第27話 地元
「アスパラとっても美味しい!」
おすすめと言われたアスパラの串揚げがあまりにも美味しくて声に出てしまった。
「いつも美味しそうに食べるよね」
「本当に美味しいから。お料理もお酒も美味しい。わたしもこのお店好きになりました」
「僕の気に入ってる店を好きだと言ってくれて嬉しい」
夕美さんが料理を置いた後、上椙さんに2枚のチケット渡した。
「良かったらおふたりでどうぞ。私はこういうの苦手だから」
「ありがとうございます。明日にでも行こうか?」
上椙さんが受け取ったのは水族館のチケットだった。
遅れて夕美さんにお礼を言った。
「喜んでもらえて良かった。何かお飲みになる?」
「月山をお願いします」
「僕も同じものを」
「嫌だ、上椙くんどれだけ彼女に夢中なの?」
「バレましたか」
「わかりやすい」
笑いながら夕美さんは奥に入って行ってしまった。
「館山さんって、島根の人だよね?」
「そうだけど……どうして?」
「島根のお酒ばかり飲んでるから。さっき飲んだ智則も島根でしょう? 地元にはよく帰るの?」
「いえ……帰りません」
「水族館なんて久しぶりかもしれない。どこで待ち合わせをしようか?」
てっきり『どうして?』と聞かれると思ったのに、上椙さんは唐突に話を変えた。
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