覚醒者達
菜月 夕
第1話
『覚醒者達』
覚醒者。それが現れてからもう何年も経つ。
初めは戸惑った社会も彼らを管理し有用に行使する体制を創りつつあった。
俺は覚醒した。そして覚醒者協会は俺を覚醒した異能を適切に扱えるように訓練学校に通うことになった。
異能訓練所。異能を覚醒するのは思春期の若者に多い。
思春期の有り余るパトスが覚醒した異能を扱い切れず社会にトラブルをもたらす。
それを未然に防ぎ、適切に扱えるように訓練するのだ。
訓練所には先輩と教官達が今までのノウハウを蓄積した結果が俺の眼の前に繰り広げられていた。
「我の右眼に封印せし邪悪の根源よ。今ここに顕現してその力を示せ」
「俺の右腕が輝く時、風が呼ぶ雲が呼ぶそして大地がその力を解放するっ」
「な、なんです。この厨二病のかたまりは」
「いや、色々研究した結果。こういう自分に適した言葉で能力の発言を設定してしまうのが一番らしいんですよ。自分に課した誓約のようなものですね。誓約によって能力を制約するのです」
な、なんか嫌な訓練だ。俺は期待していた異能の世界に絶望した。
覚醒者達 菜月 夕 @kaicho_oba
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