは魔王領東地区だ。人間領から一番近いこの村は魔力まで人に擬態できるカメレオヌス族の魔族たちが住んでるんだ。」


…ってなわけでここは魔王領でしかもこの中のやつは魔力でさえ人に真似れるやつが集まるむらでもあった。


しかもバファは魔王軍幹部で一番強いらしい。


少女に関しては"企業秘密"だと言われた。


色々おかしなことが多発した私は…


「まぁ現在地しれたし、いいか!」


なんかすごく頭わるい感じになっている。


てな感じでこの村でも目的も達成できたし、


そろそろ日が落ちそうである。


ということはつまり…


そう「キャンプタイムだ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る