人としていかがなものか…

 私の同級生Iさんは、昼間に移ってきた当初は6時間程度の勤務で、前の旦那さんと協力し合っているように見えていました。しかしいつの間にフルタイムに切り替え、レジ係のシフト作成を担当するようになっていました。シフト作成を教えていたのは、今の旦那でした。


 これを機に不倫へと走っていく。Iさんは自分が産んで育てていたはずの子供をほったらかして、今の旦那とくっつくわけです。それが原因の離婚説は度々噂になっていましたが、離婚が本当だったというのを私が知ったのは、彼女がチーフに就任してからだいぶたってからでした。もちろん、男側も離婚してますね。


(育児放棄した奴なんかの言うことなんて聞いてられるかっっ!)


何回思ったか。仕事はできるとしても、人としていかがなものか? そう思っていました。もう何年も、息苦しい思いと隣り合わせで仕事してきました。


 私以外にも、レジで打ち間違いをしてしまった際の注意をIさんから何度も受けていた方・Aさんがいました。他の人は全くなのに、というのが垣間見えてました。話を聞いた限りですが、Aさんは私の時よりもきつい言葉を投げられていたというね……。


「何でレジの仕事をやろうと思った?」


そういうニュアンスの言葉を言われたそうです。私はAさんが事務所に呼び出され、あの2人から色々言われていたのを見たことがあります。その時の言葉ですね。その後、Aさんはかなり憔悴していました。その様子を見て、腹の底から怒りが湧き出てきましたね。


 そして、ターゲットにされていた人がまだいます。私より年下のBさん。レジとサービスカウンター業務の兼ね合いになってから、Iさんとの関わりにくさを感じていたように見えます。Bさんは社会保険に入ってフルタイムで働きたいという願望はかなりあったのですが、その願望をないがしろにしたのが、Iさんだったとされています。ここでは長い時間働けないというのがネックだったのか、おいおいBさんは退職されました。


「Iさんのことが苦手で……」


ある日、Iさんから色々言われているのを見て心配した私が、仕事が終わってからBさんに声をかけ、打ち明けてくれた本音です。


 後輩を気にかけた私のこの言動が、話を聞いた友達が『優しい先輩だ』と高評価してくれました。この友達に、去年私が薬局コーナーにて独り立ちできたことを報告したら、『〇〇ちゃんは努力家だ』という、嬉しい言葉を贈ってくれました。


 話を戻しますが私は今、資格者として薬局コーナーで働いていますが、この道を選んだ理由としてIさんとの関わりを限りなく無くしたいというのが大きかったです。でも、業務研修中として実務経験を積んでいる間は、レジとの掛け持ちでした。どう頑張っても関わりは無くせず、どこまでも地獄でした。


 22年の秋に別店舗の店長になるため、一足先に旦那が今の職場を去りました。その後に籍を入れました。周囲がおめでたいムードの中、私はちっともおめでたいとは思っていませんでしたよ。お互いの家族にも迷惑をかけ、散々人を傷つけた男女が、夫婦になるとか。この夫婦をよく思っていなかった、薬局コーナー担当で私を薬局の仕事へ誘ってくれたパート・Cさんがこんなことを言っていたのを覚えています。


「あいつ(=Iさん)がチーフになったのって、男(=旦那)に気に入られただけでしょ」


つまり、何も苦労しないでチーフになったのではないか、ということですよね。納得ですよね。


 ちらっとですが、Iさんの高校時代の話も聞きましたね。決まった人に対し、いじめを繰り返していたとかという。


 Cさんは更に、Iさんの今の旦那の過去の悪態も教えてくれたことがあります。それは、かつて職場で働いていた人妻のパートさんに対し手を出して妊娠させたとか。その方がCさんの元へ妊娠検査薬を買いに行った際に発覚した出来事です。あの男がいなくなって……暫くして、Cさんはご病気で退職されてしまいました。Cさんもあの夫婦から不愉快なことをよく言われていたのも聞いています。


 執拗な注意にきつい言葉でぶつかってきたり――と、被害者はこの他にもいますが……Aさんも退職されていますから、私以外のほとんどの被害者は転職を主に何かしらの理由で退職されている、という現実に私は気づいています。あの夫婦が直接的な原因にならなくとも。


 私個人としてはよろしくないなって何年も思っていたのが、私や学生バイトの子に対しては分かるけど、自分より年上……ひと回り年上の従業員に対してタメ口で話すこと。私は1歳上の方に対してもきちんと敬語使ってますよ。ずっと。


 職場でハラスメント研修を定期的にやっているのに、ここまで書いてみるとハラスメント研修ってだよねと思ってしまう。


 何も言い返せなさそうな人を選び、弱い者いじめを繰り返す――人の心の痛みが分からない。本当に人としていかがなものか…。

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