第13話 ドワーフの技術すげぇ!!
ヨウコは巨人との戦闘で気絶しているヤシロを背負った。
に、荷物とかあって重い...
重そうにしている私に、マルクが「荷物は持とうか?」と心配してくれた。
「助けてくれた上に荷物持たせる訳にはいかないよ」
私は申し訳ないからって遠慮するがマルクは何も言わず私達の荷物を持った。
「あ...ごめんなさい」
「気にするな、それよりお前達はこれからどうするんだ?」
「あーそうですね...ヤシロがこの状態なので一旦帰ろうかと」
そう言うとマルクは「あの方面から来たのか?」と私達がやって来た方角に指を差しそう言った。
私は「はい、そうですが?」と不思議そうに言うとマルクは気難しい表情をした。
「...そんな装備でよく生きてこれたものだな、あっちには『大蝙蝠』の群れがいたはずだが」
大蝙蝠...ああ、ヤシロが倒してくれたあれか。
「確かにそれらしいのはいたけど、群れではいなかったかな」
そう言うとマルクは不思議そうにして「他のモンスターの縄張りにでもなったのか?」と呟いた。
「とはいえ、こんな状態で戻るのは危険だ、その子の意識が戻るまで儂の家で休んだ方が良いその方が安全だ」
最初は断わろと思ったが、そんなんで要らぬ心配をさせたら申し訳ないから「お言葉に甘えさせてもらいます」と答え、マルクについて行くことにした。
「そう言えば、どんくさい『トロル』があれほど怒っていたのだが、お前ら何やったんだ?」
トロルとはあの巨人の事だろう。
「実は黄金色の小石を投げてそれがトロルに当たって...」
「それで怒っていたのか...もしかしてだがその小石とはこれの事か?」
マルクは黄金色の小石を取り出した。
「そうそれ、金だと思って持ってみたけど、金に良く似た小石でがっかりして」
「確かに金によく似ているが、これはただ小石ではなく『オリハルコン』と言う金属だ」
「オリハルコン? なんかどっかで聞いた事あるような」
「オリハルコンは金のように見た目だが金よりも強度が優れていおり軽い。加えてモンスターによる炎、毒、等の耐性がある金属だ」
な、なんか凄い金属なんだね
そうこうしていると家らしき建物が見えてきた。
よく見ると鍛冶屋とかが作業してそうな場所もあり立派な家だった。
あれがマルクの家なんだろう。
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家に入ると私は目を疑った。まず視界に入ったら剣等の武器が大量にかけられていて、その光景に私は圧巻した。
確かドワーフは鍛冶屋としての力が凄まじいとは言っていたが...
「もしかして、これ全部マルクが作ったの!?」
マルクは「ああそうだが?」と不思議そうにした。
「す、すごい! めちゃくちゃすごい! ねぇ武器を作っているところみたい!」
めちゃくちゃ図々しい事を言っているが興奮のあまり我慢できなかった。
「うーん...作業しているところは危ないから見せる事はできないが、作る事はできるぞ」
「ほ、本当ですか!?」
「なんだったら出来上がったやつはお前にくれてやるよ」
「ま、まじで!?」
私は嬉しさで興奮した。
するとマルク「直ぐに作ってやるから待ってろ」と言い作業場の方へ向かった。
ロングソードが折れたからこの後どうしようかと思ったけど、あのたてかけられいる武器達を見た感じ...きっとスゴイやつができるッ!
私は期待が膨らみワクワクが止まらなかった。
そうこうしていると背中辺りで、もぞもぞとしだし振り向くとヤシロは意識を取り戻していた。
「あ、気がついた? ヤシロ」
そう訪ねるとヤシロは親指をグッと立て万全であると主張し、大丈夫だろうと安心した私はヤシロをおろした。
おりたヤシロは辺りをキョロキョロとして不思議そうにしていた。
私はこれまでの経緯とドワーフのマルクとの出会いを説明した。
するとヤシロは手で銃の形に見立て、アサルトライフルはどうなったのかと尋ねた。
「確か...壁に激突した拍子で粉砕したような?」
そう言うとヤシロはその場に崩れ落ち四つん這いで落ち込んだ。
この先の探索と帰りが困難である事実で落ち込んでいるのだろう。
「だ、大丈夫だよ! 今マルクが武器を作ってくれてるし...ほら見てよあのすごい武器達っ! どんなモンスターが現れても楽勝だよ!」
ヤシロは疑いの眼差しを向けた。
「な、なんだよその顔はッ! マルクが作った武器は凄いんだぞ! 」
ヤシロはマルクが作った武器達を見て『ニコッ』と微笑み、私の方を見て「...はぁ~」とくそでかいため息をついた。
「おい! もしかしてだけど私が頼りないって言いたいのか!!」
そう言うとヤシロは鼻で笑った。
「野郎ぶっ殺してやるぅ!」
そうこうしていると「騒がしいが何やってるんだ?」とマルクが戻ってきた。
「もう終わったの!? 早くない!?」
「直ぐに終わると言っただろ...というよりツレは意識が戻ったようだな」
「あ、そうだった そうだった...ヤシロ、この人がマルクだよ」
ヤシロは側にかけより会釈した。
「そいつから聞いてるお前がヤシロだな、体の調子は大丈夫なのか?」
マルクはそう気にかけるとヤシロはダブルピースし、マルクは「そうか、良かったな」と安堵していた。
マルクは完成したと言っていたがそれらしき物は見当たらなかった。
あるとすれば小さな木箱を両手に持っているぐらいだった。
「ねぇねぇ武器って何処にあるの? もしかして作業場にあるの?」
そう訪ねるとマルクは「ん、ああそうだったな」と持っていた木箱を私に渡した。
一瞬何がなんだかわからなかった。
えっ? これ? 木箱が? 武器? と頭によぎり困惑した。
困惑している私を見てマルクは「こうやって開けるだぞ」と親切心で木箱を開けてくれた。違うッそうじゃない!
木箱の中には黄金色に輝く包丁のような物が入っていた。 出刃と言うよりかは果物ナイフのようなものだった。
色々とツッコミどころがあるがまず、この黄金色の包丁がどこか見に覚えがあった。
「ん?なんかこの色、どこかで見に覚えが...」
「そりゃあそうだろ、それはお前達が見つけたあれで作ったやつだからな」
「あーどうりで見に覚えがあったんだ...というよりなんか黄金色に輝く包丁ってすごく派手派手だね」
「見た目もだが、凄いのは性能だな! アダマンタイトよりは強度とかは落ちるが岩どころかダイヤモンドも切れるッ!だがそこで問題なのはその特殊な金属をどう加工するかと言うと、まず火にこだわって___」
マルクは自分が作った包丁を熱く語った。
なんだろう...こんな感じの体験、最近あったような
[いいか?この服は一見普通に見えるが『ミスリル』って言う非常に軽く__]
あ、ユウキだ。マルクはユウキと同じタイプだ。
マルクの話しは長かった。
「___まぁなんにせよ、オリハルコンがすごいと言うだけだがなッ!」
マルクは「ガハハ!」と大笑いした。
私は「やっと終わったね」とヤシロに小声で話そうとしたが、ヤシロは包丁に釘付けになっていた。
「ど、どうしたのヤシロ? そんなにそれが気になるの?」
そう訪ねるとヤシロは何やら慌てた様子で包丁に指差していた。
「もしかして...この金属ヤバいの?」
ヤシロは激しく頷き携帯を取り出した。
調べ物をしようとしているつもりなのだが、ここには電波が通ってなく気難しい表情をした。
こんなに慌てているヤシロは久しぶりに見た。
するとヤシロは携帯で何か打ちはじめた。
(ヤシロは何かを伝えようとしているみたいだが...口頭で伝え無いのか?)
ヤシロは打ち終わると携帯を私に見せた。
そこには金額が書かれていてオリハルコンのg単価なのだろう。
私は目を見開いて驚愕した。
「たっか!? そんなにするの?」
そう言うとヤシロは頷いた。
そして私はあることが頭に過った。
そんな物が転がっているなら、まだなんかあるじゃね?と
「ね、ねぇマルクちょっと聞いて良い?」
「ん?なんだ?」
「このオリハルコンって言うのその...まだあるの?」
そう訪ねるとマルクは「そうだな...」腕を組み悩んだ。
「まだあるかどうかはわからないな...何せ儂も採掘しては作っての繰り返しだからな...まぁまだ出てくるんじゃない?」
私とヤシロは目を輝かせた...まじかよ...私達更に大金持ちになるじゃん!!
しかし、そんな時 私達は障壁がある事に気がついた。
この炭鉱はおそらくマルクの物であり、勝手に私達が採掘したり経営しても良いのだろうかと...
そして私とヤシロは目配せして決意した。
この炭鉱を手に入れるには...『マルクを買収しなければならないと』
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