第四話 魔物だってオナネタにしてしまえば怖くない!
馬子にも衣装とは言ったものだが、急ごしらえの甲冑を着せられても現世でただのサラリーマン(デスクワーク)だった俺には扱えるわけもなく。剣とかこんな重いものなのね。扱える気がしない。
とりあえず鎧は外して、最低限の盾とナイフを装備し、王都の外で今にも攻めてこようとしている魔物の群れの中に放り出された。
どう考えても負け戦しかイメージできん。そう思っていたが…
「人間のオスが最前線に出てくるなんて珍しいのニャ」
ネコミミモフモフワ―タイガーだとぉぉぉ!!しかもなんかちっこいお子様サイズ!
ぬぬぬぅー!これは妄想が捗りますなー!
ちなみに俺は、ケモナーではないが、イケる口ではある。ドラゴンカーセ〇クスとかは少々対象外ではあるが。
「ふーむ、君がこの魔物の群れを率いている子かね」
「そうだニャ!私は魔王様に獣爪魔軍を任された白虎将軍こと四天王“モルモルカ”様だニャ!」
うん、凄そうな肩書に可愛いお名前にホッコリ。
「この国の奴らは私を舐めているのニャ!お前の肉体をズタズタに切り裂いて見せしめにしてやるのニャ!」
可愛い顔して言っている事はヤバい!
見た目の可愛さに惑わされて、今自分が置かれている最悪の状況を忘れかけていた…。
この状況をどうにかするにはさっき玉座の間で起こしたようなスキルの効果を発動させねば。
しかし、どうすればスキルを発動できるのだろうか。メルディーナさんに試そうとした時は発動しなかったし…。
そうこう考えているうちに、モルモルカが襲い掛かってきた。
俺はとっさにモルモルカの繰り出した右前足?の攻撃を避けた。
「っつ!」
俺の左頬が熱い…手を左頬にやると、血がついていた。
このままでは殺されてしまう!本格的に童貞のまま2度目の死を迎えてしまう!3度目のチャンスがあるとは思えないし、今何とかしないと俺は!俺は!!
「モルモルカの攻撃を避けた事は褒めてやるのニャ!」
モルモルカがそういうと、地面に両手足をついて、尻を後ろに突き出してシャーのポーズをしだした。
これは…これは…すごくエッチポーズだ!!
猫なのにドギースタイルな感じのエッチさ!
俺は死を前にしてそのポーズのモルモルカに興奮してしまっていた。
俺の息子はみるみると固くなり、頭の中を妄想が駆け巡った。
あのモフモフお尻に顔をうずめたい!しっぽの付け根に顔をうずめたい!!
モルモルカは低い体勢から再び俺目掛けて遅い掛かってきたが、足元の小石につまずいて転げてしまった。
転げた拍子にモルモルカはマン○リ返し状態のまま、俺の目の前に倒れた。俺も何故か足を滑らせ、顔をモルモルカのしっぽの付け根に吸い込まれるように導かれた。
俺はこのチャンスを逃さぬように、全力で深呼吸した。これでもかってぐらいに深呼吸した!当然、獣臭かったが、クラスのマドンナからするような朝シャン?のシャンプーの残り香のような甘い香がした。
「ななななな何をしているのニャーーー!!」
モルモルカは顔を赤らめながら俺を突き飛ばし、俺から離れた。
「ハァハァ!きききき貴様今モルモルカのオマタの匂いを嗅いだニャ!」
「はい、独特な匂いの中に、フローラルな爽やかさを感じる良い匂いでした」
「なななななんてことニャ!人間のオスにオマタの匂いを嗅がれてしまうニャんて!」
「さあ、もっとその君のスメーールを嗅がせておくれ!」
「え!モルモルカのオマタの匂いをまた嗅ぎたいのかニャ?」
「もちろんさ!」
モルモルカはなんだかモジモジしだした。
「それってつまりモルモルカのこと…」
「さあ、早くその香を嗅がせておくれ」
「わかったニャ。お前は今日からモルモルカの夫だニャ!」
ん?夫?
「ワ―タイガーの古くからの習わしニャ。オマタの匂いを嗅いだメスをオスは番の片割れとするって」
俺がこのネコミミモフモフ少女?の夫?
「となれば早速お前を魔王様に紹介しに行くのニャ!」
「え!え!魔王に紹介?え!どういうこと?」
「結婚相手を群れの長に紹介するのは当然のことニャ!」
まずい!これは非常にまずい!更にまずい状況になってきているぞ!
なんて右往左往している俺の気持ちを無視し、モルモルカは俺を抱えて王都から離れていった。
「国王様!暫定勇者様が魔物の群れに連れ去られてしまわれました!」
「まあ、あの状況じゃあ仕方なかろう…」
またしても俺はどうなってしまうのだろうか…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます