第5話 えっ...これ違法なんですか?
世界樹の葉が大量に収穫できた事とユウキとユメの討伐画が良かったため、ミユは忙しいで編集して投稿して貰うためにヤシロのとこに行っている。
その間、ユメとユウキと共に入り口付近を見回っていた。
「世界樹の葉も大概だが、よく見るとここら辺、薬草がめちゃくちゃ生えてるな」
ユウキ曰くダンジョン企業をするならこういった地道な作業も大事との事であり、どんな植物が生えているのかで生息しているモンスターを特定し今後に生かしていくらしい。
「見たこと無い植物もあるな...よし、今回はこのぐらいにするか」
ユウキは帰宅の準備に取り掛かり、ユメと私も戻る準備を始めた。
ふと私は空を見上げ木々の隙間から差し込む光に目を眩ました。
「眩しッ! 何でこんなに眩しいの! ダンジョンって『地下』なんだよね?」
『ダンジョンは地下迷宮である』とどこかで耳にしていたため、そう呟いた。
それを聞いてユウキは「まぁその解釈はあながち間違っては無いからな」と返した。
「どう言う事?」
「『ヒカリゴケ』の一種が天井に生えていて照らしているとか、太陽のような惑星があるとか言われてるからな、だから地下迷宮じゃなくて『迷宮』って事になってる」
一緒に話を聞いてユメが「まだそう言うのわかって無いんだね」と私も思っていた事をそのまま口にした。
「ダンジョンは未だに謎が多いからな、解き明かされていない謎を解明するのが冒険者の醍醐味」
ユウキは「これだからダンジョン潜りが止められないんだ」とニヤニヤしだした。
これがユウキの本性なのだと何となく理解した。
「えへへユウキちゃんが楽しそうで僕も楽しくなって来たよ」
ユメがニコニコしながらそう言うとユウキは顔を赤くなり「ジロジロ見るな」と怒りだし、ユメは「ひぇ~」と怯えた。しかし2人の雰囲気はどこか楽しそうにしていて私は微笑ましく感じた。
みんなの為にもこの企業はなんとしてでも成功させなければならない、肩書きだけど私はこの㈲Y5の社長なんだから!
「あ、そう言えば...まだこのダンジョン、国に申請とかしてないけど、何処でしたらの良いのかな? やっぱり市役所とか?」
そう言った瞬間何故か2人は立ち止まり先ほどまでじゃれていのが嘘のように静まりかえった。
2人はゆっくりと振り返り、その表情は青ざめていた。
ユウキは眉間にシワを寄せ不機嫌になりらユメは今にも泣きそうな顔をしていた。
あ、あれ? 私なんか変な事言ったかな?
「お、お前登録してないのかよ!?」
「あー...うん、まだだけど...もしかしてヤバい感じ?」
「当たり前だろ! ダンジョンの発生は事件案件だぞ! 目撃したら速、警察に連絡して申請書を貰って市役所に提出ッ! それをしないのは犯罪だぞ!」
「えぇぇぇ!?」
それを聞いて私は愕然とした。
は、犯罪!? つまり私は...いや、私だけじゃない、一緒につるんでるみんなも犯罪者扱いに!?
「ま、まだ間に合うかな? 間に合うよね!?」
「ま、まぁ今すぐにでも、れん...らく...ッ!?」
すると突然ユウキは走りだした。
私とユメは何が何だかわからず仕舞いのままユウキを追った。
「な、何!? やっぱりめちゃくちゃヤバいの!?」
「ああ! かなり不味い事になる、あいつらを止めない事にはな!」
私達はダンジョンから抜け出すと直ぐにミユとヤシロのもとへ行った。
慌てて帰って来た私達を見て「どしたの?」と不思議そうに尋ねた。
「おい、配信はするな! このダンジョンまだ登録してないらしいじゃねーか!」
ユウキは血相を変えてそう言った。
申請を出す前に配信なんかしてしまえば手遅れになるため配信を止めようとした。
「うん、知ってるよ?」
思いもよらない返事に私とユメは困惑した。
一方ユウキも困惑はしながらも「やっぱりか」と呟いた。
「蘇生屋を妙に拒んでいる辺りから怪しいと思っていたが...お前、端からそのつもりだったのか」
「登録なんかしたらしたら税金とかで搾取されるんだから、儲からないじゃんw」
「必要不可欠だからこの制度があるからな! 冒険者が死んで蘇生の依頼をした時の為であっt」
「大丈夫大丈夫、死んだとしても私らには蘇生する手段があるわけなんだしw」
ミユは世界樹の葉を見せびらかしながらヘラヘラと笑った。
へらへらとしているミユの態度にユウキは怒りがこみ上がって行き怒鳴ろうとしたら「まw既に投稿しているからwもう遅いけどw」と言った。
頭が真っ白になった...ミユは何て言ったの? 投稿した? この短時間で?
「お、おい...冗談にしては笑えないぞ...」
「う、嘘だよねミユちゃん? 嘘だと言ってよ!?」
するとミユは「やっさ~ん」と手を叩くとヤシロはパソコン画面を私達に見せた。
画面には私が訪ねようとしていたサイトが載っていて『ヤミチューブ』とかかれていた。
あの時の私はどうして気づかなかったのだろうかと思うぐらいに、そのサイトは怪しく、どう見ても『ダークウェブ』である。
ヤシロはマイページとかかれていた所にカーソルを合わせクリックすると㈲Y5のチャンネルと紹介文...そして今日撮影した動画が投稿されていた。
[【初配信!】私達の冒険はこれからだぜ!]
サムネにはモザイクだが頭を貫かれた私が映っていた。
ユメは発狂し気絶した。
「何やってんだ、お前ッ!!」
「ぎにゃああああ! まじで投稿してるよ、こいつ!!」
ヤシロは親指をグッと立てドヤ顔した。
「グッ じゃねーよ! 投稿したせいでもう手遅れになったじゃん! これで私達犯罪者組織になったじゃん!」
「よっちゃん、バレなきゃいいし他人に危害を加えようとしてないから犯罪じゃないよw?」
「え!? そうなの?」
「んな訳ねぇだろ!」
あまりにも自信のあるミユの態度と言葉で惑わされそうになった私にユウキはビンタした。
「ワーハッハッハ~! どちらにせよ私らは後戻り出来ないのだ!」
大笑いするミユとダブルピースをするヤシロを見て私とユウキは愕然とした。
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マンイーターのせいで血まみれになった私は本日2度目のシャワーを浴びて緑色のジャージに着替え、丁度お昼時と言うのもありユウキとユメと私は近くのファミレスで昼食にする事にした。
「ごめん2人とも、私のせいでこんな事になって」
申し訳ない気持ちで私は縮こまりながら謝罪をした。
「謝っても仕方ないだろ、気づかなかった私も悪いし」
「だ、大丈夫だよヨウコちゃん...前の職場もお先真っ暗だったから大して変わんないよ」
そう言いながらユメは薬局とかで貰う薬袋を取りだし中に入ってた錠剤を2、3粒を口に入れた。
「そんなの見たら更に申し訳ないよ!」
「違法の所を目を潰れば前職よりましだから、うん...それにあいつらの事だから何か考えでもあるんだろ...多分うん、きっと...そうに違いない」
「現実逃避してるじゃん! 自分に言い聞かせて安心を得ようとしてるじゃん!」
するとユウキは「そうでもしないとやっていけないだろうがッ!」と大パンし私は「ごめんなさい!」と即座に土下座した。
「というより私としてはお前が大丈夫なのかよって話だが?」
「え? ああ...もう後の祭りだから諦めてるよ」
ヨウコは空を見上げ、どこか遠い目をした。
(あ、これあんまし わかってないな)
「...私が言いたいのは、あのダンジョンの地主はお前だろ?」
「うん」
「しかも肩書きだが社長な訳で責任者である」
「...うん」
「警察沙汰になって捕まった時、一番罪が重いのはお前で最悪『死刑』だぞ?」
ヨウコは白目を向いた。
「き、気絶してる...」
ああ...どうやら私の人生はニートになった時点で終了していた。
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