第1話『遥か彼方の銀河で』

【注意】誤解忌避のため、最初に断っておきますが、加賀倉は、『優生思想』の崇拝者ではありません。IQ120の人が社会を作る、などというのは、あくまで俗的な考えであり、明確な根拠はありません。今作で強調したいのは、仮に、そういった前提(IQ120最適知能指数説、とでも言いましょうか、が採用される空想世界)で、構成要員皆がIQ120以上の巨大集団が現れてしまったら、世の中はどうなってしまうのか、IQが低い、とされる人々は彼らに支配されてしまうのか、という、根も葉もないお話です。その点をご留意の上、お楽しみくださいませ。



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 ここは、地球の属する太陽系のある天の川銀河から、遠く離れた場所……


 トアール銀河。


 そこに、熱円ねつえん系という、恒星系があった。


 核融合により赤々と燃える熱円ねつえんと呼ばれる恒星が中心となって、太陽のような役割を果たし、数々の惑星を従える。


 熱円系の、内側から数えて三番目の位置に、ルリーロという、水と緑の豊かな岩石惑星があった。


 ルリーロの生物ピラミッドの頂点では、バルバル星人というヒューマノイド型種族が胡座をかいている。


 ルリーロには、十二の国がある。


 アこく、イ国、ウ国、エ国、オ国、カ国、キ国、ク国、ケ国、コ国、サ国、シ国。


 全ての国の力は、絶妙なバランスで拮抗していた。


 のだが……


 『ア国』と、その隣国、『イ国』の間では、対立が日に日に深まっていた。


 また、ア国は鎖国状態につき、ア国の一般人は、イ国含む、他国の情報にアクセスできない。


 そして、ア国が、ある時から、不可解な政策を採り始めた。


〈第2話『第一段階:人口倍増化計画①』〉へ続く。



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