第57話 お題【天上の枷】【足取りの途絶えた都市】【見つめ合う】

 神界にある都市。

 足取りの途絶えた都市。

 朽ち果てた建物の柱の元に、ずっと探し求めていた人がいた。

 天上の枷によって、手足の自由を奪われた君。

 零れ落ちる蜂蜜色の髪。

 その細い背には、血に濡れてぼろぼろになった白い翼。

 白磁の胸元へと刻み込まれた烙印。

 だがアクアマリンの瞳の中で、強い意志が変わらず輝き続けていた。


 見つめ合う藍玉と紫水晶の瞳。

 肌の上で絡み合う金色と闇色の髪。


 彼らを止められる者は……誰もいない……

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