第八話 ラッキースケベと訪問者は突然に…

 ビジネさんに商品を卸すため、生活の場をサランサの街に移し、世の中の寂しい夜を過ごしている淑女の為、俺は日々チ■■の形をしたバイブを生成しまくっていた。

 正直、夢の中まで■■コが出てくるぐらいだ…


 そんなバイブを作り続けて病みかけていた頃、色んな噂を聞くようになった。


 その噂というのは、各国合同で魔王や魔物の掃討作戦が近々起ころうとしているとの事なのだ。

 なんとも物騒な話だが、俺には関係ない話だ…。とも言えないか…魔王とは面識がないわけではないし、モルモルカは一方的な宣言だとは言え、夫になった身だ…気にならないと言えば嘘になる。

 そんな事を考えていると、家のベルが鳴った。

 頼んでおいたウージャーイーツかな?

 と思い玄関の扉を開けると、そこにはちんまりした身体に、全身ローブを被った怪しげな少女が立っていた。

 明らかにお昼ご飯を届けに来たウージャーの配達員ではない…むしろこの匂いは嗅いだことがある…。


「やっと見つけたのニャ!」


 これはヤバイ展開だと思い、俺はドアを閉めようとしたが、見知らぬ少女に阻止された。


「なんで締めるニャ!最愛の妻が訪ねてきたというのに!!」


 そう、この子はモルモルカだ!


 俺は周りの目もあるので、仕方なくモルモルカを部屋に入れた。


 リビングのテーブルに腰掛けているモルモルカは心なしか元気がなさそうだったのと、体中に傷を負っていた。


 先日の噂のこともあり、今モルモルカが置かれている状況を流石の俺でも理解した。


「その怪我まさか…」


「そうニャ!モルモルカは魔王城のトイレから居なくなったテツを探して下水を探したり、下に流れてる川を探したりして、ようやく見つけたテツの匂いを追ってこの街に来たニャ!そして美味しそうな匂いを見つけて食べようとしたら、年老いた人間に棒でこっぴどく叩かれたのニャ!あの年老いた人間すごく強かったのニャ…」


 なんか想像していたのとは違うようで若干安堵した。


「ウージャーイーツでーす!」


 タイミング良く昼が届いたが、モルモルカに全て食べられてしまった。


「色々と噂は聞いているけど、魔王様とかは大丈夫なのか?」


「魔王様は不死身だから大丈夫なのニャ!でも最近の人間たちはみんな強いのニャ!特に人間のメス達は今迄にないほどのマナの高まりを感じるのニャ!」


 マナの高まりね…なんか嫌な予感というか、ビジネさんが前に言っていた事が頭に過る…。


「お腹いっぱいになったし、早く魔王城に戻ろうなのニャ」


「俺は魔王城には戻れない」


「なんでニャ!モルモルカとテツは番なのニャ!一緒に子孫を作るためにも魔王城に戻らないとなのニャ!」


 子孫を作るってつまりはそういう事ですよね!確かに夫婦になるってことはそういう事ですけど、こんなロリっ子ケモミミとそんな行為をして捕まったりしません?大丈夫なんでしょうか?


「テツはモルモルカと■■するのは嫌なのかニャ?」


 うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!嫌じゃないですぅ!

 初めてがロリっ子ケモミミってのが若干引っ掛かるが、そんなことどうでもいいってぐらいにウェルカムです!!


 だがしかし…


「どうしたのニャ?」


「モルモルカ…君はまだ幼い。だからそういうのはまだ早いと思うんだ」


「モルモルカはもう45歳ニャ」


 まさかの年上でした!それも45歳って熟女の領域!


「モルモルカと沢山■■して、子孫沢山作ろうなのニャ」


 誘惑がすごい!心なしか変なフェロモンも出てる!このままでは俺は…俺は…


 そんな葛藤をしている時、再び家のベルが鳴った。そして同時に家の扉が壊された。


「暫定勇者様ぁぁぁぁぁ!!!」


 まさかのこの異世界に召喚された時にいたパンゲア王国の説明お姉さんが家に入ってきた。


「この人間のメスは誰ニャ!」


「お、お前は魔王軍四天王の一人、モルモルカ!!」


 最悪な状況が今起こった。


 俺は窓から逃げようとしたが、窓の外にもパンゲアの女騎士達がスタンバイしていた。

 完全に包囲されているようだった…。


 やっと平穏な成り上がりライフが始まろうとした時にこの展開とは…この先どうなってしまうのだろうか…。

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