第18話 すだち、一日で再び病院へ
C動物病院に電話をし、すだちが傷口を舐めて、縫ったあとを解こうとしたという事情を話して、急遽診てもらう約束をとりつけました。
すだち、一日ですぐに病院へ逆戻りです。
冬の、寒風吹きずさむ中、すだちが入ったキャリーケースを持って、電車に乗ったり、バスに乗ったりして病院へ向かいます。
口が悪くて有名な名物先生は、すだちの傷口を見た途端
「あーあー、お前さんやったなあ。大人しそうな顔して大したもんだ」
と、言いました。
「すぐに縫い直すから、午後16時以降迎えに来て」
「はいっ」
患畜ファースト。病院は二番目。飼い主は一番後回し。
この感覚を受け入れらる飼い主さんじゃないと、多分通えない動物病院。
それがC動物病院です。
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「解けちまった部分はしっかり縫っておいたよ」
16時過ぎに迎えにいくと、すだちの左脚は文字通り、『しっかり』と縫われていました。
前の縫い跡と比べると糸が二倍ぐらいの密度でした。
そして、新しく貸し出されたエリザベスカラーは半径が前のと比べると、
10cmぐらい長くなっていました。これで、すだちの口が傷口に届く心配もありません。
「リハビリ、頑張ってる?」
「はい……今のところ」
「慣れてくれば、だんだん楽になっていくから。今が頑張り時だぞ」
緊急手術をしてくれた、獣医さんにお礼を言い、頭を下げ思いました。
『今』が頑張り時……
気を引き締めて、またリハビリを頑張るぞ、と心に決め、C動物病院を後にしました。
すだちは、やらかした後とは思えないぐらい始終大人しく良い子ちゃんでした。
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