第9話
「これください」
紺色のお守りを二つ、受け付けの巫女に差し出す。蒼空の分と自分用だ。何となく、自分でも持ちたいと思ったのだ。
「別々にお包みしますか?」
応対してくれている巫女が気を利かせてくれたらしい。
「あ、はい。お願いします」
二つのお守りを受け取り、蒼空のもとに戻る。とはいえ、彼はお守り売り場の近くまで来て待っていた。
「ごめん、お待たせ」
「いえ。大丈夫です」
「はい、これ」
「え、これ何ですか?」
蒼空は手渡された袋を見て目を瞬かせた。
「お守りだよ。君を守ってもらえるように。俺も同じの買っちゃったけどね」
三笠の言葉に、蒼空は少し頬を染めた。
「俺なんかのために、こんな・・・・・・」
「そんなこと言わないで。深い意味があるわけじゃないからさ。出会った記念に、受け取ってくれるかな」
三笠が優しく微笑むと、蒼空はまた目を瞬かせ頭を深く下げる。
「あ、ありがとうございます」
頭を上げた蒼空は、早速自分の持っていたトートバッグにお守りを付けた。
「嬉しいな。俺も仕事用のバッグに付けるよ」
そう言うと、蒼空は頷いた。彼もどこか嬉しそうだ。
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