第139話 新たな発見

 

 無事にモリブデンに帰り、騎士たちにも病院で寝泊まりをしてもらいながら魔法学者でもあるマーガレットと一緒に先のツボの見えた元騎士の一人であるシルバーナと一緒に魔法の研究を始めた。


 ダーナの時にもそうだったのだがあのツボ押しは女性たちにとってはとても気持ちがいいらしい。

 気持ちの良いマッサージの感覚でいたけどどうも違うようだ。

 あえて表現するならば、お預けをした状態での愛撫のようだと云われた。


 だからという訳ではないだろうが、モリブデンでの魔法研究中には我慢しきれずにおっぱじめてしまうことも多々あり、それを見つけた女性たちも加わるというなんと言って良いのか、とにかく大変な状態になることしばしば。

 俺の体力的には非常につらい時間ではあったのだが、そのおかげもあり?無事にシルバーナにも魔法が使えそうになるまでの魔力を体内に感じているようだ。


 まだ、魔法は何も覚えていないようなのだが、それについては今後の研究ということで。

 シルバーナだけなのか、検証をするために、他の二人についても調べてみることにした。


 そこで分かったことがある。

 俺が強く望んで調べないとあの光ツボは見つからない。

 俺のスキルのようで、治療スキルと言うよりも鍼灸師の勘とでも言えば良いのか、それが視覚的に表れているだけのようなのだが。

 だからなのか、ダーナの時にはなぜアイテムボックスが使えないかという気持ちがあったので、ツボがわかったのだが、シルバーナには使える魔法が無かったので俺の先生にも調べようとする気にならなかったようだ。

 そのためにシルバーナが魔法を使えるのかどうかを知らなかったので、ツボがあるのかという目で見てはいなかったのだ。

 多分たまたまなのだろう。

 あの時にそんな感じで見たら見つけたために今回調べる気持ちになっだけだ。


 偶然の発見だが、重要な発見でもあり、これならば他にも同じようなものがいないかを調べてみる価値もある。

 当然、夜にやりながらではあるが、残りの騎士たちも調べてみるとありました。

 ほかの人にも光ツボがあることが分かり、まだ全員には治療はしていないが、俺が落ち着いたら調べることでマーガレットとも意見が一致した。


 その後、モリブデンにいる仲間だけでもと思い、夜の営み時に調べてみると、全員何かしらの魔法が使えそうだった。

 みな魔法経路とか言うやつ、俺たちは一応そのように呼んでいるがアレがみな途切れていたりしているようで、光ツボが必ずあった。

 数や光強さ、それに大きさなどは人それぞれで、ほとんどが少なく弱かった。

 そのツボを刺激していると、皆体の中の魔法というか魔力を感じられるまでにはできたが、そのようにしても人は例外なくまだ魔法が使えない。


 マーガレット先生が言うには後天的に覚える魔法の方が多く、先天的に使える人もいるようだが、それは例外なく貴重な魔法ばかりだという。

 魔法の使えないのはまだその使える魔法を覚えていないかららしい。

 また、アイテムボックスなどのレアスキル魔法は先に挙げた先天的な魔法の典型的なものらしく、ダーナの時に俺の先生が指摘してきたのは、ダーナがアイテムボックスの魔法を覚えていたから??使えたから?違うか、とにかく本来ならば先天的に使えるはずだったのに魔法経路が寸断されていた?から使えない状態で、誰もが気が付かなかったということらしい。

 あくまで俺とマーガレット先生の共通した見解だ。


 とにかく魔法を勉強することで使えるようになると言うことならば、まずはダーナに他の魔法を覚えてもらい、それを皆に展開していけば全員が魔法を使える状態になる。

 これは魔法使いが貴重な存在として扱われているこの国では明らかにチートになる。


 夢が広がり、とにかく患者もしばらくは来そうにないので、病院では魔法の研究をしてもらっている。


 モリブデンにいる者たち全員に交代して魔法を勉強してもらった結果、例外なくウォーターやプチファイヤーは使えるまでにはなった。

 今まで魔法など使えると思っていなかった者たちはこれだけでも大喜びだ。

 マーガレット先生が言うにはそれらは生活魔法というものにひとくくりにされており、最も多くいる魔法使いだそうだ。

 水や火が簡単にどこでも使えるだけで、冒険者や軍隊、それに各地を旅する行商などからすれば雇うだけの価値ある魔法使いらしいが、一般的には魔法使いとしては扱われていないらしい。


 それに、生活魔法にはその他クリーンなどほかにもあるが、それらが使える魔法使いとなると格段に数も減るらしい。

 確かにクリーンはライトノベルの世界でも便利な魔法として扱われていたし、どこでもきれいにできるなんて衛生面からしても良いことづくめだ。

 貴族などに雇われていい生活も夢ではないらしい。


 皆には他の魔法にも挑戦してもらってはいるが先に挙げたウォーターやプチファイヤー以外の習得は難しそうだ。

 見ているとその二つで満足してしまい真剣みが足りないようにも思えるが、とにかく日々これ勉強として、毎日の日課に魔法訓練を課した。


 病院の方では貴族に連なる者や商人の家族などぼちぼちと患者を紹介されて治療を始めており、高額の費用を請求しているせいか、かなりの儲けが出ている。

 一応出資者への配当について相談していなかったが、そのあたりフィットチーネさんに丸投げしておいた。

 病院の儲けはそのまま使わずにストックしてある。

 純粋に儲けになるのは売り上げから費用を差し引いた額になるが、もともと費用対効果がとんでもないように設定していたので、ほとんど売り上げが営業利益になっているような状態だ。

 この世界減価償却の考えが無いので、建屋などにかかった費用についてはどうなるかわからないが、そういえば、内装工事以外に俺からは持ち出しがない。


 後々面倒になるといやなこともあるが、とにかく経理の資料だけは隠さずにフィットチーネさんに預けている。

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