MMEI-0067 パラボラゼラチナス
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■添付資料:底生生物のモンスター化 海洋調査団
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扉の中の世界でも、我々の住む世界と同様に、独自の生態系を持つ海がある。そこに住む生物の内、底生生物に着目して調査していたところ、モンスターの卵と言えるような、大きな卵型の物体を発見した。
この卵型の物体は半透明だが、内部にほとんど器官のようなものが見えず、最初は卵のようなものか、あるいは老廃物ではないかと考えられた。しかし、観察を続けていると、付近の微小な生物を食べていることがわかった。卵型の物体の表面から内部に入った生物が、消化されていくのを観察できた。
どのようにして消化しているか定かではないが、観察を続けていたところ、ある時遊泳を開始し、海底から離れた。その頃から徐々に形状が変化していき、最終的に人型に見えるようになった。人型になると、海中ではなく空中に浮遊するようになった。いくつかドローンを破壊されたので、モンスターになったと言える。
我々の管轄から離れ、追えなくなってしまったが、この生物の研究を続けたい。ああいった生態なのか、それとも何らかの原因で変化したのか、海中のモンスターの謎に迫るかもしれないからだ。
このモンスターの情報を送る。各調査団におかれては、我々への協力をしていただきたく。
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似た特徴を持つ生物を、偶然観測した覚えがあります。宙に浮いていたので間違いないかと───元木主任
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■MMEI-0067 調査結果報告書
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■2X24年09月02日 12:00 Admin
モンスター調査団から管轄が移行
■2X24年09月02日 12:12 Admin
識別番号と識別名を発行
MMEI-0067 急降下堕天使
■2X24年09月02日 12:48 Admin
資料から特異能力を確定
回転体噴出ロケッティア
人的被害レベル:重
■2X24年09月02日 12:59 Admin
モンスター調査団の調査結果を流用する。
調査フェーズを省略し、実験フェーズへ移行する。
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情報処理部 管理事務班 依田智
調査結果報告書
識別名 : 急降下堕天使
生息地 : 海上の空中全域
サイズクラス : 標準
ウェイトクラス : 標準
スピードクラス : 鈍足
ムーブメントクラス : 浮く
フェロシティレベル : 温和
フレンドレベル : 中立
フィーンドレベル : 中庸
特異能力 : 回転体噴出ロケッティア
発動
22時間中に一回のみ。
発動条件
対象が500A以上の電流を感知した時。
感知範囲
対象を中心とした半径3km程度。
効果
感知した電流に向かって時速30~70kmで直進する。発動後は、10時間程度活動を停止する。
人的被害レベル:重
特徴 :
対象は、体長140~170cm程度の標準的な人型のモンスター娘である。身体全体が白色から青色までの半透明の組織でできており、そのほとんどが水分であるが、電気抵抗が限りなくゼロである。頭部には鉢状の笠がついており、複数の触手が髪のように垂れ下がっている。四肢は髪同様に垂れ下がるのみで、手足の機能を持っていないと思われる。
生態 :
雌雄があり卵生である。卵は海の底に付着し、微生物を食べて生活する。十分に成長すると海底を離れて海中を漂い始め、特徴的な笠と頭部に変形し、そこから胴体と触手が生えてくる。この触手が生物に絡まると、胴体部分の体表を押し付けて捕食する。個体が成熟すると、胸部が膨らんできて、卵巣でいっぱいになる。海中から空中へと生活の場を替える時、その圧力の変化で産卵する。空中では何らかのガスを利用して浮遊しており、風に吹かれて移動する。付近に雷雲が発生すると、特異能力が発動し、より高空に登っていく。
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■添付資料:マンカインドジェリーフィッシュについて モンスター調査団
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海洋調査団の協力要請から調査を始めていたが、ある程度調査が進んだため、その情報を共有する。
このモンスターは海面で産卵と射精を行い、その受精卵が広がりながら、海底へと落ちていくことで広範に繁殖することができる。海洋調査団が最初に発見したものは、
形態としては、受精卵が海底までの沈殿を待つ間を
この遊泳を始めた形態をエフィラと呼び、この時から
以降は捕食行動を繰り返しながら生殖器官が成長していき、完全に成熟すると、海面から空中に出て産卵および射精する。モンスターとなるまでは、雌雄を区別できない。
成体になってから海面に上がるまでを、海洋モンスターとして扱う。海中から空中へと出た場合、人型モンスターとする。これは、形態の変化によってその特徴が大きくかわるためである。
このモンスターの雌は、雄とは違って特異な能力を持っており、特殊な生態が見られるため、モンスター娘として区別し、モンスター娘生態調査団の管轄とした。
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モンスター調査団や、モンスター生態調査団では、このモンスターをマンカインドジェリーフィッシュと呼んでいますが、モンスター娘生態調査団では、マンカインドジェリーフィッシュのメスを、パラボラゼラチナスと呼んで区別することにしました。
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■MMEI-0067 実験結果報告書
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「主任、なぜ急降下堕天使という識別名なんです?」
「その内餓死して空から降ってくるんだと。」
死んだパラボラゼラチナスは、浮遊能力を失う。同時に電気抵抗も真水と同等になってしまう。生きている間だけ、興味深い性質を持つわけである。
「うーん、超電導体のままなら大発見でしたのにね。」
現時点ですでに大発見ではあるが、もし死体にも価値があるのであれば、アメリカが秘匿しただろう。モンスター娘生態調査団には、情報共有がされなかったはずだ。
「そんなことはどうでもいいさ。はやく、なんでもいいから生きた状態で捕獲する方法を考えてくれ。」
未知の扉に入って北に進むと海がある。その海上を浮遊するのが、マンカインドジェリーフィッシュのオスである。大抵、風や波によってふらふらと当てもなく動いている。この時には繁殖を終えているので、後は餓死するだけなのだ。
一方、その海上の遥か上空では、雲の中をパラボラゼラチナスが泳いでいる。泳ぐというのは語弊があるか、浮かんでいるというのが正しい。特異能力によって、雷雲に流れる電流めがけて空へ空へ飛んでいった結果、高空で浮かぶようになるのだ。
浮かんでいるだけで、当然餌などは無く、生活できるわけがないのだが、オスに比べると餓死が極端に少なく、雷雲の中に巨大な群れを作ることがある。モンスター調査団の話では、電気を食べているという。
「地上で電流を流すしかないんじゃないですかね。」
「やはり君もそう思うか。安全をどう確保すれば良いのやら。」
パラボラゼラチナスと接触しようにも、成体となるのは海上に出てからで、その瞬間に接触しなくてはならないため、難易度が高い。そもそも、洋上に出た船舶の帰還率は0%であり、極めて危険である。
ではどうするかと言えば、陸で500Aの電流を流すくらいしか思いつけない。パラボラゼラチナスの特異能力の発動条件を利用するのだ。これなら最大でおよそ3km先から、真っすぐ飛んできてくれる。
ただし、最高時速は70kmとなるため、危険が伴う。地面に激突すると、パラボラゼラチナスだって無事ではない。これを解決しなくては、実験どころではないのである。
「湖の上で電流を流してみましょう。そうすれば、上空から湖に落ちますから、もしかしたら無事かも。」
土よりマシとはいえ、高速で水面にぶつかる衝撃は大きい。恐らくパラボラゼラチナスは耐えられないだろう。しかし、他の手を考えるよりも、まず試してみたい。
実際にどれほどの速度で、どれほどの数がやってくるのか、そしてどれくらいの衝撃で砕けるのか…。他に特異能力には、どのような性質があるのかも確認したい。
観測拠点の変電器を使う。電流を流すのは一瞬で良い。すぐに上空から無数の球体が落ちてくる。パラボラゼラチナスの群れが、電流を感知したのだ。
パラボラゼラチナスは、頭部の笠を高速で回転させている。この笠の回転こそ特異能力であり、同時に笠の裏から火を噴出する。それを推進力として、真っすぐ飛んでくるのだ。
いったいどんな推進機関を持っているのだろうか。なにを燃料にしているのだろうか。全て、解剖をしてもわからない。恐らく、存在しない。だから、特異能力なのである。
電流の流れた位置まで正確にまっすぐ飛んできて、噴出が止まる。しかし、勢い余ってパラボラゼラチナス同士でぶつかりあった。湖の中に、砕けた身が沈んでいった。
一匹だけを上手く引き寄せなければいけない。そうしないと、電流を流した位置で全部ぶつかり合ってしまう。恐ろしく正確にまっすぐ飛んでくるのだ。
「主任、ここまで正確に飛んでくるのであれば、チューブか何かでキャッチして、進路を伸ばせば勢いを落とせるのでは?」
「もう一度わかりやすくいってくれ。」
「パラボラゼラチナスの入射角に合わせて、滑り台をつくるんです。その上をしばらく滑ってもらえれば、捕獲できませんか?」
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応用実験部 反復実験班 千葉幸利
調査結果報告書
識別名 : 急降下堕天使
生息地 : 海上の空中全域
サイズクラス : 標準
ウェイトクラス : 標準
スピードクラス : 鈍足
ムーブメントクラス : 浮く
フェロシティレベル : 温和
フレンドレベル : 中立
フィーンドレベル : 中庸
特異能力 : 回転体噴出ロケッティア
発動
22時間中に一回のみ。
発動条件
対象が500A以上の電流を感知した時。
感知範囲
対象を中心とした半径3km程度。
効果
感知した電流に向かって時速30~70kmで直進する。発動後は、10時間程度活動を停止する。
人的被害レベル:重
特徴 :
MMEI-0067は、体長140~170cm程度の標準的な人型のモンスター娘である。身体全体が白色から青色までの半透明の組織でできており、そのほとんどが水分である。頭部には鉢状の笠がついており、複数の触手が髪のように垂れ下がっている。胴体の起伏が激しく、腹部や臀部の膨らみが大きいが、特に胸部が一番大きい。四肢は細長く、指のような触手が5本ずつ生えている。
生態 :
MMEI-0067は雌雄があり卵生であるが、底生生物であるポリプという形態と、浮遊生物であるエフィラという形態を持っており、海中で形態変化を行う。海中から空中へと生活の場を替える時、人型モンスター化し、同時に繁殖を行う。この時から、捕食行動や、触手の刺胞での神経毒の生成は行わなくなる。空中ではガスや風を利用して、浮遊しながら移動する。3km以内に雷が発生すると、特異能力が発動し、高高度まで飛び上がる。MMEI-0067は、空中では自分の身体に流れる電気を食べている。
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