生きていくために諦めた
半年間の引きこもりを経た。
会話がもともとうまくないにも関わらず、更に喋る速度が上がり、コミュニケーションができなくなっていっているのを感じ、さらに思考が歪んでいるということを感じた。
とあるコミュニティに専門学校在籍中から属していたが、そこに再び顔を出すようになり引きこもりを解消する。
短期バイトで残業しまくって金を稼ぎ、音楽制作ソフトと専門学校時代の友人に構成を考えてもらったそれなりのスペックのパソコンを購入した。
その中、音楽の初仕事も並行してこなして『フリーランスの編曲家』という肩書を手に入れた。
稼ぎは実家を出れるほどではなかったが、その仕事は細く長く6年続くことになる。
そんな中、25歳という人生の壁が目の前に現れる。
「このまま続けるか、食っていける職業につくか」
ここまで費やした年月やお金を捨てるのは惜しかった。
でもそれと同じくらいに将来の不安が脳裏にチラついている。
結局、僕は後者を選んだ。
前述したコミュニティの友人たちに教えを請い、プログラムを1から覚えた。
音楽を生業にしていた頃、友人が執筆したゲームプログラミングの本の付属資料として作成されたサンプルゲームの効果音やBGMの提供依頼のお礼として、お金とは別にその本ももらっていた。
これを軸に勉強を始めた。
毎日ほぼ休まず8時間以上プログラムを書き続けた。
半年でとりあえず遊べるくらいのゲームを累計6個ほど作った。
そして、すべての選択が重なり、僕は初めて正社員として雇用されることになる。
音楽家としてではなく、プログラマーとして。
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