第6話 最強魔法使いの圧倒的実力と追手の騎士たち

私は岸本さんにお世話になりすぎるのは悪いと思って、


そろそろキャンプ地から離れようとしていたのだが


そこに帝国の追手であろう神秘の波動が組み込まれた鎧をまとっているそこそこ強そうな騎士が現れた。


帝国から逃げれた私を騎士一人で打ちに来るとは考えにくいので


私は人物探知サピス·サーチで周囲にいる人間の数を探す。


この魔法は便利系魔法で"イメージしなくても発動できる"魔法である。


これは人物探知サピス·サーチの魔力文字が特殊で周囲の魔力に反応して位置を教えてくれるためであった。


私は無詠唱で相手にバレないよう使う。その結果、


出てきた騎士の後ろにも木上に隠れているやつが10人いるのがわかった。


狙いは王に恥をかかせた私以外にいるわけがない。


だが全力を出して実力差をわからせようにもここには転移者の岸本さんがいる。


父からもらった漫画とかだと転移者や転生者には特別な能力があるらしいが


この世界クロムガルドでは転生者と転移者は魔力に敏感にはなるが


ただそれだけで特別な能力があるかというとそんなわけではない。


結局は想像の才覚と自身の魔力量、”努力”なのである。


ただ極稀に能力者がやってくるらしいがそれは都市伝説レベルの噂なので信じないほうがいいわけなんだが…


いや。とにかくこのままだと岸本さんも王国に恥をかかせたやつの仲間だと思われて処刑されてしまう。


・・・もちろんそんなことはさせないけど。


私は岸本さんに無詠唱で絶対防御ノンブレイクバリアを瞬時に貼る。


普通に張っているがこれは私の無尽蔵な魔力による力技なので一般人にはマネできない。


「貴様一人で何ができる!近衛騎士団ロイヤル・ナイツと一緒だと思うなよ!」


そう言いながら一人だけ出てきた騎士は逆恨みに近い感情を動機に、剣をむけて私を襲ってきた。


こいつは私の実力を見ていないらしい。


しかも・・・こっちは一人となんだわ。


「ハム!行くよ!」私が魔力を解き放って短縮魔法文をすぐ唱える。


「キュゥゥウ!」それに呼応したように肩にのったハムスターも魔力を解き放つ。


襲ってきた逆恨み騎士だが私とハムから放出される魔力に当てられて気を失いかける。


これで気絶してくれたら楽だったのだが


まぁ一応帝国の騎士だ。思い通りにはいかない。


逆恨み騎士は自分を殴って意識をはっきりとさせる。


相当な覚悟だが意識を明確にしただけで私に勝てるかと言われたら大間違いだ。


私は魔法を発動させる。


複人捕縛バインド·メイズ!」


その瞬間突如騎士の体を縄が縛った。


その後ドサッドサッと木から9人が落ちて来て、


さっきの逆恨み騎士と同じように縄によって捕縛されている。


でも先ほど探知したのは10人だったのだが…


まぁ別にネズミ1匹ぐらい逃がしてもいいだろう。


私は岸本さんに張っていた絶対防御ノンブレイクバリアを解く。


この騎士達を見るに帝国騎士の中でもそれなりの実力者なのであるのだろうが


こんなやつらで私を処刑するなんて


あの王様バカもまだ舐めているな…


…でもこれでわかっただろう。


手加減しても縮まりはしないんだよ。


帝国お前らと私の力の差は。

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